中嶋
「ったく、恭子のやつ……」
喫煙もできる行きつけの喫茶店で、中嶋はコーヒーを飲みながら何本ものタバコを吹かしていた。
その表情は決して機嫌が良いというものではない。
〝もう香苗さんには会わないで、それができないなら別れるわ〟
先日、高山恭子に言われた事を思い出す。
中嶋は人に指図されるのを嫌う、そういう性格の持ち主だ。
恭子の言葉を思い出すだけで苛立ちが募る。
本来なら、そんな事を自分に言ってくる女とはすぐにでも関係を切りたい所だが、恭子の場合はそうはいかない。
つまり、金づるがいなくなると困るという事だ。
セックスフレンドや、自分に身体を預けてくる女は他にも数多くいる。
だが、恭子のように金まで貢いでくれる女は他にはいないし、ましてや恭子のような高給取りのOLなんてそうはいない。
昔とある会社で働いていた事もある中嶋。だが長続きはしなかった。
その後は貯金を少しずつ食い潰しながら、適当な女の部屋に住みついたりして過ごしていたが、そんな生活はいつまでもできないのが現実。
もう貯金もなくなり、さぁどうするかと本気で悩んでいた頃に出会ったのが恭子だった。
その美貌と、社会で働く殆どの男達よりも多いだろう年収。色々な意味でこれ以上ない美味しい女だと思った。
恭子の金でゆとりのある生活をし、好きな時に好きな女を抱く。
こんな美味しい生活を、今更止められない。
中嶋
「まぁ、あいつを失うのはありえないよなぁ……。」
そう独り言を呟く中嶋。
タバコをいくつか吸って少し冷静さを取り戻したのか、中嶋はこれからどうすべきなのかを考え始めた。
いつだって他人の女、それもすでに結婚している人妻を寝取るというのは気分が良いものだ。
罪悪感を感じ涙を流しながらも、快楽への欲望に勝てずに自分とのSEXに溺れる人妻の顔を見る時程、性的興奮が高まるものはない。
まさに至高のSEX。
自分の恋人?妻?そんなものではその快楽は味わえない。他人のものだからこそその興奮が味わえる。それが中嶋という男の性質なのだ。
だから今まで何人もの人妻を喰ってきた。
単調で平凡な結婚生活に刺激を求める女達。
結婚後に成熟した体、そこから溢れてくる性欲を持て余した女達。
人生で最も女として成熟する時期に、家庭の中に閉じ篭るなんて。
しかもその魅力を、悪い意味で結婚生活というものに慣れてしまっている夫には気付いてもらえない。
そんな女が世の中には沢山いる。
そしてそんな女の中でも、吉井香苗は群を抜いて良い女だったと言えた。
男なら誰もが美人と認めるだろうその容姿、そして大人の女独特のエロスを感じるスタイル。
SEXに関しても、元々感じやすいタイプのようだった。
しかし運が悪いと言うべきなのか、今まで相手をした男や、夫とのSEXではそれを開花させる事ができなかったのだろう。
女がSEXで感じる快感は男のそれよりも数倍、数十倍と言われている。
それは女の特権と言っても良いのかもしれない。
せっかく女として生まれてきたのに、気持ち良く快楽に溺れる事のできるようなSEXを知らずに年を重ねていくなんて、なんと勿体無い事か。
吉井香苗は、それを知らなかった。
いや、自分でも気付かない内にその欲求を溜め込んでいたのかもしれない。
夫に一途な妻として、いや、それ以前に貞操のある女としてずっと真面目に生きてきた人妻は、ほんの少しの刺激でいとも簡単に堕ちた。
ずっと道を外さずに生きてきた分、その反動は大きく、その開花の仕方は爆発と表現してもよい程だ。
SEXでイかせればイかせる程、エロくなっていく。
抱けば抱くほど良い身体、良い女になっていく。そんな滅多にお目にかかれないようなタイプの女。それが吉井香苗だった。
大抵の女は数回抱けば飽きてしまうのだが、香苗だけは違う。
今では香苗もアナルセックスの味を覚えるまでになった。だが、そこまでやってもまだ飽きない。
何かまだ食べ残しがあるのではないかと、思ってしまう。
この人妻の全てを奪いたい、余すことなく全てを喰い尽くしたい。
だから中嶋としては、できる事ならこれからもしばらく香苗の身体を味わっていたかった。
だがそれを諦めざるを得ない状況になった。
恭子からの要求を断る事はできない。
香苗は確かに過去に例がない程良い女だし、手放すのは本意ではないが、背に腹はかえられない。
金が無ければ生活はできない。働く気もなければ、そんなダラダラした生活をしてきた男に今の世の中仕事など余っていないのだから。
中嶋
「……。」
喫茶店で1人、何度思考してもその結論は変わらなかった。
ここはやはり恭子の言うとおりにするしかないだろう。
だが、気に食わない。
このまま恭子に要求された通りに事が進んでしまう事が、中嶋はどうしても気に食わなかった。
中嶋
「ちっ……。」
舌打ちをし、新たなタバコに火を着ける。
香苗との関係は終わらせなければいけない。
……そう、終わらせる……
……終わらせる……?
……へへ……そうか、終わらせればいいんだな……
あっという間にタバコが灰になり、それを灰皿に潰すように押し付けた所で、中嶋はある事を思いついた。
中嶋
「どうやって終わらせるかは、俺の自由だもんな。そうだよなぁ、へへ……これはこれで、楽しみになってきたな。」
機嫌が悪かった時の表情はどこへやら。
今の中嶋は薄気味悪い笑みを浮かべている。
その歪みきった性癖と人間性を満足させるような方法を、どうやら思いついてしまったらしい。
コメント
まとめtyaiました【人妻 吉井香苗(104)】
中嶋 「ったく、恭子のやつ……」喫煙もできる行きつけの喫茶店で、中嶋はコーヒーを飲みながら何本ものタバコを吹かしていた。その表情は決して機嫌が良いというものではない。〝もう香苗さんには会わないで、それができないなら別れるわ〟先日、高山恭子に言われた事を…
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更新ありがとうございます♪
新たな展開へ突入ですね
楽しみです
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どんな終わりかたをさせるのかとても楽しみになってきました。
いけないことですが、私の香苗さんのように、手遊びをしてしまっています。
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コメントありがとうございます。返事がもの凄く遅くなってすみません。
香苗の物語はもう終盤です。楽しんでもらえるように更新頑張りますね。
手遊びしちゃってください(笑)香苗はそうされると感じちゃうタイプですから(笑)