そのメールをまた何度も目で確認する香苗。
読んでも読んでも頭に入ってこない。
……本当に……?本当に来てるの?中嶋さん……
ようやく文章の意味を理解するも、信じられないといった表情の香苗。
しかし、その中に確かにある〝嬉しい〟という気持ち。
香苗は携帯を片手に持ったまま寝室に向かい、音を立てないようにゆっくりとドアを開けて中を確認する。
祐二がイビキを掻いているのが聞こえる。どうやらまだぐっすりと眠っているようだ。
そして再度メールを確認する香苗。
『俺、今奥さん達の部屋の前に居ます。玄関のドアの前に。』
香苗
「……ハァァ……」
胸が苦しい。
……ダメ……我慢できない……我慢できないの……私……
自分はまたいけない事をしようとしているのだという自覚はある。
今、目の前に仕事から帰ってきて寝ている夫がいるのだから尚更だ。
しかし、それでも自分を抑える事はできなかった。
事実、アルコールのお陰でいつも以上に深い眠りに入っている夫の姿を見て、心底安堵している自分がいるのだから。
香苗
「……。」
香苗は鏡を見て手で髪を整えると、すぐに玄関へと向かった。
この廊下の先、あのドアの向こうに中嶋がいる。
頭の中はフワフワしていて、まるで夢の中の道を歩いているようだった。
貞操帯で限界まで焦らされたと思えば、今度は夫が部屋にいるのに夜中に訪問してくるという大胆な行動をしてくる。
その緩急をつけた手法に、香苗の心は完全に翻弄されていた。
SEXでもそうだ。
中嶋は身体だけでなく、香苗の心理状態まで深く読み、そして操ってくる。
玄関に辿り着いた香苗は、ここでも音を立てないように気を付けながらドアのロックを外し、そしてゆっくりと開けた。
中嶋
「こんばんは、奥さん。」
香苗
「中嶋さん……」
香苗の口から自然とその名が漏れる。
メールにあった通り、そこには確かに中嶋が立っていた。
妄想の中ではなく、現実世界で目の当たりにする中嶋の姿、そして声。
香苗はこれを一日中欲していたのだ。
香苗は
「ぁぁ……」
という声を漏らしながら自分から中嶋に身体を寄せた。
そして身長差のある中嶋を香苗が上目遣いで見つめる。
キスを求めているのだ。
それを見て中嶋はニヤニヤと笑みを浮かべる。
中嶋
「フッ、どうしたんですか?奥さん。」
香苗
「ハァ……中嶋さん……私……」
瞳を潤ませながら見つめてくる香苗に、中嶋は仕方ないですねといった様子で香苗の顎を指で軽く持ち上げる。
中嶋
「目を閉じてください。」
香苗
「……」
香苗は言われたとおり、潤んだ目を閉じる。
中嶋
「じゃあ、そのまま舌を出してください。」
やはり普通ではない中嶋の要求。しかしこういう非日常的で刺激的な事を香苗も望んでいるのだ。
祐二としているような普通のキスではもはや満足できない。
香苗
「……ン……」
中嶋
「もっとです。俺に向かって限界まで舌をつき出して。」
香苗
「ハァ……ン……」
中嶋に命令される事が気持ち良い。
中嶋
「舌で俺を誘ってください、そしたら奥さんがして欲しい事をしてあげますよ。」
香苗
「ハァ……ハァ……」
舌で誘うってどうやったら良いんだろう。
そんな事を思いながらも香苗は、自分が最もイヤらしいと思う方法で舌を動かして見せる。
ディープキスをする時のような、ネットリとした舌の動き。
中嶋
「フッ、イヤらしいですねぇ。」
そう言って中嶋は香苗に顔を近づけると、口を開いて香苗の舌に激しく吸い付いた。
ジュウルルルル!!!!
香苗
「ッンンンーー!!」
舌を中嶋に咥えられた瞬間に、香苗は身体をビクンッと震わせ、軽い絶頂に達した。
ずっと締め付けられてた胸が、一気に解放される気持ち良さ。
香苗はつま先を伸ばし背伸びをして、中嶋の首に両手を回す。
そして自らも唇を中嶋の口に押し付ける。
ジュパ……ジュルルル!!!
異常な程溢れてくる唾液が下品な音を鳴らす。
そう、このキスは下品だ。
中嶋と香苗が今しているキスは、恋人達が愛を確認し合うようなロマンチックなキスではない。
発情した、SEXの事しか頭にないオスとメスがする、品性下劣なキスだ。
……ああ……スゴイ……
舌を食べられてしまうのではないかと思うくらいに強く吸われる。
でもそれが気持ち良かった。そのまま身体全部を食べられてしまいたいと思うくらいに。
コメント
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エッチな感じがたまりません。
わたしもついつい発情しちゃいましたw
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ありがとうございます。
もっともっと興奮を、読者の皆さんを発情だけじゃなく絶頂まで連れていけるように頑張ります!w