人妻 響子 (12)

絶頂に達した響子の背中が弓のように反り返る。


「んぁぁ……ハァァ……」

身体の奥深くから、手足の先、頭の中まで、甘く熱い快感が広がる。

……はァァ……気持ちイイ……

これが女の悦びなのだと全身で実感できた。もう忘れかけていたこの感覚。

そして絶頂後は一気に身体を脱力させ
「ハァ……ハァ……」

と胸を上下させながら深く呼吸をする。

久しぶりにセックスでオーガズムに達した響子は、しばらくその充実感に浸っていた。


「大丈夫ですか?」

繋がったままそう優しく声を掛けてきた長岡に対して、響子は小さく頷いた。

そして長岡は響子の火照った頬を手で触ると、再び響子のふっくらとした唇にキスをした。

絶頂後に長岡に抱きしめられながらされるキスは格別だった。

まるで夢の世界にいるかのような気持ち良さ。


「ンァ……はァ……長岡さん……」

唇が一旦離れると、あまりの心地よさに響子は思わず口を開いた。


「どうしました?」


「ハァ……凄く…気持ちイイです……本当に…」


「ハハッ、そんなに?」


「…ハイ……長岡さんって、上手なんですね。」


「セックスが?」

響子は頷いて
「エッチもだし……キスも……」

と答えた。


「旦那さんとするのと違う?」


「ぇ……」


「旦那さんとのセックスと、俺とのセックス、どっちが気持ち良いんですか?」


「イヤ……意地悪な事聞かないで……」


「男としてはそこは知っておきたいんですよ。」


「え~……どうして?」


「オスの本能みたいものですよ、男の世界は競争ですから、勝ちたいんです。教えてくださいよ、正直に。そしたら俺、もっと頑張りますから。」

長岡の言葉に、響子は思わずクスっと笑ってしまった。

互いに裸で、性器で繋がったままこんな会話をするなんて。それに〝頑張る〟と言う長岡は、何だか少し可愛くも思えた。


「ん?何か可笑しかったですか?」


「ううん、何でもないです。」


「教えてくださいよ、どっちが気持ち良いですか?」

そう言って長岡は再び腰をゆっくりと動かし始める。


「ン……はァァ……もぉ…聞かなくても…ぁ…ハァ…分かってるでしょ……?」


「言ってくれないと分からないですよ。」

腰の動きを激しくしていく長岡。


「あっあっアンッンァっあっあっんっンッ!」


「ほら、答えてください。」


「ああ、長岡さん、はァ……長岡さんの方が気持ちイイよ…あっあっ……」


「じゃあ、俺と付き合ってくれますね?」


「ハァ…ぇ……ンッあっ…付き合うって……言われても…あっン…ハァ…」


「これからも俺と身体の付き合いしましょうよ、旦那さんには秘密で。」


「ぁ……ああ…でも……あっあっあン……」


「だってこんなに相性良いのに、今日だけじゃ勿体ないでしょう?」


「はァ…ン……」


「そうしたら、これからも俺が響子さんに気持ち良い事沢山教えてあげますから。」

〝これからも気持ち良い事を沢山教えてあげます〟

正直、響子にとってそれは魅力的な言葉だった。

長岡とこれからも身体の関係を続ける。それはつまり〝セックスフレンド〟になるという事。

響子の常識の範囲からは大きく外れた関係。いけない事だとは分かっている。

でも、今の響子には心の拠り所、身体の拠り所が必要だった。

もし〝恋人になって欲しい〟だったら断るしかない。離婚はできないから。

でも〝身体の付き合いを続けたい〟と言われると、揺れる。

曖昧な男女関係が、今は凄く魅力的。

今日のような大人の遊びを、もっと続けてみたい。

これからももっと気持ち良いセックスを体験してみたい。

人妻でも母親でもない、女でいられる時間がこれからも欲しかった。


「ハァ…はァ……長岡さん……私……」


「付き合ってくれますか?」


「はァ……ン……長岡さんなら…あっン……」


「いいんですね?」


「ハァ……ハイ……長岡さん…私……沢山……沢山抱いて欲しい……ああっ…」

〝沢山抱いて欲しい〟

快楽に溺れる響子の口から漏れた、本音の願望。

それに応えるべく、長岡は響子の身体を四つん這いにさせて、今度はバックの体位で激しく響子を突き始めた。


「あっあっあっ……ああっ!ンァあ…スゴイ…あああっ!!」

長岡の腰と響子の白い柔尻がぶつかる度にパンパンパンッ!と乾いた音が鳴り響く。

長岡の太くて硬いペニスが、膣奥の快感スポットを容赦なく刺激してくる。

優しくスローなセックスも気持ち良かったけど、こういう激しい肉食系のセックスも、脳天まで快感がビンビン伝わってきて堪らなく気持ち良い。

こんなに気持ち良くなれるなら、例えリスクがあったとしても長岡さんとの関係を続けたいと響子は思った。

――こういうセックス、きっと長岡さんと出会わなかったら、一生知る事はなかったんだろうな……――


「あっあっんあっアアッ!長岡さんっ…ハァ…あっあっアッ……また、いっ……イッちゃう…あっあっ…!」


「響子さん、俺もイキそうです、はァ……」


「あっあっンッンッあっあっ……!」


「一緒にイキましょうか。」

長岡はまた素早く体位を入れ替えて正常位に戻すと、腰をさらに激しくピストンさせて射精に向けてラストスパートを掛けた。

激しい性交に2人共じっとりと汗を掻いている。

互いに絶頂が近付いてくるのを感じ、2人は指を絡ませるようにして手を握り合った。


「響子さんっ!イッてください、俺もイキますよ!」


「あっあっあンッ!長岡さんっあっはァ、一緒に…ああ…!!いく…いくっ……イクッ!んああああああ!!!」

そして最後に2人は汗だくの状態で強く抱き合い、同時に快感絶頂に達した。

響子は長岡にしがみ付きながら身体を仰け反らせ、長岡は響子のヴァギナにペニスを強く締め付けられながらコンドームの中に射精する。

ドビュビュビュッ!!…ドビュッ!ドビュッ!


「ハァ……ハァ……」

と、2人の呼吸がシンクロしている。

まさに2人の身体が溶け合って1つになったようなセックスだった。

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