大林に連れて来られたその部屋は、店内とはまた別の意味で異様な雰囲気を醸し出す部屋であった。
やや広めのその部屋は、殆ど何も無い部屋だった。窓も無ければ事務所のような余計な机や椅子も無い。
ただ、中央には大きくて白いビニールシートが敷かれており、そこには不思議な形をしたベッド…いや、椅子が1台だけ置いてあった。
まるで病院の産婦人科にあるような椅子。
果歩にはまったく分からなかった。なぜそんな椅子がここにあるのか。
大林
「ヒヒ・・・果歩さんのために新調したんですよ、どうです?いいでしょう?」
富田
「フッ・・・そうか、よかったなぁ果歩。」
果歩
「ぇ・・・?あの・・・」
部屋に殆ど何も置かれていないためか、家具を入れる前の部屋のように声が響く。
大林
「ヒヒ・・・果歩さん、実はねぇここはこのお店に来る女性の中でも特別会員の方だけが入れる部屋なんですよ。」
大林がベットリとしたイヤらしい笑みを浮かべながらしゃべり始めた。
果歩
「・・・そ、そうなんですか・・・」
大林
「えぇ・・・ここはね、女性がより良い性生活を送れるようにするために用意した部屋なんですよ。」
果歩
「・・・より良い・・・性・・・?」
大林
「まぁ・・・簡単に言うと、性感マッサージ用の部屋なんですよ。」
果歩
「・・・ぇ・・・性感・・・マッサージ・・・」
そこまで言われて果歩はようやく気付いた。
あの変わった形の椅子の上でどのような事をするのか、女性のどの部分をマッサージするような部屋なのかを。
思わずスカートの前を両手で押さえて顔を赤くする果歩。
大林
「ヒヒ・・・どうです?果歩さんも受けてみませんか?結構女性客の皆さんには評判いいんですよ、私のマッサージ。」
果歩
「・・・いえ・・・あの・・・」
山井
「果歩ちゃん、受けてみなよ。そうすれば、へへ・・・これからのSEXがもっと気持ちよくなるぜ?」
果歩
「山井さん・・・私は・・・」
富田
「果歩、今日はそのためにお前を連れて来たんだ。まぁ試しにやってもらえよ。」
果歩
「あの・・・富田さん・・・私、もう・・・こういう事は・・・。」
急な話に戸惑った様子の果歩。
何となく流されるようにここまで来てしまった果歩だったが、やはり果歩の中にはまだ友哉への諦めきれない気持ちが僅かに残っているようだ。
富田
「はぁ?お前今頃何言ってるんだよ。さっきもアレを欲しがってたくせに。気持ちいい事大好きだろお前?素直になれよぉ。」
果歩
「・・・それは・・・」
山井
「え~なになに果歩ちゃん、もしかしてまだ例の彼氏君に未練が残ってるの?」
果歩
「さっきは・・・その・・・もう何が何だか・・・分からなくなっちゃって・・・。」
俯く果歩の両サイドに立っていた、富田と山井は少々呆れ気味の表情で顔を見合わせた。
そして何かお互いに目で合図を出すと、二人は同時に果歩に近づいた。
富田
「しょうがねぇなぁ果歩は・・・おい!」
山井
「はいよ!」
果歩
「ぇ・・・・キャァ!やだ・・・やめてくださいっ!」
突然果歩の身体を掴んだ富田と山井が、強引に果歩の身体を持ち上げる。
果歩
「あぁイヤッ!ちょっと・・・降ろしてください・・・」
毎日のトレーニングで鍛え上げられている逞しい男2人に、小柄な果歩の体は軽々と持ち上げられる。
山井
「へへ・・・大丈夫だよぉ果歩ちゃん、すぐに気持ちよくなるからねぇ。」
果歩を持ち上げながら、まるで歯医者を嫌がる子供をあやす時のように笑いながら果歩にそう言う山井。
果歩
「あぁ・・・ちょっと・・・イヤ・・・」
抵抗する果歩の力は富田と山井の力には遠く及ばず、果歩は暴れる事さえできなかった。
・・・ガタッ・・・・
富田と山井は、部屋の中央に置かれている特殊な椅子に果歩を座らせると、果歩の手や足や身体の数箇所を固定するためのベルトを慣れた様子で手早く締めていく。
・・・カチャカチャカチャ・・・
果歩
「いや・・・ちょっと待ってください・・・どうしてこんな・・・」
次々と椅子に固定されていく身体。
縛られる事によって果歩は恐怖感にも似た不安を感じていた。
大林
「ヒヒ・・・果歩さん、心配無用です。ここでマッサージしていかれる女性は皆こういう風に身体を固定するんです。椅子から落ちてしまうと危ないですからね。」
果歩
「ぁ・・・でも・・・そういう事じゃなくて私、マッサージは別に・・・。・・・富田さん山井さん・・・これ、外してください・・・」
富田
「果歩も諦めが悪いなぁ。大林のマッサージを受ければあれだぜ?最高だぜ?今頃マッサージくらいで彼氏に罪悪感なんて抱く必要ないだろ?」
果歩
「・・・そんな・・・私・・・私まだ友・・・」
大林
「まぁまぁ果歩さん、彼氏さんとの事は私のマッサージを受けてから考えればよろしいんじゃないですか?このマッサージは他にも多くの女性が受けているものですから、そう固く考えずにぜひ体験していってくださいよ。」
果歩
「・・・でも・・・」
今だに納得していない様子の果歩だったが、もうすでに身体は完全に椅子に固定されており、果歩に選択の権利は残されていなかった。
困惑する果歩の表情を見て、大林は顔をギラギラと脂でテカらせながら笑みを浮かべている。
大林
「彼氏さんとの事はマッサージの後にじっくりお考えになればいいんです。マッサージの後にね・・・ヒヒヒ・・・。」
大林 (ヒヒヒ・・・まぁこのマッサージを受けた後はSEX以外の事なんて考えられない身体になっていると思いますけどね・・・ヒヒヒ・・・)
コメント
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心配してくださってありがとうございます。
なんとか今日は更新できました。
また明日から安定した更新を心がけて頑張ります。
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更新していただけるのは嬉しい限りですが、くれぐれも無理なさらないで下さいませ。[i:63943]
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初コメントありがとうございます!
そんな風に楽しみにして頂いているなんて、本当に嬉しいです。
モチベーション上がりますねやっぱり、読んでくれる方、楽しみにしてくれている方がいるんだと考えると。
果歩の話はまだまだ続きますが、完結に向けて更新頑張ります!
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メンメンさん 初めてコメントさせていただきます。
いつも好奇心いっぱいに読ませて頂いています。
果穂がどうなっていってしまうのかとても楽しみにしています。これからも頑張って下さい。
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なんか引っ張っちゃうんですよね(笑)
やっぱり果歩が簡単に堕ちてしまったら、興奮しないかなぁと思いまして。
明日からは余裕を持った更新を心がけたいです。
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お疲れさま
まだ、引っ張りますねぇww
その分、明日からの楽しみとさせてもらいます
ただ、無理せずね