薄暗い寝室の中で富田と2人、果歩は何も言う事ができず、ただ泣きながら顔に付いた後藤のザーメンをティッシュで拭き取っていた。
富田
「・・・・・。」
果歩
「ぅ・・・ぅ・・・・」
富田
「・・・フッ・・・泣いていれば良いと思っているのか?」
富田はそう言いながらベッドに座る果歩に近づいていく。
果歩
「・・・ぅ・・・富田さん・・・私・・・ずっと富田さんを・・・」
富田
「お前は結局誰でも良いんだろ?俺は俺を裏切るような女には興味はない。お前みたいなクズにはな。」
果歩
「・・・ぅ・・・ぅ・・・。」
富田の言葉に果歩の心はひび割れてボロボロと崩れ落ちていく。
何も言えない果歩を富田は目を細めながらしばらく見つめた後、果歩に背中を向けて部屋を出て行こうとした。
果歩は離れていく富田を見て、堪らない気持ちになる。
ずっと求めて探し続けてきた人が、離れて行ってしまう。
・・・この人に捨てられたら・・・私・・・私・・・
果歩
「ぅ・・・ぁぁ・・・と・・・富田さん!」
果歩は裸のままベッドから降りて富田の背中に抱きついた。
富田
「・・・・・。」
果歩
「私・・・ぅ・・・寂しくて・・・ずっと富田さんの事・・・探して・・・」
富田
「・・・それで?」
果歩
「・・・ぇ・・・」
富田
「それで後藤に抱かれたのか?」
果歩
「・・・それは・・・」
果歩は自分の言っている事が矛盾に満ちている事を知っている。
何を言っても言い訳にしかならない。
ただ果歩の心の中の大部分を占めている富田という存在を失うのだけは耐えられないと思った。
なぜ自分は後藤に縋り(すがり)付こうとしてしまったのか。
・・・心も身体も、富田さんに満たされたいとずっと思っていたのに・・・
どうしてなのか、果歩は自分で自分が分からなくなった。
どうしてこんな事になってしまったのかが分からなくて・・・辛い・・・
果歩
「ぅ・・・ぅ・・・・富田さん・・・ぁぁ・・・捨てないで・・・ください・・・ヒック・・・私・・・富田さんがいないと・・・ぅ・・・ぅ・・・」
号泣しながらそう哀願する果歩。
裸で号泣し、富田に縋り付こうとしているその姿は、今の果歩の心がいかに不安定であるかを表していた。
富田
「・・・そんなに俺に捨てられるのが嫌なのか?」
果歩
「ぅ・・・ぅ・・・ン・・・」
果歩は下を向いたまま頭を動かして小さく頷く。
下の絨毯にポタポタと涙が数滴落ちる。
富田
「・・・フッ・・・まぁ・・・そこまで捨てられたくないなら、別にまた俺の元にお前を置いといてやってもいいけどな。」
果歩
「・・・富田さん・・・」
置いておいてやっても・・・まるで果歩が物であるような富田の言い方。
しかし果歩はそれでもよかった。富田に捨てられるくらいなら・・・。
富田
「ただし・・・お前はもう俺の女でも、性奴隷でもない・・・いいな?」
果歩
「・・・・・それって・・・」
富田
「・・・お前には今日から〝肉便器〟になってもらう。」
果歩
「・・・にく・・・べんき・・・?」
富田
「お前はこれからただの便器として生きるんだ。便器は何も考えなくていい、便器はただ処理物を消化するだけだ。それで良いなら俺の側にいても良いぞ。」
果歩
「・・・便器って・・・そんなの・・・ぅ・・・ヒドイ・・・」
富田
「それが嫌なら二度と俺の前に現れるな。はっきり言ってもうお前には何にも感じない、お前が俺のためにできるのは、俺にとって都合の良い肉便器になる事だけだ。」
果歩
「ぅぅ・・・ぁぁ・・・富田さん・・・私・・・富田さんが居ないと・・生きていけない・・・死んじゃう・・・」
富田
「じゃあどうするんだ?便器になるのかならないのかはっきりしろ。」
果歩
「・・・・ぅぅ・・・・・なります・・・富田さんが・・・望む事なら・・・私・・・何でも・・・」
果歩はそう答えると絨毯の上で、急に力が抜けたようにペタンと座り込んでしまった。
・・・肉便器・・・
・・・もう何もかもが・・・何もかもがわからない・・・
果歩は自ら富田の肉便器になる事を選んだ。
その瞬間から本当に自分が一人の人間ではなく、ただの物になってしまったような気がした。
・・・もう誰も私に愛情を注いでくれない・・・もう誰もこんな私を好きになってくれる訳がない・・・
・・・堕ちてく・・・ぁぁ・・・堕ちてく・・・堕ちてく・・・堕ちてく・・・堕ちて・・・・・
もう・・・誰も・・・それなら・・・私は富田さんの・・・物でいい・・・捨てられないなら・・・物でも何でもいい・・・
その思った瞬間・・・果歩の涙は止まった
そしていつもキラキラしていた果歩の瞳が曇っていく
バタバタバタバタバタ・・・・
沢山の足音が近づいてくる。
果歩はその音が何なのかも理解できずに、ただ茫然とそれを聞いていた。
・・・コンコンッ!!
富田
「・・・おぉ!入っていいぞ!」
富田の声で、ドアが開く。
何人もの男達が富田に挨拶をしながらゾロゾロと入ってくる。
そしてその男達は部屋に入るなり裸で座っている果歩の姿を見て、皆驚いたように目を丸くしていた。
富田
「・・・待たせて悪かったな・・・これ・・・新しい便器だからよ、お前達の好きにしていいぞ。」
コメント
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…ドキッ…そんなこと言われると…(笑)
もう自分がプレイをされていると思って読んでくださいとは言えない展開にはなってきていますが、感じてくれるなら嬉しいです。
しばらくは心をサディスティックにして書かねばいけないようです。
…果歩ごめんよぉ…
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コメントありがとうございます。
今回の果歩の行動は、読者の方達からかなり賛否両論ありますね。ほとんど否ですが…(苦笑)
もしかして離れていってしまう読者の方が続出するのではと…正直ちょっと心配です。
でもここで予定していたストーリーを曲げてしまってはダメだと思っている自分もいます。
だから楽しみと言って頂けるのは、本当に心強いというか、嬉しいです。
頑張ります。
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昨日はたくさんコメントがあったので遠慮しました。
だって……。
勝手に他の読者さんに嫉妬してたから。( ̄∀ ̄)(爆)
ついに堕ちる所まで、堕ちそうですね、果歩。(>_<)
どんな責めを受けるのか、楽しみです。(≧∇≦)
実は昨日の記事で、濡れました。(≧ε≦)イャン
明日の記事も楽しみにしてます。o(^-^)o
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いつも楽しませて頂いてます。
でも…果歩ちゃん…
私は同情できませんね(笑)
幸せになって欲しいけど…
寂しいからってしちゃダメでしょ。と思いました。
富田さんの奴隷ちゃんなら放置も我慢しなきゃです。
これから果歩ちゃんがどこまで堕ちていくのか楽しみです。
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きのこさん、なんだか凄く辛い気持ちにさせてしまったようで、ごめんなさい。
辛いシーンですけど、なんとか果歩を見守ってくれたらと、作者の僕的には思っています。
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せつないです。