「じゃあ、そんな感じで頼むよ。まぁわからない事があったらいつでも聞いてもらっていいから。」
「は、はい。ありがとうございます。」
室内プールの脇で水着の上にTシャツ姿の果歩は、富田から監視員の仕事の内容の説明を受け終わったところだった。
・・・やだ・・・やっぱり恥ずかしい・・・
果歩がプールに入ってくるなり
「おぉ!果歩ちゃん今日は水着かよ、へぇ~いいねぇ!」
「おわ~、果歩ちゃん水着なの!?そのTシャツも脱いでみてよ。」
と、顔見知りの男性会員達にセクハラ紛いの声をかけられた。
今まで受付の仕事をやっていた果歩は、ここの男性会員達全員を知っている。
果歩の可愛さはこのジムに通っている男達の中では評判で、わざわざ通う曜日を果歩がいる曜日に変更する男が急増していたほどだった。
そんな短期間でトミタスポーツのマスコット的存在になっていた果歩の水着姿、男なら仕方ない事なのかもしれないが、その視線が果歩に集中している事に、さすがに鈍感な果歩でも気付いていた。
・・・もぅ・・・恥ずかしいよぉ・・・・
その大勢の男性の視線はおそらく果歩の下半身、Tシャツでは隠れないハイレグの股の部分、そして水着が少し食い込みぎみのお尻に集中しているであろう事にも果歩は気付いていた。
Tシャツを下に引っ張りながら少しでも下半身が隠れるようにと努力する果歩。
「ちょっとちょっと!男性の諸君、果歩ちゃんの方見過ぎです!セクハラになりますよ!さぁさぁ、自分のトレーニングに集中してください!」
富田が果歩の前に立って、男性達の視線を遮るようにして言った。
「じゃあさっき言った通り、頼むよ、果歩ちゃん。」
「は、はい。わかりました。」
富田の爽やかな笑顔で言ってきた言葉に果歩も笑顔で返事をした。
監視台の梯子(はしご)を登っていく果歩、その時下から冨田は果歩の下半身、お尻に食い込んだ水着を凝視していた。
(ハハッ!こりゃマジで美味そうだわ・・・あんま長いこと我慢できねぇな・・・ま、今日の果歩の様子じゃそんなに時間は掛からないかもしれねぇけどなぁ・・・。)
そんな富田のイヤらしい下からの視線にまったく気付いた様子のない果歩、一番上までたどり着くと、監視員用の椅子に腰を下ろした。
「よし、じゃあもし溺れてる人とか見つけたらその笛を大きく吹いてくれよ。」
「はい、わかりました。」
「じゃあ頼むわ。」
そう果歩に言って富田はインストラクターの仕事に戻っていった。
・・・はぁ・・・結構暇かも・・・
監視員の仕事は退屈だった。
もしかして受付の仕事より暇かもしれない。
一応プール全体を注意深く監視しているつもりだったが、それは最初の頃だけで、しだいに(どうせなにも起きないし)と心のどこかで思ってきてしまう果歩、集中力がなくなってきていた。
それにしてもなんだか未だに男性会員達の視線を感じる・・・。
椅子に座っているから食い込んだ水着などは見られていないと思うが、それでも果歩の椅子からぶら下っている白い脚などをチラチラ見られている気がする。
しかし、果歩はそういった視線には結構慣れていた。
というのは中学や高校時代の水泳の授業の時にも同じような視線は感じていたからだ。
最初は恥ずかしいし嫌だったが、もう果歩の中では男の人は仕方ないのかもしれないと割り切っていた。
もちろん水着姿を見られることは恥ずかしい事に変わりはなかったのだが・・・。
・・・ん~・・・あ~暇だなぁ・・・
しばらく監視の仕事を続けていた果歩だが、そのうちだんだんと、ある男性の方をチラチラ見るようになっていた。
その男性は・・・富田だった。
会員のお客に泳ぎ方の指導をしている富田。
・・・富田さんって・・・すごい逞しい身体してる・・・やっぱインストラクターだから毎日鍛えてるのかなぁ・・・
果歩が見ていたのは富田の鍛え上げられた身体だった。
なぜだろう・・・無意識のうちに富田の方に遠目から視線が行ってしまう。
それは果歩が昨日秋絵の部屋で見たDVDのあの男優の身体と、富田の身体を重ねて見てしまっていたからだった。
そう、あのDVDの女性と激しく交わっていた男の逞しい身体。
そして今朝見た夢の中で果歩と濃厚な性行為をしていた男の逞しい身体。
その体つきにそっくりな逞しい身体が今、果歩の視線の先、現実の世界に存在しているのだ。
黒く焼けた肌
厚い胸板
大きな背中
割れた腹筋
筋肉質な太い腕
そして・・・果歩の視線が止まってしまう場所・・・
富田の下半身・・・その中心部分・・・
一瞬、女性なら目を背けたくなるような水着を穿いている富田。
しかし果歩の目はしっかりとその下半身を見つめていた。
それは、もはや[チラ見]ではなかった。
ブーメランタイプの小さな水着、その中心部分の大きな膨らみに果歩の目は釘付けだった。
強引に収められているであろう富田のペニスはその膨らみから、相当な大きさのものであることは容易に想像できた。
果歩は自分の下腹部が熱くなってくるのを感じた。
昨日からずっと燻り続けていた小さな炎が今、視覚的刺激によって再び大きなものになり始めていたのだ。
大学では講義に集中したり、知子と話をしたりして忘れかけていたその感覚。
しかし、本当はずっと我慢していたのだ。昨日からずっと・・・
果歩は想像してしまう・・・。
逞しい身体に抱かれる自分を。
大きく股を開かされ、その中心に逞しい男根を挿入される自分を。
我慢し続けていたムラムラ感が、急激に果歩の身体の中で増大してきていた。
股間が、アソコがムズムズする・・・
Tシャツの裾をグッと握り締め、時折り太ももを擦り合わせるような仕草をする果歩。
あっ…
ジュワァっと熱い何かが股間の秘裂から溢れ出してきた事に気付いた果歩。
ハァ…ダメ…
ドク…ドク…ドク…
心臓の脈と同じリズムでイヤらしい粘液が生産され、秘裂から溢れ出てくる。
…ダメ…変なこと想像しちゃ…
本能的に見つめてしまっていた富田の身体から視線を外し、グッと目を瞑る。
必死に心を落ち着かせようとする果歩。
「お~い果歩ちゃん。果歩ちゃん!」
「…えっ…?」
監視台の下の方から男の人の声。
富田の声だった。
「どうしたんだよ、目瞑って下向いちゃって。」
「え?あ…す、すみません!」
「ハハッ、おいおい、まさかお眠りしてたんじゃないだろうなぁ?」
「い、いえ、寝てはいなかったですけど…。」
「本当かぁ?ハハッ、まぁいいよ、それよりちょっと来てくれないか?水質検査の仕方教えるから。」
「え?は、はい、わかりました。」
さっきまで富田の身体を見ながら想像していたことを思うとなんだか気まずい。
富田との会話だけで自分の顔が赤くなっていることがわかる。
監視台の椅子から立ち上がろうとする果歩。
その時一瞬、嫌な感覚を股間に感じた。
ハっとした表情の果歩。
そっと握り締めていたTシャツの裾をめくって水着の股部分を確認してみる。
嫌な予感は当たっていた。
果歩の水着の股部分には、自身から溢れ出た湿った粘液によって染みができていたのだ。
プールに入っていない果歩の水着は、色が黒いとはいえ、乾いた部分と濡れた部分の色の違いは結構はっきりしていた。
うそ…やだ、どうしよう…
富田を下で待たせたまま、顔を赤くして泣きだしそうな表情の果歩は、監視台から降りることができなくなってしまっていた。
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