女子大生 水野果歩(30)

果歩 
「あっ秋絵先輩!!?」

果歩は自分の耳を疑った。

秋絵が今言った事、あの事は心を許した女の子同士の秘密だったはず。

秘密だったはずというか、常識的に暗黙の了解で秘密のはず。

山井 
「うっわ~マジ!?果歩ちゃんバイブ使ってんの!?」

富田 
「ハハッていうか、果歩ちゃんがオナっちゃてるって事実だけでなんかすごいな。」

果歩 
「え?・・・あ・・・あ・・・あの・・・・。」

もう恥ずかしいどころではない。

それにアルコールで意識ボーっとしているのもあり、思考もうまく回らない。

パニック状態の果歩は富田と山井に何を言われても返す言葉が見つからなかった。

秋絵 
「これだけ可愛い果歩ちゃんも人の子だものね、いいのよ果歩ちゃん、それぐらいの事は女の子でもほとんどの子はしてるわ。」

果歩 
「秋絵先輩・・・でも・・・どうして・・・?」

・・・どうして富田さんと山井さんの前でそんな事・・・

秋絵 
「フフ・・・ごめんね、果歩ちゃん。でもね、果歩ちゃんが大人の女性に一歩近づくにはこういう勉強も必要なのよ?」

果歩 
「・・・秋絵先輩・・・よく言ってる意味が・・・勉強って・・・?」

秋絵 
「だからね、女の子だってエッチな勉強は少しはしないとね。男の子が逃げてっちゃうのよ。」

果歩 
「・・・でも・・・私は・・・。」

秋絵 
「友哉君がなぜ浮気しちゃったのかはわからないけど、これからのために果歩ちゃんはもう少し知識と経験を増やしておいた方がいいと思うわよ?」

果歩 
「そんな事・・・言われても・・・。」

確かに同年代の周りの子と比べれば果歩はそういった事の知識も経験も少なかった。

・・・でも・・・だからって・・・私がそんなだから友哉は他の女の子と?・・・そんな・・・・

秋絵 
「幸いここにいるお二人さんは、知識も経験も豊富だしね。」

富田 
「よ~し果歩ちゃん!俺達で良かったらいくらでも協力するぜ?なぁ山井?」

山井 
「もちろんっスよ!果歩ちゃんのためなら何でもするって。」

そう言って果歩に詰め寄ってくる男ふたり。

果歩 
「えっ!?・・・ちょ、ちょっと!待ってください!」

果歩は反射的に逃げるようにソファの背もたれの方に身体を引いた。

話が想像もしてなかったあらぬ方向へ進み始めて、果歩の頭の中はさらにパニック状態になっていた。

果歩 
「あの・・・なんか・・・話が変な方向にいってません?」

秋絵 
「フフ・・・果歩ちゃん、もしかして果歩ちゃんは友哉君と付き合っていてもこういった事は全部受身だったんじゃない?」

果歩 
「・・・それは・・・・。」

そう言われれば、友哉との交わり時はすべて友哉に任せて、友哉の言う通りにしていただけだった。

しかしそれは、果歩は知識も経験もなく、恥ずかしがり屋でもあったため仕方がなかった事かもしれない。

富田 
「ハハッなるほどね、果歩ちゃんは彼氏にまったく自分の気持ちを解放していなかったって事だな?それじゃ彼氏さんがちょっと気の毒だなぁ。」

果歩 
「・・・・解放って言われても・・・。」

なんだかこれでは果歩が性に疎いせいで友哉が浮気したんだと言われているようだ。

山井 
「男ってのは相手に気持ちよくなってもらってなんぼだからなぁ・・・果歩ちゃんが気持ちを解放してくれなかったら・・・彼氏の気持ちも盛り上がらないよなぁ。」

果歩 
「・・・そんな事言われても・・・。」

確かに友哉の前で果歩はそんなに乱れた姿を見せた事はない。

秋絵にもらったバイブレーターでのオナニー。
あの時のような興奮は友哉との性交で感じた事はない。

・・・でも、それって私が悪いの・・・?

友哉にまかせっきりだったから・・・?

秋絵 
「フフ・・・果歩ちゃんは友哉君にフェラチオもしてあげた事ないんだよね?」

果歩 
「・・・ハイ・・・。」

フェラチオ、男性器を口に含んだり舌で刺激したりする行為。

果歩は知識としては知っていても実際に友哉にしてあげた事はなかった。

それは友哉から頼まれたこともなかったし、もちろん恥ずかしがりやの果歩から積極的に行為に及ぶことなどあるはずがなかった。

しかし、果歩の本心では、フェラチオに興味がないわけではなかった。

それどころか先日、果歩は男根の形を模ったバイブレーターをまるでフェラチオをするように口に含んで舐めていたのだから。

山井 
「え~マジ?果歩ちゃん彼氏にフェラしてあげたことないの!?あ~そりゃ彼氏かわいそうだわぁ!」

富田 
「今時フェラチオしないカップルなんて珍しいよなぁ?」

果歩 
「・・・そ・・・そうなんですか・・・。」

なんだかさっきから果歩は自分ばかり責められているようで、今にも泣きそうであった。

しかしその一方で、富田達が言うとおり、性に消極的な自分に友哉は不満を抱いていたのかもしれない、と思うようになっていた。

秋絵 
「フフ・・・果歩ちゃん、じゃあ果歩ちゃんのこれからの恋愛生活のためにも、ちょっとここで練習してみない?」

果歩 
「練習・・・ですか・・・?」

秋絵 
「そう、フェラチオの練習をね。」

怪しい笑みを浮かべながら言われた秋絵の言葉に、アルコールでボ~っとした頭で少し考え、その意味を理解した時、果歩の身体は熱くなったのだった・・・。

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