果歩
「知子ちゃん、おはよう!」
知子
「・・・果歩っ!?・・・・はぁ・・・おはよう。」
大学の講義室に入ってきた果歩は真っ先に知子が座っている席の隣に座った。
果歩の声に知子は少々呆れた様子で果歩にあいさつを返した。
知子
「随分と長いこと実家に帰ってたのね?今日何曜日か知ってる?」
果歩 「木曜・・・あのね、お母さんがせっかく帰ってきたんだからゆっくりしてきなさいって・・・。」
知子
「へぇ~・・・躾(しつけ)に厳しい果歩のお母さんが大学休んでまで実家にいろって?」
知子は疑り深そうな目で果歩の表情を見ながら聞く。
果歩
「え?あ~まぁ・・・お母さんも私が大学生になって居なくなってからは実は結構寂しかったんだと思うな、うん。・・・ほら、あ~見えてもお母さん結構寂しがり屋さんだからね。」
知子の鋭い質問に明らかに焦っている様子の果歩。
知子
「へぇ~そうなんだ・・・果歩もすごい寂しがりやだもんね・・・。」
果歩
「・・・え?そう・・・かな・・・?」
果歩のリアクションに知子は、思わずため息を付く。
知子
「はぁ・・・もう・・・それはともかく、大学休む時はメールくらいしてよね?」
果歩
「ぁ・・・うん、ごめんね・・・。」
必死に言い訳のような見え見えの嘘を付く果歩に知子は終始呆れ顔であったが、同時に果歩の事実を隠したくなる気持ちも分からなくはなかった。
知子には果歩がどこかの男性といっしょにいたという確信はなかったが、果歩が何か自分に知られては都合の悪い事を隠している事だけはわかった。
もし男性といっしょに居たとしたならば、彼氏である友哉と共通の親友である自分にはきっと知られたくないだろう。
知子
「・・・・・。」
しかし知子の性格上、それを追及しないまま過ごすのは些か(いささか)無理があったのかもしれない。
噂話、恋愛話、男女のいざこざ話が大好物な知子19歳。
そして案の定、この日の内にその我慢は限界を向かえた・・・。
昼休み、いつもの食堂の席で果歩と知子は昼食をとっていた。
知子
「あ、そういえば果歩、私おいしいプリン見つけたんだよね、コンビニのだけど。」
知子はそう言いながら、カバンから例のプリンを2つ取り出してテーブルの上に置いた。
果歩
「え~そうなんだぁ!わぁ美味しそうだね!あ、2つ・・・知子ちゃん私の分まで買っておいてくれたんだぁ、ありがとぉ!」
果歩は嬉しそうにしながらプリンに手を伸ばす。
知子
「ちょっと待ったぁ!!」
知子はそう声を上げると、果歩が取ろうとしたプリンを取り上げた。
果歩
「あっ!」
知子
「これが果歩の分だなんて一言も言ってない。」
果歩
「え?知子ちゃん1人で2つも食べるの?また太るよ?」
知子
「う・・・・違う違う!そうじゃなくて~!・・・果歩・・・本当の事私に教えてくれたらプリンあげるよ?」
果歩
「・・・ぇ?・・・何?ホントの事って・・・。」
知子
「・・・昨日まで本当はどこに居たの?」
知子の踏み込んだ質問に、プリンを見て喜んでいた果歩の表情が一気に曇る。
果歩
「ぇ・・・?・・・だから私は実家でお母さんと・・・」
知子
「ウソ!嘘だね・・・果歩ってホント嘘つくの下手なんだから・・・。」
果歩
「・・・知子ちゃん・・・。」
嘘・・・そう言われて果歩は胸が締め付けられるように苦しくなった。
・・・知子ちゃん・・・やっぱ気付いてたんだ・・・
知子
「・・・ねぇ果歩、本当の事教えてよ、私達親友でしょ?」
果歩
「・・・・・・。」
下を向いて黙り込んでしまう果歩。
今日まで自分が誰と何をしていたのか、言い辛いのは仕方がないのかもしれない。
知子
「・・・・男の所に居たでしょ?」
果歩
「・・・え?」
果歩の顔がポーっと赤くなっていく。
なんと分かりやすい子なんだと、知子は思った。
しかしそれが果歩らしい言えば果歩らしいと言える。
知子
「・・・はぁ・・・そうなの?」
果歩
「・・・・・・・。」
果歩は顔を赤くすると同時に目を潤ませながら俯き加減で小さく頷いた。
からっと晴れた天気。
ポカポカと暖かい日光と、少しヒンヤリと冷たい空気が心地良い。
大学の中庭に移動した2人はベンチに座り、知子が買ってきたプリンを味わっていた。
知子
「ええ!?じゃあずっとその富田さんって人の部屋にいたの?」
果歩
「う・・・うん・・・。」
知子
「・・・・・・じゃあ・・・果歩・・・その人としちゃったんだ?」
これは実際のところの知子の一番の関心事だった。
果歩
「ぇ・・・しちゃったって・・・?」
知子
「も~鈍いなぁ果歩はぁ!分かるでしょ!?した、してないって言ったら・・・エッチよぉ!その富田さんって人とセックスしたかどうかって事よぉ!」
果歩
「ちょ・・・ちょっと知子ちゃん声大きいよぉ・・・もう・・・声大きい・・・。」
知子
「あ・・・ごめんごめん・・・で?・・・どうなの?・・・したの?」
果歩
「・・・・・・・うん・・・。」
顔を真っ赤にして恥ずかしそうに小さな声でそう告白した果歩。
それを聞いた知子もまた、同時に顔を赤くした。
知子
「キャー、やっぱそっかぁ・・・そっかそっか・・・。」
赤面のままニヤニヤしながら妙に納得したように何度も頷く知子。
果歩
「・・・ちょっと知子ちゃん・・・なんで嬉しそうなの?」
知子
「え?ううん、そ、そんな事ないけど・・・で?どうだった?」
果歩
「・・どう・・・って・・・?」
知子
「ほら・・・なんか・・・ほら・・・どんな感じだった?・・・気持ちよかったの?」
果歩
「・・・それは・・・えっと・・・ぁ・・・そ、そんな事まで言える訳ないじゃん!」
知子
「え~そんなぁ・・・詰まんな~い・・・。」
果歩
「・・・詰まんないって・・・どういう事知子ちゃん?」
知子
「あ・・・いや・・・」
その日は結局、知子が果歩の浮気について責めてきたり、幻滅されるといった事はなかった。
知子に嘘を付き続けるのは正直辛かった果歩。
知子の方からズバリ聞いてくれたのは、結果的に良かったのかもしれないと果歩は思った。
知子が友哉の事に触れてこなかったのは、果歩に対する知子なりの気遣いだったのかもしれない。
友哉の名前を出せば、果歩が罪悪感なりを感じて自己嫌悪に陥ってしまうかもしれないから。
果歩はマイナス思考になりやすく、考え込みやすい悪い癖があるのは、知子が一番よく知っている。
果歩
「知子ちゃん・・・私・・・最低だよね・・・?」
休憩時間の終わり際に、果歩がそう呟くと
知子
「・・・いいんじゃない?たまには。」
と、知子は素っ気無く答えた。
今日は木曜日、果歩はトミタスポーツのアルバイトの日だ。
コメント
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富田の部屋にいる時間を考えれば半同棲に近いかもしれませんね…でも次はもっと違う展開になっていきますよ。
甘いSEXだけではなくなってきます。
果歩が可哀相に思ってしまうかもしれません。
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また、半同棲みたいになるのかな~?バイト先から富田さん家へバイトもせずに直帰したりして…。
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ありがとうございます。
中出しは…どんな場面でするか、もう僕の中で決まってます。
ん~でもまだまだかなぁ…。
中出しは興奮の延長線上というより、もっと特別な行為だと思ってます。
まだまだ完結は遠いですが更新頑張ります。
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フェイント入れてごめんなさい(笑)
taihoさんのおっしゃる通り、今回のように普通の女子大生である果歩の姿を見せる事でエロシーンとのギャップを読者の方に感じてもらうのが僕の狙いです。
いつも優しいお言葉ありがとうございます。
気楽に…いい具合に頑張ります☆
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更新を楽しみにしています。濃厚で、Hなものを期待しています。やっぱりまだ、中出しはないのでしょうか……?
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おっと、今日は肩透かし(笑)
こう言うのが、後で読み返すとジワジワくるんですね!
これからに大きく期待します!
って、プレッシャーをかけ過ぎかなww
まぁ、気楽にエロエロなのを書いてください
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ご期待に添えるよう頑張ります。
ここに読みに来て下さってる方達は、やっぱり基本的に濃厚なのが好きなんですねきっと。
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果歩さんには堕ちるところまで堕ちて貰いたいです、ハードなのも大歓迎です。ねちっこく濃厚にして欲しいです。