香苗
「……はぁ……」
もう何度目のため息だろうか。
どこか落ち着かない様子で香苗は午後の時間を過ごしていた。
くだらないテレビのワイドショーやドラマには興味はないし、外に出掛ける用事もない。
久しぶりに裁縫などをやろうかと思ったが、なんとなく気分が乗らない。
普段ならこういった時間も有効に使える香苗なのだが、今日はなんだか何もする気になれなかったのだ。
それはあの事がずっと頭から離れずに気が散ってしまっていたからかもしれない。
隣の部屋で今現在行われているであろう男女のSEXの事が。
香苗
「……。」
隣の声を聞かないようにとかけた音楽も、聴きたくもないのに掛けているから段々と苦痛になってきて消してしまった。
しかし音楽を消すと、微かに聞えてくる女性の喘ぎ声が耳に届いてしまう。
そして意識しなければいい程度の声音なのに、気付いた時にはまた耳をすましてしまっている。
「ン……ァ……ァ……」
香苗
「もう…イヤ……」
嫌なのはいつまでも聞こえる女性の喘ぎ声と、それをついつい聞き入ってしまう自分自身。
パソコンで料理やインテリア、洋服などに関するサイトを流すように見て気を紛らわすも、やはり香苗の意識は常に隣の部屋にあった。
香苗
「……。」
1人静かな部屋で故意ではないにしろ、結局盗み聞きを続けてしまった。
やっと隣からの声が聞こえなくなった頃には数時間も経っていた。
なんだか何もしていなかったはずなのに疲れを感じる。
香苗
「……はぁ……やだ、もうこんな時間……」
香苗はその時間の経ち方に驚いた。
集中してしまっていたからあっという間に時間が経ったという事もあるが、香苗が驚いたのはその事ではなく、中嶋達の行為の長さだった。
少なくとも、香苗はそんなに長い時間夫の祐二と行為を続けた事はない。
長くてもせいぜい30分くらいだ。
……いったいどんな事をしてるのかしら……こんなにも長い間……
そんな好奇心にも似た疑問を感じながらも、声が聞こえなくなって冷静になると『そんな事考えてちゃダメ!』と再び自分に言い聞かせる香苗。
今日もまた同じ過ちを犯してしまったという罪悪感を感じつつ、香苗は夫・祐二のための晩御飯を作り始めるのであった。
しかし、そんな好奇心と嫌悪感、そして罪悪感に香苗が苦しめられるのはその日だけではなかった。
「ァ……ン…アアア……英治ぃ…ダメ…スゴイ……」
香苗
「……うそ……今日もなの…?」
翌日、また同じ時間帯に聞え始めた女性の喘ぎ声。
しかもまた違う女性のようだ。
香苗
「なんなのよぉ……もぅ……」
しかしそんな事を言いながらも、香苗は結局この日も昨日と同じように隣の盗み聞きを続けてしまう。
次の日も、そしてその次の日も……
隣から聞えてくる声への嫌悪感とそれを聞いてしまう自分自身への憤りを感じる毎日。
ノイローゼになりそうだった。
聞くたびに身体が熱くなって、胸がドキドキと高鳴る。自分は盗み聞きをしながら性的興奮を覚えている、それを香苗は認めざるを得なかった。
つまり当然香苗もムラムラとしたものを感じていたという訳である。
しかし、香苗はそれを自ら慰める事で解消するというのは、どうしてもしたくはなかった。
自分を慰める……つまり中嶋とどこかの知らない女性がしているSEX音、それを聞きながらオナニーをする事に、香苗は抵抗を感じていたのだ。
それは、もしこの前のように中嶋の事を考えて自慰行為をしてしまえば、夫・祐二を再び裏切る事になると思ったからだ。
一般的にこの程度の事では浮気にはならないかもしれない。でも、心の中だけでもそんな浮ついた事はしたくはない。祐二を裏切りたくない。
その1人の女性としての信念から、香苗はそれを我慢し続けた。
しかし、フラストレーションというのは溜まってしまうものだ。
いくら真面目な香苗でもそれを永遠に我慢し続ける事はできない。
そう、できないのだ。
香苗
「……はァ……もうイヤ……こんな毎日……」
溜まれば溜まる程、それを一気に解放する時の衝撃は大きくなる。
そして我慢した分だけ、その引き金は重くなる。
しかし香苗はまだ気付いていない。このままいけばその引き金が、自分だけでは引けなくなる程重くなってしまう事を。
そうなってしまえば、香苗の中に溜まったものは、もう誰かの手を借りなければどうしようもなくなってしまうのだ。
コメント
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お久しぶりです。
長編の予感がプンプン漂ってますね。
同じような内容に、そろそろ…焦れてきてますよー(笑)
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京香さんお久しぶりです!お元気でしたか?
そうなんですよねぇ、ちょっと細かく書き過ぎてる感がありますね。
今回はシンプルな中編小説のつもりで書いているので、果歩程長くならないと思います(笑)
ただ、果歩と同じ感じで書くとついつい長くなってしまいそうなので注意したいと思います。
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