寝取られ小説 人妻 優子(12)

私が目を覚ました頃には、もう夜は明けて外はすっかり明るくなっていました。

寝起きは体調も精神状態も最悪でした。

夜中に公園で2回も自慰行為をしたからなのか、身体がいつもの倍くらい重いです。

ドリンクバーの飲み物を1杯飲んだ後、私は昨日斎藤君から送られてきたメールを携帯で見て、昨日の事はやはり夢ではなく現実だったのだと再確認し、落ち込みました。

しかしそれでもまだ私は半信半疑でした。

あの優子が浮気をするなんて……斎藤君に身体を許すなんて……

現実を受け止められないのもそうですが、まだメールでしか状況を知らない私にはやはり信じられなかったのです。

もちろん、斎藤君がわざわざそんな嘘をつくとも思えませんが……。

今日私が家に帰るのは斎藤君から連絡が入ってからという約束になっています。

それまでまたしばらくネットカフェで待機です。

しかし午後になっても一向に斎藤君からの連絡は入りません。

私は優子の事が気になって仕方なかったし、その間も優子と斎藤君は2人きりの時間を過ごしているのかと思うと、待っている間は苦痛でした。

ただ一方で私は優子に会うのが少し怖かった。

私は優子の前でどんな顔をすればいいのか、優子は私にどんな表情を見せるのか。

浮気をした後に夫に会うのは、どんな気分なのだろうか。

結局、斎藤君から連絡(メール)が来たのは午後2時頃でした。

〖お待たせしました。今家を出ましたよ。ただ帰るのはあと2時間くらい待っていてください。たぶん優子さんまだ準備ができていないので。〗

私はメールの内容がいまいち理解できなかったので、すぐに斎藤君に返信しました。

〖準備?〗

〖実はついさっきまで優子さんとセックスしてました。優子さんまだ腰がガクガクなんで(笑)もうちょっと休ませてあげてください。今井さんがすぐ帰ってくると優子さん焦っちゃうと思うんで。〗

〝腰がガクガク〟という表現が生々しい。

〖昨日の夜からずっとしてたってこと?〗

〖いえいえ、さすがに寝ましたよ。結局あれから3回戦目やって、疲れてそのまま一緒に寝ちゃいました。で、昼前に起きて一緒にシャワー浴びてそこでまた1回、昼飯食べて帰る前にもう1回だけしました。
最後は〝フミ君が帰ってきちゃうから〟って言われましたけどね、挿れたら結局盛り上がっちゃいました(苦笑)だから昨日から数えたら全部で5発ですね。一日でこんなに沢山してくれた女性は久しぶりですよ。
優子さんもかなり好きみたいですね、セックス。〗

私は携帯をその場で投げ捨てそうになりました。

メールの内容は私の心にグサグサと突き刺さりました。

正直、もう立ち直れる自信がありません。

それにしても一日の間にそんなに沢山するなんて……私には想像もつかない世界です。

優子も……やはりそれだけ性欲を持て余していたという事なのでしょうか。

私は斎藤君の指示通りそれから2時間後に優子にメールを送り、家へと向かいました。

〖今から帰るから〗

優子からは〖は~い〗とだけ返信がありました。

そして家に着くと、私は玄関の前でしばらく立ち尽くしていました。

まず心を落ち着かせないといけません。

優子の前では平常心でいなければ。

そして私は何度か深呼吸を繰り返した後、家に入りました。


「た、ただいま。」

するとキッチンの方からエプロン姿の優子が出てきました。


「おかえり、お疲れ様。」


「あぁ……」

私は優子の顔を見て思わず泣きそうになりましたが、それをグッと堪えました。

優子の表情は元気という訳ではありませんでしたが、意外にもいつもと変わっているようには見えませんでした。(優子も平静を装っているだけなのかもしれませんが)

優子は微笑みながら私の荷物を受けとり、
「ご飯どうする?今から食べる?」

と聞いてきました。


「あ、あぁ、貰おうかな。」


「ピザもあるけど、もっと軽い物にする?」


「ピザ……食べたいな。」


「じゃあピザとサラダとスープ出すね。」

家の中は綺麗に片づけられていて、いつもと何ら変わりません。

帰ってくると安心できる、この空気感もいつもと同じ。

斎藤君が泊まりに来た時にいつも布団を敷いている座敷部屋も覗きましたが、そこも綺麗に片付いていました。

でも、おそらくここで優子と斎藤君が……


「フミ君、できたよ。」


「え、あぁ、今行くよ。」

優子が焼いてくれたピザはいつも通りの美味しさでした。

思えば私は昨日の夜から何も食べていません。何かを食べているような余裕は一切ありませんでしたから。

本当は今だって精神的にはいっぱいいっぱいです。

でも、食事を終え、私の食器を台所で洗っている優子の後ろ姿を見ていると、やはり信じられなかった。

たった数時間前まで優子と斎藤君がここでセックスをしていたなんて。

夜、私は優子が風呂に入っている間にもう一度座敷部屋を確認しに行きました。

本当にセックスをしたなら証拠が残っているはず。

昨日と今日の様子を撮影動画は明日斎藤君に渡してもらう予定ですが、それまで待てません。

まだ私は心のどこかで小さな希望を抱いていたのです。


「すみません今井さん。昨日のアレ、実は全部嘘なんです。寝取られ好きの今井さんを興奮させようと思って……本当は優子さん口説いたんですけど、あっさりフラれちゃったんですよ。俺悔しくてつい嘘をついちゃったんです。」

なんて事を明日斎藤君に言われるのを期待していたり……。

でもそんな希望は打ち砕かれるなら早い方がいい。

だから私は必死にアレを探しました。

セックスの必需品であるコンドームを。

斎藤君には避妊だけはしっかりしてくれと言ってあったので、セックスをしたなら必ず使用したはずです。

しかし座敷部屋に置いてあったごみ箱は空でした。

リビングも同様、寝室を含む2階の各部屋のゴミ箱には関係ないゴミが少量入っているだけでした。

ない。

これだけゴミ箱の中を探してもないって事は、本当はセックスなんてしていないのかもしれない。

そんな希望を抱きながらリビングに戻ってきた私は、少し落ち着こうと冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してキッチンで飲んでいました。

するとふと、キッチンの奥に目が行きました。

そして私はそこで、隠すように置いてあったゴミ袋を見つけてしまいました。

キッチンの奥には生ごみ用のゴミ箱があるのですが、そのゴミ袋はその箱の後ろに置いてありました。

可燃ごみ用の大きな袋だったのですが、まだそれ程中が溜まっていないのにも関わらず口が固く縛られていました。

中に入っているゴミは殆どがティッシュのように見えます。

花粉症の季節でもないのに、こんなに沢山のティッシュを使うことなんて、まずない。

あるとしたら……

私は嫌な予感をしながら、縛られていたゴミ袋の口を解きました。

そして袋を開けて中を覗いた瞬間、私の表情は歪みました。


「うっ……」

袋の中から、明らかに男の精液の臭いが漂ってきたのです。

いや、精液の臭いだけじゃない、これは性臭です。女の匂いも混ざってる。

そしてガサゴソと中に手を入れて見ると案の定、いくつかの使用済みのコンドームができました。


「ああ……」

私はガクンと膝を落としました。

確定です。

優子はこの家で、斎藤君とセックスをしたのです。

これはもう、逃れようのない事実です。

その後、私は洗濯機の中からも、いくつもの染みが付いた客用布団のシーツを見つけました。

所々精液と見られる染みが乾いてカリカリになっているのと、まるで子供がお漏らしをしたかのような大きな染みもありました(色は無く、こちらはまだ湿っていました)。

優子は明日洗濯機を回すつもりで入れておいたのでしょう。普段家事を全くしない私が、洗濯機の中を確認するなんて事はないと思ったのかもしれません。

そして私が失意のどん底に落ちていた頃に丁度斎藤君からメールが届きました。

〖今、動画編集完了しました。明日楽しみにしててください。〗

明日……明日になったら、優子と斎藤君のセックスが見れる。

やはり私は頭がおかしいのでしょう。この時私は、早くその動画が見たいと思っていたのです。

これ以上ないほど絶望し、落ち込んでいるのに、どす黒いような昂奮が沸き上がってくるのです。


「まだ起きてたの?」

風呂から出た優子に後ろから声を掛けられ、私は慌てて携帯を閉じました。

振り返ると、優子は少し不安そうな表情をして私を見ていました。


「あ、いや、もう寝るよ。」


「……。」

優子はきっと、私に斎藤君との事を勘付かれていないか気になっているのだと思います。

その後、2人で寝室のベッドに入り、いつも通り互いに
「おやすみ」

と言って電気を消しました。

当然ですが、その夜はなかなか眠りに着くことができませんでした。

優子は私に背中を向けるようにしてましたが、なかなか寝息が聞こえてこなかったので、たぶん優子もあまり寝れなかったんじゃないかと思います。

数時間前まで斎藤君とセックスをしていた優子は今、何を考えているのだろうか……。

私はそんな事を思いながら背中を向けたまま寝ている優子を夜中までずっと見つめていました。

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