後日、斎藤君は会社で私に謝ってきました。
「すみません今井さん、勝手に優子さんを誘っちゃいました。」
「いや、別にそれは良いんだけど……それで、優子は来るって?」
「今返事待ちです。ちょっと考えさせてって言われてます。」
連絡先を交換した斎藤君と優子は、その後何度かやり取りをしているとのことでした。
で、斎藤君が優子をホテルに誘ったあの話、優子は返事を保留しているとのこと。
優子がまだ返事を迷っていると聞いて、私は少しだけ希望を持ちました。
もしかしたら今度こそ優子が斎藤君を拒絶してくれるんじゃないかという淡い期待が、まだ私の中には残っていたのです。
僅かな希望でもあればすがり付きたい、優子の心まで全て斎藤君に奪われてしまうことはないはずだと、信じたかった。
「斎藤君は、今回も優子がOKすると思うかい?」
「逆に今井さんはどうなると思ってるんですか?」
「俺は……優子が断ってくる可能性もあるんじゃないかと思ってるよ。優子はその……本来そういう女性じゃないと俺は思ってるから。ほら、前回までは酒も入っていたしね。」
「まぁ確かに、優子さんは真面目ですからね〜」
「そうだろ?」
「う〜ん……でもまぁ、ぶっちゃけ、優子さんホテルに来ると思いますよ。」
「え?どうして?」
「どうしてって、今井さんには悪いですけど、もう完全にハマってるんで、優子さんも。」
「ハマってる……?」
「ほら、前回も結局簡単に俺に股開いちゃったじゃないですか、あれだけエロかったらもう我慢できないですって。」
「……」
「真面目な女性ほど、一度ハマったら抜け出せなくなるんですよ、快楽って。」
「そ、そうなのかい……」
「こんな事しちゃいけない、いけない事をしてるって自覚が強い人ほど、より気持ち良くなっちゃうし、ハマるんですよ。」
「そんなに……」
「まぁ優子さんも、真面目に見えてもエロい事は大好きだし、セックスしまくりたいんですよ。」
「……」
斎藤君が言っていることは、たぶん当たっている。
でも、目の前で二人のセックスを見た後でも、未だにその現実を受け止められていない自分がいたのです。
「じゃあ、優子さんから返事来たら伝えますね。」
「あぁ、ありがとう。」
妻をセフレにしようとしている男に感謝する私は、やはり滑稽でしかないです。
そして相変わらず優子は家で私といる時は普段と何も変わらず、いつも通りの優しい妻であり続けていました。
斎藤君とのセックスに夢中になっている時の優子とは、別人なのではないかと何度も思うくらいです。
そして優子の手料理を食べながら会話をしていると、やっぱり優子は今度こそ斎藤君の誘いを断ってくれるんじゃないかと希望を抱いてしまうのです。
何度妻を試しても、その結果が信じられない、信じたくない自分がいました。
まだ俺は、優子を信じたい。
しかし数日後、斎藤君から残酷な連絡が来ました。
『優子さんからOKの返事もらったので、来週の水曜日、優子さんお借りしますね。』
斎藤君が送ってきた〝ほら言ったでしょ?〟と言わんばかりのメッセージを読んで、私は再び絶望のどん底に突き落とされました。
夫が会社に行っている平日の昼間に、優子は他の男とセックスをするためにホテルに行くのです。
これはもう完全に浮気です。
しかしもちろん、私はそんな優子に対して憎しみを抱く事はありません。
何度も言いますが、これは私が撒いたタネですから。
全て私が悪いのは言うまでもなく、憎む相手がいるとしたら優子でも斎藤君でもなく、私自身しかいないのです。
優子が斎藤君の誘いを受け入れた事に対しては、ただ悔しく、悲しいという感情のみです。
そして斎藤君と優子がホテルに行く予定日の前日に、斎藤君はまた会社で私に話しかけてきました。
「斎藤さん、ちょっといいですか?優子さんのことなんですけど。」
「……いいよ、どうしたんだい?」
私と斎藤君は社内の人気のない場所へ移動して話をしました。
「明日ホテル行くじゃないですか、それでもう優子さんとは3回目だし、どこまでやっていいのかな〜?って。」
「どこまで?っていうと?」
「セックスのことですよ。俺、正直今までは今井さんの奥さんって事であえて優子さんにはソフトなプレイをしていたというか、手加減していたんですよね。」
「そ、そうなのかい……結構激しいと思ったけど。」
「まぁ一般的なセックスと比べたら充分激しかったでしょうけど、俺はまだまだあんなものじゃないので。
その辺のどうでもいい女だったら初っ端から頭ぶっ飛ぶくらいイかせまくるんですけどね。でも優子さんもそろそろ手加減無しでヤりたいなぁって思って。」
「……なるほど……」
「俺が思うに、優子さんってかなりMっ気あるんですよね、そのくらい追い込んでも寧ろ喜んでくれると思うんですよね。」
「優子がそんな……」
「優子さんは変態マゾになる素質がありますよ。どうですか?今井さんが許可くれるなら優子さんにも容赦なくヤっちゃいますけど。」
——優子が変態マゾに……——
斎藤君からの提案を聞いて、私はしばし考えました。
もはや優子は斎藤君と身体の関係を続けることを完全に受け入れてしまっている、これは紛れも無い事実です。
もう優子を試す段階は終わりました。
だから今後は、これにいつブレーキを掛けるか、です。
斎藤君は私が
「もう止めよう」
と言えば、止めてくれます。
ホテルに行くことを止めたければ、今からでも間に合う。
私達夫婦の未来を考えれば、今ここで止めるのが正解に決まっています。
しかし……私の邪悪な心は、斎藤君に抱かれる優子をもっと見たいと言っていたのです。
前回、喘ぎ声を必死に我慢しながら斎藤君とセックスをする優子の姿は、とんでもなくエロかった。
だから、次はどんな優子のエロい姿が見れるのだろうかと、また期待してしまっている自分がいたのです。
もう後戻りできなくなってしまうかもしれないという恐怖と罪悪感、そして優子を失うリスクに心が押しつぶされそうになりますが、それでも私は自分の性的欲求を満たしたかった。
何度も言いますが、私はなんと馬鹿な男でしょうか。
それを自覚していても、なお続けたいと思ってしまう自分は、本当にクズです。
そしてダークな心で私は斎藤君に返事をしました。
「優子が許すなら……優子が嫌がらなければ、いいよ。」
「分かりました!じゃあ優子さんのアヘ顔撮影してくるので、楽しみにしていてください!」
優子のアヘ顔……寝取られ好きの私にとって、恐ろしいほど魅力的なフレーズでした。
想像しただけで私の短小ペニスは勃起してしまいました。
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