痴女子大生 志乃(21)

 

志乃と沙耶が驚くのも無理はなかった。

そのスタジオでは女性モデル一人とカメラマンが二人きりで撮影していたのだが、なんとその女性モデルは下着姿だったのだ。

初心な志乃にとって、下着姿の女性が写真を撮られている光景はかなり刺激的だった。

「え〜ここって下着モデルの撮影もやってんですか？」

沙耶が真田にそう聞くと、真田は穏やかな表情のまま丁寧に説明し始めた。

「そうなんですよ、このスタジオは主に水着や下着の撮影をしているんです。」

「そうなんですね〜、あ！て事は志乃も下着にされちゃったりして！」

「えっ！？む、無理だよぉ下着なんて。」

「あはは、志乃さんにはそこまで求めないから安心してください。」

真田にそう言われ、志乃はほっと胸を撫で下ろした。

「良かったね、志乃。でも私的には志乃の下着姿の写真も見てみたいな〜」

「もぉ沙耶ちゃん何言ってるの、無理に決まってるでしょ。」

「志乃はスタイル良いんだから別に世に下着姿を公開しても別に恥ずかしくないでしょ？」

「恥ずかしいよっ。」

「あはは、まぁ志乃さんに下着モデルや水着モデルになる意欲があるなら私は大歓迎ですけどね。」

「ほら、志乃脱いじゃえば？真田さん、そうすれば報酬も大幅アップですよね？」

「もちろん、何倍にもなりますよ。」

「もぉ、私は無理ですよぉ。」

そんな風に沙耶に揶揄われて、志乃は恥ずかしそうに顔を赤くしていた。

しかし同時に志乃は下着姿になっている女性モデルを見て、あの官能小説の事を思い出していた。

愛美もカメラの前で下着姿になっていたけれど、あのモデルの女性は、下着姿を撮られて恥ずかしくないのだろうか。

愛美がカメラのフラッシュを浴びるたびに興奮しているシーンを思い出し、志乃の身体がカァっと熱くなった。

しかし沙耶や真田がいる横でそんな想像をしてしまっている事にハッとした志乃は、我に帰って顔を横に振っていた。

——何考えてるの私、こんなところで……——

「ねぇ見て志乃、あのモデルの人、よく見るとTバックだよ、凄いね。」

「えっ？あ……ホントだ……。」

沙耶の言う通り、撮影していた女性モデルはTバックを履いていた。

しかも下着も透けている部分が多く、かなりセクシーなタイプの下着だ。

「志乃もああいう下着似合うんじゃない？ほら、志乃みたいな清純な感じの子がエッチな下着だったらギャップがあって男の子興奮するよ？」

相変わらず冗談口調で言ってくる沙耶。

「やだ、沙耶ちゃん変な事言わないで」

そんな会話をしながらも、志乃と沙耶は興味津々で下着モデルの撮影を見つめていた。

なんだかやっぱり、ここは他のスタジオとは雰囲気が違う。

モデルもカメラマンも真剣に撮影をしているのだが、なぜか中央に大きなベッドが設置されており、女性モデルがそのベッドの上でポーズをとって撮影しているから妙にイヤらしい雰囲気が漂っていた。

今にも女性が下着さえも脱ぎ出しそうで、見ているだけでドキドキしてしまう。

志乃も沙耶も段々と口数が減っていき、いつの間にか女性モデルに目が釘付けになってしまっていた。

そんな二人の横で、真田が話し始める。

「実はここのスタジオはちょっと特別でね、アパレル関係だけじゃなく他にもグラビアや芸術的な観点からの撮影も沢山行っているんですよ。」

「芸術的……？」

「そうです、うちには優秀なカメラマンや魅力のあるモデルが集まっているので、そういった人達の可能性を伸ばすために、このスタジオではルールに縛られない自由な撮影を行っているんです。」

「へ〜そうなんですね！じゃあもしかしてヌードとかも撮ってたりして！」

沙耶は冗談っぽくそう言った。

しかし真田はそれに対し、平然とこう答えた。

「えぇ、もちろんヌード撮影もありますよ。グラビアモデルも俳優も、ここで
何人もヌードになっていますから。」

「え〜ヤバ！本当にここでヌード撮ってるんだ。」

「一般の方からヌード撮影を依頼される事もあるんですよ、若い内に自分の美しい身体を写真に撮っておきたいという方は多いですからね。」

「そうなんですね〜、確かにそれはちょっと分かるかも。志乃もヌード撮って貰えば？」

「もぉ沙耶ちゃんっ！」

「あはは、お二人とも若いですし、興味が出てきたらぜひ私に言ってくださいね。」

真田も冗談っぽくそう言ってきて、志乃は恥ずかしそうに顔を赤くしながらも沙耶と一緒に笑っていた。

ヌード撮影の話は正直驚いたが、だからと言って真田に不信感を抱く事はなかった。

真田はいたって誠実に仕事としての話をしているのだと志乃も沙耶も理解していたからだ。

そして見学は終わり、三人は食事をするため真田が予約したお店へ向かった。

そこには真田に呼ばれた男性モデル二人と女性モデルも一人来ていた。