青春の人 佳代ちゃん(2)

俺と佳代ちゃんが入ったバスケサークルは大学公認のバスケ部とは違って気軽にバスケを楽しめるサークルだ。

一応毎週練習はあるけど、飲み会や旅行も結構ある。

合宿なんかがあると、夜は結構バカ騒ぎになる感じの。

適度にスポーツで汗を流して、適度に遊んで、適度に学生時代にしかできないバカ騒ぎもする、まぁよくあるサークルだった。

そして、そういう緩い感じのサークルだから当然男女の出会いを求めてる人間も多い。

選手と女子マネージャーで、付き合いだしたり別れたりする男女は沢山いた。

まぁ若い男女が集まってるんだからそれは普通の事だよね。

で、ほら、佳代ちゃんってそういう恋愛話とか好きだから、サークル活動は割と楽しんでいるみたいだった。

毎週の練習や合宿、イベントなんかにも佳代ちゃんは殆ど参加してたし。

佳代ちゃん自身は高校時代からの彼氏がいるから、いろんな人の恋愛相談とか受けてたみたい。それが楽しかったんだろうね。

佳代ちゃんのSNS見たら、サークルメンバーの集合写真が載せてあって、
「このメンバー本当に大好き!」

みたいな事が書いてあったっけ。

ただね、皆が恋愛をするのは普通の事なんだけど、うちのサークル内で起きる男女関係が全て健全という訳ではなかった。

うちのバスケサークル、実は結構チャラい男の先輩が多かった。

まぁ女子マネージャーだけ他大学から集めてくるようなサークルだからね、そういう方針を決めているのもチャラい先輩達だったし。

連れてこられる女子マネは佳代ちゃん以外も可愛い感じの子が多かったし。

で、中でも特にチャラかったのが、吉岡先輩と太田先輩。

2人とも顔はかなりのイケメンで、背も高い。さらにバスケの強豪校出身だからバスケも滅茶苦茶上手い。

だから吉岡先輩も太田先輩も当然モテてた訳なんだけど、この2人、女癖は超悪い。

まぁいわゆるヤリチンって奴。

この人達は下半身で物事を考えてるんじゃないかってエピソードを俺も人づてに聞いてはいた。

ただ、吉岡先輩や太田先輩は後輩の面倒見が良い人達でもあった。

俺もサークル入った当初から結構可愛がられてたっていうか、俺はこの先輩達に大学の事を色々教えてもらったし、就職活動なんかの情報も沢山教えてもらった、だから2人の事はあまり悪くは言えないんだけど……。

なんだろうな、良く言うとエネルギッシュというか。
ほら、割と女遊びしまくってる奴の方が仕事できたりするじゃないですか。
そういう感じの、容姿端麗でハイスペックで、とにかく色んな意味で元気な先輩達だった。

で、話には聞いていたけど、実際に
「あ、この人達ヤバイな」

って思ったのが、とある合宿での出来事だった。

ちなにみその合宿は佳代ちゃんも参加していた。

その時の合宿はいつも通りに昼間バスケして遊んで、夜飯バーベキューでそのまま飲み会みたいな感じだったんだけど、夜中、皆酔っ払って男も女も寝始めた頃にそれは起きた。

部屋に戻って寝る人もいたけど大半は大部屋で雑魚寝してて、俺も大部屋で寝てたんだけど、夜中に真っ暗な部屋の中で俺はある先輩に突然起こされた。


「おい、ナオヒロ、起きろって。」


「ん……なんですか?」


「今から良いもん見せてやるから、ちょっと来いよ。」


「え、良いものってなんですか?」


「いいから来いって、すげぇから。」

なんだろうと思いながらその先輩について部屋を出ると、俺は階段を上って一つ上の階へ連れていかれた。

すると、ある部屋のドアの前に数人の男達が部屋の中を覗き込むように立っているのが見えた。


「なんですか?あれ。」


「なんだろうな?ハハッ、まぁお前も見てみろって。」

ニヤニヤしながら言う先輩の顔を見て、少しだけ察した。

部屋を覗いてたのは皆2、3年の先輩達。

皆鼻の下を伸ばして部屋の中を覗いていて、その人達に手招きされて、俺も開いているドアの隙間から部屋の中を覗いた。


「……っ!」

部屋の中の光景を見た瞬間、声は出なかったけど、かなり驚いた。

部屋の中には男2人、女1人。

男2人は下半身裸で、女は服を一切身に着けていない全裸姿だった。

男2人は例の吉岡先輩と太田先輩で、女の方は最初顔がよく見えなくて誰か分からなかったけど覗いていた先輩が2年の美和子先輩だと教えてくれた。

そう、3人はセックスをしていた。

正確には俺が覗いた時には美和子先輩はベッドの上に四つん這いになっていて、後ろから吉岡先輩にバックで突かれていて、前には太田先輩がいて、美和子先輩は口で太田先輩のペニスを咥えてフェラチオをしていた。

それは当時童貞だった俺にはあまりにも刺激の強い光景だった。

吉岡先輩が腰を振る度に美和子先輩のお尻がパンパンッと音を立てながら波打って、同時に部屋に響く

「んっんッンッンッ!」


っていう太田先輩のペニスを咥えたまま喘ぐ美和子先輩の声。

衝撃が大きすぎて頭がクラクラした。

あれ、本当に美和子先輩なのか?

信じられなかった。


「やべぇ、美和子エロいわ。」

覗いてた先輩の内の一人がそう呟くと、それに気づいた中にいた吉岡先輩が声をかけてきた。


「おいおい、なに覗いてんだよ、順番待てって。」

覗き込んでいた俺達を見て笑う吉岡先輩。


「早く交代してくれよ、我慢できねぇわ。もう皆でやろうぜ。」


「部屋狭くてそんなに入れねぇよ、2人以上だと色々とめんどくせぇし。お、ていうかナオヒロ来てんじゃん。」


「俺が連れてきた、いいだろ?」


「まぁナオヒロならいいか、な?美和子いいだろ?」

吉岡先輩が腰を止めて聞くと、美和子先輩はフェラチオを一旦止めて


「んはァ……わ、わかんないよぉ……そんなに沢山……ん……」

俺はパニックになっていてどういう顔したらいいのか分からなかった。

吉岡先輩は聞いた事に曖昧な答え方をする美和子先輩に、まるでお仕置きでもするかのように再び腰を動かし激しく突き始めた。


「あっあっ!それダメェッ!ああああッ!」


「おら、相変わらずここ弱いのな美和子。ていうか声でけぇ、太田のチンコ咥えとけチンコ。」


「あっあっんん!んん……はァ……んっんっンっ!」

吉岡先輩に言われたとおりに、バックで突かれながら太田先輩のペニスを咥える美和子先輩。

吉岡先輩の美和子先輩に対する容赦のないサディスティックな口調と行為。

太田先輩も太田先輩で、自身のペニスを咥えている美和子先輩の髪の毛を掴むと、自分から腰を振ってイラマチオを始めた。


「ン゛ッン゛ッ!オエッ、ンッンッ!」

ペニスを喉奥まで入れられ顔を真っ赤にして苦しそうな美和子先輩。口の端から涎(よだれ)がダラダラ垂れてるのが見えた。

まるでAVでも見ているかのようだった。


「すげぇ……」


「吉岡と太田えげつねぇ、やべぇわ。」


「あー俺も早く美和子とやりてぇ。」


「俺は美和子にフェラしてもらおっと、あいつ好きだろ。」


「美和子のフェラ良いよな、唾液多いし。」

ドアから覗いていた先輩達が興奮を抑えられないように口々に言う。

先輩達の会話で、こういう事をするのは今日が初めてじゃないのだと知る。

美和子先輩は普通に美人で、性格も気さくで良い人だった、それに確か佳代ちゃんとも仲良かったはず。

今日だって、普通に皆と遊んでたのに。初めてじゃないって事は、美和子先輩はこうなる事を承知の上でこの合宿に来ていたって事か?


「あ゛ー出る、出るわ、美和子このまま口に出すからちゃんと飲めよ。」

そう言って美和子先輩の頭を押さえて口の中にそのまま射精する太田先輩。

美和子先輩は苦しそうにしていて、精液はあまり飲めずにゲホゲホ言いながら半分くら吐き出してた。


「あ~ぁ、美和子エロいくせに精液飲むのは苦手だよな~早く覚えろよ。」

そこからは吉岡先輩にマシンガンのようにバックから激しく突かれて美和子先輩は口から精液垂らしながら滅茶苦茶喘ぎまくってた。


「あッあッああああッ!!ダメェ!あッあっ!スゴイ、あっアンっ!」

先輩達の〝えげつない〟という言葉のとおり、吉岡先輩は本当に容赦がない。

でも美和子先輩は吉岡先輩のそんな責めにかなり快感を感じているように見えた。

全身にじっとりと汗を滲ませ、時折〝ダメ〟〝スゴイ〟とか言ってて、その声が本当に蕩けたような甘い声で、とても気持ちよさそうだった。

それに途中、美和子先輩は何度か背中を反らせながら明らかに絶頂していた。

たぶん2、3回は達していたと思う。

で、最後はもうヒーヒー言わされながらフィニッシュして、お尻に吉岡先輩の精液をかけられてた。

凄いものを見てしまったと思った。

なんというか、全てのインパクトが大き過ぎた。

人のセックスを生で見るのも初めてだったし、美和子先輩の乱れる姿もエロかったし、先輩達のセックスはAVみたいにハードだし、吉岡先輩と太田先輩のアレはやたらとデカいし、もう何がなんだか分からなかった。

酒が入っていたのもあるけど、現実が受け入れられなくて頭がグルグル回るような気分だった。


「っしゃあ!じゃあ次俺達だな!」


「でも美和子休ませた方がいいか?」


「大丈夫だって、前もぶっ通しでやったし、間空けると冷めるだろ。」

そう言って数人の先輩達が部屋に入っていって、さっそく全裸の美和子先輩の胸を揉んだりしていた。

ドアの前に突っ立っていた俺に服を着た吉岡先輩が声を掛けてきた。


「ナオヒロ、お前口開いてるぞ。」


「え?あ……なんかスゴイっすね。」


「美和子エロいだろ?」


「めっちゃビックリしました。」


「あとでお前もやってきていいぞ。」


「いや俺は……」


「ハハッ、遠慮すんなって。お前も早く童貞捨てたいって言ってただろ。」


「そうですけど。」

確かに、前に先輩の部屋で飲んでいたときに言ったことはある。

だから先輩達は俺をこの〝仲間〟に入れてくれたんだと思う。

セックスにも興味はある。というか凄く興味ある。


「とりあえずやっといた方がいいぞ、男は経験が全てよ、な!」

そう言って吉岡先輩は俺の肩を叩いた。

正直俺も酒入ってたし、興奮してた。

ちょっとしてみたい気持ちもあった。

でもその直後、そこへ思わぬ来客が来た。


「先輩達何してるんですか~?」

下の階から階段を上がってきた佳代ちゃんの声だった。

慌ててドアを閉める俺。


「あ、ナオ君もいるじゃん、何してるの?」

佳代ちゃんまだ起きてたんだ……

首を傾げながら聞いてくる佳代ちゃん、明らかに動揺して目が泳ぐ俺。


「え、あ、いやそれは……」

すると横にいた吉岡先輩がすぐに冷静な対応を見せた。


「はーい、佳代ちゃんは来ちゃダメだよ~いい子は下に戻って早く寝ましょうね~」

吉岡先輩はまるで子供にするみたいに言って佳代ちゃんを帰そうとした。


「え~なんですかぁ?気になる。」

佳代ちゃんも酒が入ってるからいつもよりちょっと陽気な感じの口調になっていて、簡単には納得してくれなかった。(佳代ちゃんは基本、酔うと陽気になる)


「ダメダメ、ここは女子禁制なんだから、男だけで楽しむの。」


「え~ずるい~」

その後吉岡先輩がなんとか佳代ちゃんを説得し下へ帰してくれて、俺はホッと胸をなでおろした。

で、結局俺はその夜の乱交に入ることはなかった。

先輩達は
「ナオヒロもいけいけ!」

って背中をどんどん押してきたんだけど、俺は
「いや俺今日は無理ッスよ、マジで心の準備が、今日はいいっス、見るだけで満足ですホント!」

って笑いながら言ってなんとか回避。

で、佳代ちゃんに現場を見られないようにしたので分かるように、この事は数人のメンバーだけの話にしているようで、俺も一応口止めはされたけど、そんな厳重な感じではなかった。

ただ他の女メンバーにバレたり、参加したい男が増えすぎると面倒くさいからって先輩達は言っていた。

それで美和子先輩なんだけど、もちろんレ○プじゃない。

最初は吉岡先輩が美和子先輩を口説いてセフレにして、その後太田先輩と3Pなんかやり始めて、その後徐々にメンバーを増やしていった結果こういう乱交みたいな事になったと。

だから美和子先輩も承知の上。

ただ本人は相手が大勢になるのを少し嫌がっていたみたいだけど、先輩達曰く、
「美和子は相当セックス好きでエロいから大丈夫」

らしい。

俺も見たけど、あの後も美和子さん、先輩達の上で自分から積極的に腰振ってたりしてたし……先輩達の言ってる通りなのかもしれない。

前からこういう乱交みたいな事はやっていたけど、合宿でやるのは久しぶりだったらしい。普段は誰かの部屋とかラブホとか使ってたんだと。
まぁそりゃそうだよな、合宿の度にこんなことしてたら絶対バレる。

で、事の発端を聞いて分かるように、このヤバい行為をしているメンバーの中心人物は吉岡先輩と太田先輩だ。

俺にはあんなに優しいけど、正直少し怖い人達だなとも思った。

ちょっと酷いなと思ったのは、先輩達が美和子先輩の事を〝3代目肉便器〟って裏で呼んでた事。

3代目と言うことは、初代と2代目がいたという事。

もう卒業したりサークルに来なくなった女の人でそういう人がいたらしい。

だから美和子先輩の事も、最初からその〝肉便器〟にするために吉岡先輩が近づいたらしい。

酷いよね。

でも先輩達がそういう快楽に嵌るのも分かった気がする。

乱交の何が楽しいって?

普通に女友達とセックスするのとは訳が違う。

複数の人の前で全裸になったり勃起したペニスを晒す解放感、人前でセックスをして腰を振る羞恥心、それを全部吹っ飛ばす程の快楽。

脳ミソから倫理観や理性を麻痺させる成分がドバドバ出ている感じが最高に気持ちイイんだって、参加してる誰かが言ってた。

興奮がピークに達してくると何でもありになってきて、1対1じゃとてもできないようなプレイまで女に要求するようになる。ある種のトランス状態っていうのかな。

集団だからこそブレーキが効かなくなる。

俺、高校時代の友達は皆真面目だったし、自分もまともな人間だと思っていたけど、先輩達の影響なのかな、合宿の後から徐々に俺も参加したいかもって気持ちになってきていた。

正直に言うと、どうせ俺は佳代ちゃんとも付き合えないし……って少しだけ自暴自棄になっていたのもある。

セックス、しちまおうかなぁって。童貞だから凄く興味あったし。

美和子先輩、普通に可愛いし。気持ちよさそうだし。

頭がバカになるくらいの事、俺もやってみたいかもしれないって。

でも迷ってたね。たぶんサークル内に佳代ちゃんがいるのも大きかったと思う。

だってバレて幻滅とかされたくなかったし。

合宿の後も何回か誘われたんだけど、まだ俺は行けなかった。

吉岡先輩は
「そんなビビらなくてもいいぞ」

とか、
「だったら個人的にお前でもヤレそうな女紹介してやろうか?」

って言ってきてくれたけど、それもまだ無理だった。

(とにかく吉岡先輩は俺に早く童貞を捨てろって言ってきていた。童貞こじらせてる男は就職活動や社会に出ても全然ダメだからとか何とか言ってたな。たぶん一理あるんだろうけど。ある意味後輩思いなのかな……)

先輩の言う〝ヤレそうな女〟とセックスしてる自分が想像できなかった。

俺、やっぱりまだ佳代ちゃんの事が好きだったんだと思う。結局それがブレーキになっていた気がする。

そして俺がそんな風に童貞らしくウジウジしてた頃に事件は起きた。

いや、それ自体は事件って程のものじゃないんだけど、少なくともサークル内の男達にとっては事件だった。俺にとっても。

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