青春の人 春花ちゃん(3)

きっとあれから急いで着替えたのだろう、練習着姿の春花ちゃんが慌ててこっちに向かってきた。


「駒木先輩!浜村先輩!きゃー大変!どうしよう!」


「大丈夫大丈夫、痛てて……」

駒木先輩はそう言っているが、明らかに腕が痛そう。


「大丈夫じゃなさそうじゃないですか、すぐに病院に行った方が良いです!私先生呼んできますね!」

春花ちゃんは心配そうにそう言ってすぐに校舎の方へ向かった。

先生を呼んでくる……って事は着替えを覗いていた事も報告されてアウトだろうな〜、俺も共犯って事になるのかな……?

その後、駒木先輩と浜村先輩は先生の車で病院に行った。

診断は幸い2人とも骨折はしておらず、打撲程度で済んでいた。

この出来事で改めて分かったのは、春花ちゃんは本当に優しい子だという事だった。

自分の着替えを覗いていた先輩達の怪我を心配してあげるなんて、普通できない。(覗きは犯罪だからダメなんだけどね)

しかも春花ちゃんは結局、着替えを覗かれた事を先生に報告することもしなかったし、他に口外することもしなかった。

千里さんにも他の友達にも一切言わなかったっぽい。

俺は内心罪悪感と、自分も学校から処分されるんじゃないかと気が気じゃなかったんだけど、春花ちゃんのお陰でそうはならなかった。

それどころか春花ちゃんは駒木先輩や浜村先輩に謝罪されても笑って許していた。


「もうあんな危ないことしちゃダメですよ〜」

って。

で、俺も春花ちゃんに個人的に謝ったんだけど……


「ごめん春花ちゃん、俺が先輩達を止めれば良かったのにできなくて……」


「そんな、周平君は謝る必要ないよ、気にしないで。」


「でも、あんな風に覗かれて嫌な気分になったでしょ?」


「ん〜嫌って言うか凄く恥ずかしかったけど……ふふっ、先輩達って本当にエッチなんだね?」


「あ〜うん、だね。」

春花ちゃんは
「やっぱりそうなんだ〜」

となぜかニコニコしながら言っていた。


「千里さんが言ってたんだよね、先輩達はみんなエッチだから気をつけてって。」


「え、そ、そうなんだ。」


「でも凄いよね、あんな木に登るなんて。」


「あ〜ね、本当にゴリラみたいに登ってたよ。」

そう言ったら春花ちゃんはまたクスクス笑ってた。

それで俺は春花ちゃんに
「先輩達の事嫌いになってないの?」

と聞くと


「え〜どうして?大好きだよ〜、まぁちょっとエッチなのは困っちゃうけど。」

と、天真爛漫な笑顔を俺に見せてきた。

——春花ちゃん天使や……俺、やっぱ春花ちゃんの事好きだわ!——

で、後日春花ちゃんの着替えを盗 撮した動画が先輩から送られてきた。(全く反省してない先輩対)

俺は罪悪感を感じながらもその動画で数えきれない程射精をした。(俺も結局性欲には勝てない)

春花ちゃんの下着姿は童貞の男子高校生が見るにはあまりにも刺激的だった。

しかも毎日のように顔を合わせている女の子の下着姿っていうのは、バイアスが掛かっている分とんでもなくエロく感じる。

白くて綺麗な肌、可愛いピンク色のパンツに包まれたふっくらとしたお尻、そしてブラジャーに包まれた柔らかそうな胸の膨らみ。

先輩達曰く、春花ちゃんのオッパイは推定D~Eカップほどあるのではないかと。

手足は細くて華奢だから、カップ数で言ったらもしかしたらFカップの可能性も……先輩達は盗 撮した動画を見ながらそんな話ばかりしていた。

やっぱり男って馬鹿だ。女の子のオッパイの話だけで何時間でも盛り上がってしまうのだから。

と、まぁ俺は高校時代そんな馬鹿な先輩達と馬鹿な事ばかりやっていた。

春花ちゃんや千里さんが部活に来なかった日なんかは相変わらずオナリンピックもやったりしてたしね。

そのお陰で先輩達も俺も、誰も高校時代には彼女ができなかった。

先輩達が卒業してからは、後輩達も結構入ってきて、我が野球部はさらに真面目に野球をやるようになった。

試合にも結構出場して、春花ちゃんは練習試合しか出れないけど、選手としてもマネージャーとしてもさらに野球に力が入っている感じがした。

春花ちゃんは見た目は野球女子って感じじゃないし(色白だしどっちかっていうと文化部っぽい見た目)、正直そんなに野球も上手じゃないんだけど、野球が好きって気持ちは人一倍強い子だったんだよね。

そんな春花ちゃんは後輩達にも慕われていたし、(後輩の中にも春花ちゃんに惚れてた奴は何人かいた)ますます野球部の中で天使感が強くなっていった。

そして俺と春花ちゃんの最後の引退試合が終わった時には、春花ちゃんは沢山の男子部員に囲まれながら泣いていた。(俺も泣いた)

その泣いている美しい姿はまさに天使だった。

そして俺は結局、高校時代春花ちゃんにずっと恋心を抱きながらも告白する勇気も出ないまま、卒業してしまった。

で、実はここからの話が本題なんだ。

それは俺と春花ちゃんが県内の別々の大学に進学してからの話。

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