青春の人 春花ちゃん(6)

大学生になってからも春花ちゃんからはたまにメッセージが来てやり取りはしていたんだけど、なかなか会う機会はなかった。

きっと俺が会おうと言えば春花ちゃんの事だから会ってくれたと思うけど、なんとなく気が引けて俺は誘う事ができなかった。

で、大学2年になった頃に、野球部時代マネージャーだった千里さんが
「久しぶりに野球部のメンバーで集まろうよ!」

と主催してくれた飲み会で、俺は高校卒業後1年ぶりに春花ちゃんと再会した。


「わぁ周平く〜ん!久しぶり〜!」

1年ぶりに見た春花ちゃんは、信じられないほど可愛くなっていた。

高校時代も可愛かったけど、さらにその可愛いさに磨きが掛かった感じ。

艶やかで綺麗な栗色の髪は、高校時代よりも長くなって少し大人びた感じがした。(めっちゃ似合ってる)

メイクも覚えたみたいで、薄くてナチュラルなメイクが春花ちゃんの可愛いさをさらに引き立てていた。

そして彼女の優しい性格を表しているかのような話し方や眼差しのふんわりとした雰囲気は高校時代のままだった。

俺はそんな春花ちゃんを見ながら、あ〜俺やっぱ春花ちゃんが好きだわ……と、改めて思った。

春花ちゃんはやっぱり可愛いすぎる。

で、実はその飲み会、駒木先輩と加奈さんが働いてる居酒屋でやったんだけど、加奈さんは春花ちゃんの姿を見るなり


「え〜!なにこの子〜!超可愛い〜!」

と、春花ちゃんにめっちゃ絡んでて、春花ちゃんとLINE交換までしてた。(千里さんとも仲良くなってLINE交換してた)

春花ちゃんも千里さんも
「加奈さんめっちゃ面白い!」

と、加奈さんの事を絶賛してた。

すぐに仲良くなった3人は
「今度女子だけで飲みに行こう!」

って約束までしていた。

俺は正直、俺や先輩達とセックスしまくってる超ヤリマンの加奈さんが春花ちゃんと仲良くなってるのを見て、心がざわざわしていた。

なんて言うか、俺の中で春花ちゃんと加奈さんは別世界の人だったから。

それに加奈さんが春花ちゃんに変な事を言わないか心配だった。

俺や先輩達とヤリまくってる事とか。

そんな事を春花ちゃんに知られたら絶対幻滅されてしまう。

で、俺は近くで春花ちゃん達の会話をさりげなく聞いたりしていたんだけど、そこで衝撃の事実が発覚する。


「春花ちゃんって彼氏いるの?」

加奈さんが春花ちゃんにそう聞いて、俺はドキドキしながら耳を傾けていた。


「いないですよ〜」

春花ちゃんのその返事を聞いてホッとする俺。でも……


「あれ?春花ちゃん彼氏いたじゃん、別れちゃったの?」

千里さんのその言葉に、俺はショックを受けた。

やっぱ大学生になってから彼氏いたのかー!マジかー!


「実は1ヶ月前にお別れしちゃったんですよ。」


「え〜そうなんだ〜、どれくらい付き合ってたの?」


「1年くらいですかね。」


「なんで別れちゃったの?」


「ん〜それはまぁ色々とあって……。」


「え〜どっちから?春花ちゃんの方から別れようって言ったの?」


「そうですね、私の方からです。」

彼氏いたのか……いやまぁ今は別れてるからいないんだけど。

そりゃ彼氏できるよな、当たり前だよな、春花ちゃんは可愛いし。

俺は少し前まで春花ちゃんに彼氏がいたという事実だけで妙にショックを受けてしまっていた。

普通なら想いを寄せる恋人に今現在彼氏がいないならそんなに気にする必要ないのだろうけど、俺が気になっているのはそこじゃなかった。

1年も付き合ってたのかぁ……って事は……


「春花ちゃん彼氏いたんだな、一年付き合ってたって事は確実にセックスしてるな。」

俺の横に座っていた萩田先輩が小声で俺にそう言ってきた。

そして反対側に座っていた浜村先輩も。


「くそぉ、春花ちゃんの処女を奪った男がこの世に存在するとか、許せないな。」

それな。

俺が気にしていたのもそれ。

こんな事を気にするのは馬鹿馬鹿しいと思われるかもしれないが、俺や先輩達にとっては大問題。

なぜなら俺達は高校時代、春花ちゃんの着替えを覗くだけでもあんなに必死になったのだから。

そんな春花ちゃんの裸を見た男がいるなんて……そんな春花ちゃんとセックスをした男がいるなんて……信じたくなかった。

まぁ先輩達はそこまでショックは受けてなかったけどね。でも俺は結構落ち込んでた。

たぶん春花ちゃんにマジで恋してたのは俺だけだったから。

俺もこの一年の間にセックスを経験して童貞を捨てて、セックスってマジでエロいなってヤる度に思うんだけど、そんなセックスを春花ちゃんもこの一年で経験していたんだなって思うと、俺の心は嫉妬で苦しくなった。

飲み会自体はめちゃくちゃ盛り上がってたのに、俺は少し落ち込んだ気分で過ごしていた。

で、飲み会後、2次会のカラオケも終わって解散しようかってなった所で、駒木先輩がこんな事を言い始めた。


「なぁ今度このメンバーで旅行でも行こうや。」

その提案に千里さんも春花ちゃんも
「え〜行きたい!」

と。

ちなみに2次会の最後まで残っていたのはいつもの駒木先輩、浜村先輩、萩田先輩、船越先輩と俺、それに千里さんと春花ちゃんの7人だった。(加奈さんや他の元野球部メンバーは1次会で帰った)


「俺良い場所知っててさ、プール付きでバーベキューできるところがあるんだよ。プールでみんなで泳ごうぜ!」

駒木先輩のその言葉に、最初は旅行に乗り気だった千里さんの表情が曇った。


「え〜プール?水着になるってこと?」


「そりゃそうよ、プールに行くんだから当たり前だろ?」


「え〜私あんた達の前で水着になるの抵抗あるわ〜」


「は?なんでだよ?水着なんて普通だろ?」


「だってあんた達って変態じゃん?絶対変な目で見てくるじゃん!」

だろうね。

駒木先輩の目的は千里さんと春花ちゃんの水着姿を見ることだ。


「まぁそれは否定できないけどな〜」

と笑う駒木先輩。もう変態なのはバレてるもんな。


「でもバーベキューめっちゃ美味しいし、近くに良い感じの温泉旅館もあるからさ、1泊2日でどうよ?」

で、結局千里さんは
「まぁ検討しておくけどさ〜、プール無しのプランも考えといてよ〜」

と保留してた。

春花ちゃんは千里さんに
「こいつらの前で水着とか嫌だよね?」

と言われて
「あはは」

と笑っていた。

で、後日、改めて駒木先輩は千里さんと春花ちゃんをLINEで旅行に誘った。(結局プラン変更なしでプールあり)

千里さんは
「あんたまだプール諦めてないの!?え〜どうしようかなぁ」

って反応。

春花ちゃんは意外にも
「行きたいです!」

と即答で返ってきたらしい。

で、千里さんは
「春花ちゃん1人じゃ心配だから私も行くかなぁ」

と。

2人からOKを貰えたので先輩達は結構テンション上がってた。


「これで千里と春花ちゃんの水着姿見れるぞー!」

って。

当然俺も春花ちゃんの水着姿は見たかったし、単純に春花ちゃんと旅行に行けるのは楽しみだった。

ていうか春花ちゃんは水着姿見られるの平気なんだなって意外だった。

で、いつもの先輩達4人と俺、千里さんと春花ちゃんという7人のメンバーで旅行に行く事になった。

コメント

  1. ちっち より:

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    人妻 優子の更新を期待しているだけに、新作を優先されるのは少しがっかりです…
    昨年の12月ごろから完全を楽しみに待っていました。

  2. メンメン より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます。
    『人妻 優子』を楽しみにお待ちいただき、本当にありがとうございます。

    実は現在、noteのメンバーシップにて『優子』を優先して更新しており(更新頻度多め)、すでに59話まで公開済みです。
    ご案内が分かりにくく、ご不便をおかけしてしまい申し訳ありません。

    更新は少しずつになりますが、しっかり完結まで進めてまいります。
    一気にお読みになりたい方は、完結のタイミングでメンバーシップにご入会いただくのもおすすめです。
    完結まで時間が掛かってしまいすみません。
    完結の際には、こちらのブログでも改めてご案内させていただきます。

    今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

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