「はぁ……」
シャワーを浴び終え浴室から出た真弓は小さくため息をついていた。
あんな風にセックスを中断したのは初めてだからフラストレーションが溜まっていた。しかも絶頂目前で寸止めされている状態だからなおさら。
身体の疼いて疼いて仕方ない。
これ以上身体の疼きが大きくなると、この前映画館に行った日のように我を失ってしまいそう。
低めの温度でシャワーを浴びて体温を少し下げた事で多少治まった気もするけれど、身体の奥ではまだその疼きが燻ぶっているのがハッキリと分かる。
シャワーを浴びながらその場でオナニーをしてしましそうになったけれど、一度始めたら止められなくなりそうだったから、アソコを刺激したくなる欲求をなんとか抑えて我慢した。我慢したけど……
……あの三人が帰ったらすぐにでも拓実君と続きをしたい……
……でも……今はエッチな事は考えちゃダメ……我慢できなくなっちゃう……
身体の奥から湧き上がってくる欲求と葛藤しながら、なんとか自分をコントロールしようとする真弓。
あの三人が帰るまで、一切考えないようにしよう。
「……さ、料理仕上げないとっ。」
再びエプロンを身に着けて気持ちを切り替えた真弓は、キッチンへ戻り料理の仕上げを始めた。
身体の疼きを感じながらもなんとか発情してしまう事を抑えられたのは、敷地内に自分と拓実以外の人間が来ていたからだ。
そうじゃなければあんな風に中途半端にセックスを止められたままにされたら絶対耐えられないけれど、今はどれだけ望んでも拓実とはセックスできないのだからと考えれば、諦めて夜までは我慢できる。
夜まで…夜まで我慢すればいいんだから……。
そんな風に自分を説得しながら、真弓は料理に集中する事にした。
「ふぅ……なんとかできたぁ。」
夕方頃、真弓はテーブルに並べた色とりどりの自分の手料理達を眺めて達成感に浸っていた。
こんなに沢山の料理を作ったのは初めてだけど、我ながら上出来だと思った。
それに料理に集中していたら不思議と身体の疼きもそれほど気にならなくなっていた。
もちろん燻ぶりはまだ消えておらず、いつまた発作のように発情してしまうか分からないという不安はあったけれど、この調子なら夜までなんとかなりそうだと思った。
拓実に料理ができた事をメールで伝えると、4人が離れの部屋から母屋へやってきた。
「おおー!すげぇ!めっちゃ豪勢じゃないですか、え、これ全部真弓さんの手料理ですか?」
「そうですよ~」
「おいおい、まさか拓実は浪人のくせに毎日こんな料理食べてるのか?」
「はい、真弓さんの料理は毎日本当に美味しいですよ。」
「お前ふざけんなよぉ恵まれ過ぎだろ!あ~俺もここに居候して~!」
「いやでもマジで美味そうだな、超腹減ってきたわ。」
テーブルに並べられた料理を見るなり盛り上がる男達。
真弓は喜んでくれている4人を見て、素直に嬉しかった。
「ウフフ、沢山作ったから皆遠慮なく食べてくださいね。」
そしてそこから飲み会が始まった訳だが、やはり体育会系で身体が大きい分、その食べっぷりと飲みっぷりは想像以上で、見ていて気持ち良いくらいだった。
皆美味しい美味しいと言って次から次へとお替りをしてくれて、かなりの量を作ったけれど、これなら完食してもらえそうで頑張って作った甲斐があったと、真弓は上機嫌だった。
飲み会も盛り上がっているようで、座敷の部屋からは学生らしい騒がしくて元気な声が聞こえてきていた。
しかしその中ではこんな会話も……
「おい拓実ももっと飲めよ!」
「は、はい……あ……そんなにはちょっと……」
「いいから飲めよ!今日は拓実を潰すから覚悟しとけよな!」
「マジですか、勘弁してくださいよぉ。」
「いーやダメだ、こんな良い家で浪人生活を送ってるお前を俺達は許さねぇ。」
そして先輩3人がゲラゲラ笑う声。
会話を聞く限り、どうやら一番年下の拓実が先輩達に弄られる展開になっているようだ。
後輩に酒を強要するところも体育会系らしいと言えばそうなのだけど……真弓は少し拓実の事が心配だった。
――拓実君……沢山飲まされてるみたいだけど、大丈夫かな……?――
そんな風に思いつつ、真弓は冷蔵庫で冷やしておいたデザートを出す準備をしていた。
すると、その真弓の元へあの新田が酒を片手に持ちながらやって来た。
「おお、それも美味しそうっスね、デザートですか?」
「あ、新田君、そうですよぉ、盛り付けたらそちらに持っていきますね。」
真弓は笑顔でそう答えたが、新田は少し酔っ払ったような顔をしながら、大きな身体でそのままのっしのっしとキッチンの中まで入ってきた。
そして新田はデザートの盛り付けをしている真弓の事をジロジロと見てきた。
「……?……新田君?」
視線が気になって手を止める真弓。
すると新田は笑みを浮かべてこう言ってきた。
「真弓さんも一緒に飲みましょうよ。」
「え?私も?」
「はい、真弓さんもこっち来てくださいよ、男だけじゃイマイチ盛り上がりに欠けるんで。」
「でも……私が入ったらお邪魔になっちゃうんじゃ……せっかく懐かしい高校のメンバーで飲んでるのに。」
「そんな事ないですよ、俺達この前も同窓会で飲んだばっかりだし、真弓さんが居てくれる方が絶対楽しくなります。」
「でも……ん~……どうしようかな……」
正直真弓自身は今日は飲む予定ではなかったので迷っていた。
飲む事自体は嫌ではないけど、料理の片づけなどもしないといけないし。
しかし新田はそんな真弓を少し強引に誘うような口調でこう聞いてきた。
「あ~やっぱり俺達みたいなガキが飲んでる酒には付き合えないっスか?」
新田は冗談っぽく笑顔で言ってきたが、そういう言われ方をされると真弓も断りにくい。
だから真弓は折れるしかなかった。
「そ、そんな事はないけど……」
「だったらマジでちょっとだけでいいんで一緒に飲みましょうよ!」
「ん~……じゃあ……ちょっとだけなら。」
真弓が仕方なくそう答えると、新田は大げさにガッツポーズをして嬉しそうにしていた。
「お!飲んでくれます!?よっしゃ!俺めっちゃ真弓さんと飲みたかったんですよ!
じゃあデザート運ぶの俺も手伝いますね!あ、真弓さんのグラスはどれを持っていけばいいですか?
……うわ~高そうなグラスが並んでますね!バカラとかあるじゃないですか!俺これ使っていいッスか?」
「う、うん……いいですよ。」
「これで飲んだらまた味が違うんだろうなぁ、あ、てか真弓さん俺達なんかに敬語使わないでいいですよ!マジで俺達まだ真弓さんと比べたらガキなんで、色々話聞かせてくださいよ。」
真弓が飲み会に参加すると決まった瞬間からやたらとテンションが高い新田。
素面の真弓はそんな新田のテンションの高さについていけないような気持ちになったが、強引に酒を飲まされているであろう拓実への心配もあり、拓実の近くに居てあげた方が良いかもしれないと思った真弓は飲み会に参加する事にした。
飲む事に関しては真弓は酒が弱い訳ではなかったし、少しだけ付き合って飲むだけだからと、自分の事はそこまで心配はしていなかった。
しかし、そんな軽い気持ちで飲み会に参加した事が切っ掛けで、真弓はその後思いも寄らぬ経験をする事になるのであった……。
コメント
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今のところ…ねw
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新田とはイチャイチャ程度でたくみが嫉妬でドSになるとかも面白そう。
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新田がエロ目線で狙っていますねー
イク直前でセックスを中断した真弓さんが
誘惑されたら我慢できなくなっちゃうよー[絵文字:v-190]
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乱交の予定はないと聞いて安心しました。
そのまま、強いお気持ちを持ち続けてください。
いつも、乱交になって終了、ではガッカリします。
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新田一人にフォーカスしてる感じが良いです。
どうもっていくのか、楽しみにしてます。
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オッパイプレイよろしくお願いします
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今のところ乱交の予定はありません……(*_*;)
今後の展開、気に入って頂けるか分かりませんが、頑張ります。
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乱交になってしまえば
エンディングは近くなりそうで
いい意味
予想を裏切る展開
で
さらに
ドキドキさせていただきたいです
^/^
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得意の乱交になる予感(笑)
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更新お疲れ様です。
なんか変な方向に向かってますねぇ
俺的、あまり…な展開ですね。拓海くんと真弓さんの道ならぬ恋?に旦那さんがどう絡むが展開的に面白いなと思ってたので。
更新お待ちしております。