果歩
「・・・私・・・私が友哉の事勝手に勘違いしてたの・・・。」
友哉 『・・・果歩・・・』
果歩
「ごめん友哉・・・私・・・本当にごめん・・・。」
友哉 『・・・どうしたんだよ果歩、悪いのは俺だろ?俺がずっと連絡しなかったから・・・。』
果歩
「・・・ぅ・・・ヒック・・・ぅ・・・」
果歩はどうしても言えなかった。
ここ数週間のうちに自分がしてしまった事を。
富田や山井と持ってしまった関係。
さっき鏡で見た、至る所に男に付けられた無数の赤い痕が残った自分の身体を思い出すと胸が痛んだ。
この短い間に、富田と何度SEXをしただろうか・・・
何度も激しく抱き合い、快感に酔いしれていた自分。
富田の性器を口で咥えたし、腰に跨って積極的に腰を振ったり、富田が放った精液も何度も飲んだ。
友哉とは決してした事がなかった種類の濃厚な性行為。
単純に今までで繋がった回数でも友哉より富田の方が多くなってしまっただろう。
富田に強要されたわけではない。果歩は自分から快感を求めて、富田との関係を持ったのだ。
以前は性に対して消極的だった果歩の中の、自分でも気付かなかった快感への欲望。
それに気付いてしまった時、もう果歩はそれを求める自分を抑える事ができなかった。
もちろん、切っ掛けは友哉との関係における果歩の勘違いが原因だった事は確かであった。
果歩は富田とのSEXで快感に溺れる事によって、精神的苦痛から逃れていたのだ。
それが自分に歯止めが効かなかった原因でもある。
しかし今はそんな自分が情けなく、そして友哉に対する罪悪感で心の中はいっぱいで、涙が止まらない。
果歩
「・・・私・・・最低なの・・・もう友哉の彼女でいる資格ないんだよ・・・」
友哉 『果歩・・・どうしてそんな・・・』
果歩
「私・・・友哉を信じ通す事ができなかったの・・・私・・・弱いから・・・ごめん・・・私達・・・もう・・・」
果歩が友哉と別れる事を覚悟した言葉を言おうとした瞬間、友哉の口が開く。
友哉 『果歩っ・・・俺の話、聞いてくれないか?』
果歩
「・・・ぅ・・・ヒック・・・ぅ・・・」
友哉 『俺・・・果歩が好きだ。』
果歩
「・・・ぇ・・・・」
友哉 『俺はずっと果歩の事が好きだよ。・・・俺には、果歩が居ないとダメなんだ・・・。』
果歩
「・・・友哉・・・」
友哉 『俺も弱い人間、人間誰でも弱いんだよ果歩・・・でも俺は強くなりたい、果歩のために。果歩といっしょならどんな事でも乗り越えていける。・・・果歩といっしょに幸せになりたんだ。』
果歩
「・・・・・」
友哉 『果歩・・・俺と結婚してくれ。』
果歩
「・・え・・・・・」
それは果歩にとって思いがけない言葉だった。
・・・結婚・・・
果歩の胸がキュンっと締め付けられる。
友哉から出た言葉は、友哉からの果歩に対する強く熱い気持ちがこもったものである事は確かだった。
海外電話で、しかも唐突に出た言葉ではあったが、これが友哉の正直な気持ちと、覚悟であったのだ。
果歩の目からポロポロと大粒の涙が零れる。
友哉 『すぐにではないけど、近い将来必ず・・・俺は果歩とずっといっしょに居たい。愛してるんだ、本当に。・・・だから、別れようなんて・・・言わないでくれ・・・な?』
友哉のその言葉を聞いた瞬間、果歩の涙は悲しみと罪悪感の涙から、感激の涙へと変わっていた。
果歩
「ぅ・・・ぅ・・・友哉ぁ・・・ヒック・・・ぅ・・・」
友哉
「果歩・・・これからも俺の彼女でいてくれるか?」
果歩
「・・・・・ぅん・・・・」
友哉
「・・・?果歩?・・・」
果歩
「・・・ぅ・・・・うん・・・私も友哉の事がずっと好きだよ・・・ぅ・・・。」
泣きながらそう言った果歩。
2人の間での2度目の愛の告白であった。
やはり果歩の心の奥深くには友哉がいたのだ。
富田と共に堕ちていった底の見えない世界にいた果歩に、友哉は光の手を差し伸べてくれた。
友哉の愛の告白に、果歩の心は温かく包まれた。
また、あの友哉との幸せな日々を送る事ができる・・・そう思うと、果歩は心の底から嬉しい気持ちになった。
そしてそれと同時に果歩は決心したのだ。
富田との関係に自らけじめを付ける事を。
そうすれば、また元に戻れる・・・友哉といっしょに・・・。
自分の考えている事が最低なのは分かっている。
でも、もう友哉との幸せを失いたくない・・・
富田との関係が友哉に知られても、友哉は自分を好きで居てくれるだろうか・・・
もしダメだったら・・・
そう思うと、今はまだ果歩にはどうしても言えなかったのだ。
だからせめて、自分だけで、富田との関係を絶つと決心した。
それから、友哉に全てを話そう。
その夜、友哉は果歩が泣き止むまで電話で話をしてくれた。
海外生活での楽しかった事、果歩との楽しかった思い出やこれからの事の話を。
久しぶりの温かな友哉との時間だった。
この幸せがいつまでも続く事を、2人はいっしょに願っていた。
その同じ頃、トミタスポーツの事務室では富田と山井が、ソファに座りタバコを吸いながら話をしていた。
富田
「おい山井、明日は果歩を大林の所に連れて行くから、お前もいっしょに来いよ。」
山井
「え!?もう果歩ちゃんを大林さんの所に連れて行くんスか?大丈夫なんですか?」
富田
「フッ、いいんだよ。大林に果歩の写真見せたら、早く連れてきてくれって涎垂らしてたからなぁ。」
山井
「わぁ~大林さんマジ変態だからなぁ・・・果歩ちゃんもついに本格的に汚れていくんすね?」
富田
「ハハッ楽しみだろう?明日は果歩に変態の壁を越えてもらぜ。」
山井
「へへ・・・楽しみっすね・・・。」
不気味な男達の笑い声が、夜の事務室に響いていた・・・。
コメント
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今週もスタートしました。
ハードなプレイですけど、
これで離れていく読者(特に女性読者)がいるかもしれないという恐怖感がありまして、少々葛藤もあります。
でもなんとか頑張ります。
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ハードエロな文を楽しみにしています。他の人はドン引きでも大丈夫!ドンと来い!
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初めましてこんにちは。
コメント・応援ありがとうございます。
官能小説カテゴリーに参加されたという事で、ブログの方を拝見しましたが
記事に官能小説らしき文章は見当たらなかったのですが、これから書くご予定なんですか?
他の方の官能小説を読むのはとても参考・勉強になるので、更新楽しみにしてます。
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無職で、10月から職業訓練校に通ってる43歳男です
官能小説が好きで、このたび、人気ブログランキングの官能小説カテゴリーに越しました
どうぞよろしくお願いします
引越しのご挨拶代わりに、ポチっと応援しておきますね
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ありがとうございます。
11月は安定した更新が目標ですからね。
土日はしっかり休みます。
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(土)(日)、ゆっくりと休んでくださいね。
そして、次の新たな展開を期待します
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コメントありがとうございます。
そう言って頂けるとモチベーションも上がります。
新たな展開ですね、次回からは。
人によっては引いてしまうかもしれない程ハードになるのはこれからです。
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更新が楽しみです、新たな展開の予感…。