果歩は山井の後ろを歩きながら数ヶ月前、初めてここ、トミタスポーツを訪れた時の事を思い出す。
あの時、山井に連れていかれたあの部屋で、果歩は初めて富田と対面した。
あの頃は、留学先で頑張っている友哉に刺激を受けて、自分も何か頑張らなきゃと意気込んでいた果歩。
大学の勉強も、毎日のアルバイトも一生懸命やって、日々大人になっていく友哉と、少しでもつり合えるようなしっかりとした大人の女性になりたかった。
しかし今はあの頃の自分がまるで別人のように思える。
どうしてこうなってしまったのか、どうして歯車がこうも狂ってしまったのか。
それが他人の責任ではなく、自分が選択してきた道なのだという事を果歩は自覚している。
友哉の浮気を疑ってしまった時、あの時弱った果歩の心に与えられたSEXという薬は、果歩を快楽の世界へと引きずり落としたのだ。
想像を絶する快感だった。
今までの友哉とのSEXを全否定するような、強烈で官能的なSEX。
それまで何も知らなかった初心な身体は、その甘美な快楽の虜となる。
気付いた時には自分で自分にブレーキを掛ける事ができない状態にまでSEXに依存していた。
富田とのSEXで得る快感は、どんなものにも効く特効薬であった。
辛い事も悲しい事も、寂しい孤独な心も、全てを忘れさせてくれるのは富田だけだった。
そしてそれは今も変わらない。
人間関係で辛い状況へ追い込まれれば追い込まれる程、孤独を感じれば感じる程、富田への依存心は募るばかり。
果歩
「・・・・・・。」
・・・富田さんに捨てられたら・・・私・・・死んじゃう・・・
しかし果歩は、そんな自分の気持ちに自問自答する。
〝ァ・・・後藤君・・・ン・・・ァ・・・ハァ・・・〟
それなのに・・・どうしてあんな事をしてしまったのだろう。
自身の心の中にある矛盾に、果歩は苦しんでいた。
心の中で何かが引っ掛かっているような感覚。
今の果歩には引っ掛かっているそれが何なのか、全く分からなかった。
ただそれが心に針が刺さっているように苦しくて苦しくて・・・。
矛盾に満ちた自分を、自分自身で責めないといけないという過酷な日々に、果歩の心は疲れきっていた。
そしてその疲れきった果歩の心は、目先の特効薬にすがり付くことでしか、この苦しみを解放させる手段がなかったのだ。
この身体に植えつけられた、富田という男の存在にすがり付くしか・・・。
コンコン・・・・
山井
「富田さーん!入りますよぉ!」
ドアが開き、果歩が山井の後ろから部屋の中を見ると、いつものように富田がソファにどっしりと座っているのが見えた。
果歩
「・・・・・・。」
富田のその姿を見た瞬間から、果歩の身体は熱くなり始める。
まるでそうなるようにDNAに刻み込まれているかのように、果歩の身体は富田の存在に反応する。
富田
「・・・来たか。・・・果歩も入って来いよ。」
果歩
「・・は・・・はい・・・。」
富田
「まぁ座れよ。」
果歩
「・・・ハイ・・・。」
無意識になのか、富田の目、富田の手を、果歩の目がチラチラと見ている。
富田はそんな果歩と何度か目を合わせながら、咥えているタバコに火を付けた。
富田
「山井、今日は何人くらい来てるんだ?」
山井
「今日は15人っスね。まぁ初日ですし。・・・予約はかなり先まで埋まってますよ。」
富田
「・・・そうか。」
果歩は2人の会話を膝に手を置いて俯き加減で黙って聞いていた。
果歩
「・・・・・」
富田は口から煙を吐くと、そんな果歩を再びじっと見つめながら口を開く。
富田
「・・・何を考えているんだ?」
果歩
「・・・ぇ・・・?」
富田
「今何を考えていたんだ?」
果歩
「・・・あの・・別に・・・私は・・・」
果歩はオドオドとした様子で富田の目を見た後、そっとその視線を横に逸らせた。
富田
「今日大学でヤッた男達の事を思い出していたのか?」
果歩
「・・・ぇ・・・」
富田
「それともこれからヤる事でも考えていたのか?」
果歩
「・・・・・。」
富田
「お前は何のためにここに来たんだ?」
果歩
「・・・そ、それは・・・富田さんに・・・」
富田は果歩の心を探るような質問を次々と投げかける。
富田
「またSEXでアンアン喘がせて欲しいのか?ん?」
果歩
「・・・そんな・・・」
果歩は膝の上に置いていた手でグッと握り拳をつくる。
富田
「でも・・・そうなんだろ?」
果歩
「・・・・・・。」
富田
「・・・お前は俺に何を求めているんだ?」
果歩
「・・・私は・・・ただ・・・富田さんの傍にいたくて・・・」
富田
「違うな・・・お前はただSEXがしたいだけの淫乱女だ。」
果歩
「・・・・・」
富田
「そうなんだろ?今もお前のだらしないマ○コは男のチ○ボを求めてグチョグチョに濡れているんだろ?」
果歩
「・・・・・」
果歩は富田の問いに何も答える事ができなかった。なぜならそれが紛れも無い事実であるから。
果歩の下腹部は今、富田を求めて、富田とのSEXを求めて疼いている。濡れている。
今の果歩に富田が言っている事を否定する事など一切できないのだ。
果歩
「・・・・・」
下を向き、目に涙をジワっと溜める果歩。
そんな果歩を見つめながら富田はソファから立ち上がる。
富田
「・・・・ふぅ・・・山井、あの部屋でいいんだな?」
山井
「はい、準備は万端っスよ。」
富田
「行くぞ果歩。」
果歩
「・・・ぇ・・・?」
富田
「来いよ・・・抱いてやる。」
コメント
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妄想の中で受け取りました、ありがとうございます(笑)
お返しじゃないですけどタイミング良く今日から新作連載スタートしますよぉ☆
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今日はバレンタインデー♪
チョコレート代わりに美桜を食べてね。(≧∇≦)(笑)
富田さんも果歩の事、美味しく舐めてねぇ~。(淫)