湯船に浸かって長い間閉じていた目を、ゆっくりと開く。
湯気で真っ白輝く浴室の光が眩しい。
果歩
「・・・はぁ・・・・」
無意識の内に出る深いため息。
この1週間でいったい何人と、何度SEXをしただろうか。
ずっとSEXをしていた。学校でも、トミタスポーツでも。
学校では毎日のように昼休みに後藤達に犯されたし、トミタスポーツに行けばあの部屋で日替わりで代わる大勢の会員達に輪姦された。
毎日毎日・・・何度も何度も、性的快感の絶頂に達した果歩。
SEX・・・SEX・・・SEXSEXSEX・・・
男の前で股を開き、挿入をされる度に果歩の身体は敏感に反応を示し、淫らに乱れて悦んだ。
そしてその一方でアクメを感じて、身体が震えて、頭が真っ白になる度に果歩の心は冷たくなった。
〝肉便器〟〝淫乱女〟〝ヤリマン〟〝変態〟
果歩をそう呼びながら、まるで物のような扱いをした男達。
もはやあれはSEXではない。果歩という肉壷を使って行う男達のマスターベーションだった。
ガチャ・・・・
湯船から上がり浴室を出た果歩は、バスタオルで一通り身体を拭くと、裸のまま目の前にある洗面台の大きな鏡を見つめる。
そこには無表情で立つもう1人の自分がいた。
嬉しそうでも、悲しそうでもないもう一人の自分が、果歩の事をじっと見つめてくる。
それに対して特に何も思うことも無く、果歩は自身の胸の膨らみにそっと手を当てた。
果歩
「・・・・・・・。」
身体は以前よりも明らかに豊満なスタイルになっている。
乳房のサイズは大きくなり、ヒップも以前より大きく丸みを帯びていた。
ブラを窮屈に感じて、少し前に下着を変えようとお店に行ってサイズを測ったら、ひと回りサイズがアップしていた。
ウエストはそのままで、膨らむべき所がより大きくなった果歩の身体は、まさに大人の女性のからだつき。
鏡に映るグラマーな女性はまるで自分ではないよう。
恐らく毎日性的快感を体験した事や、調教開発された事で、女性ホルモンを大量に分泌した果歩の身体は急激に女性らしさを増したのであろう。
果歩
「・・・・・・・。」
果歩はただそんな風に変わってしまった自分の身体を、無表情でじっと見つめ続けていた。
冷たくなってしまった果歩の瞳からは、もはや何も感じ取る事はできない。
笑顔も涙も忘れてしまっていた果歩は別人ように変わってしまった。
孤独という恐怖から逃れるため、これ以上心を傷つけられたくない果歩は、完全に心を扉を閉ざしてしまったのだ。
そう・・・果歩は孤独だった。
大学生活でも果歩は何となく感じ取っていた。周りの人間が自分の事を避けている事を。
後藤達は秘密にすると言っていたが、信用なんてできない。
男達の中の誰かが、男子トイレでの事を漏らしたのかもしれない。
そして噂はあっという間に広がり・・・きっとそうなんだと、果歩は思った。
なぜなら今まで仲の良かった同姓の友人さえ、果歩に声を掛けてくる事はなくっていたのだから。
何も無くなってしまった。自分には何も無くなってしまった。
全てを失ってしまったのだと果歩は察し、そして絶望した。
絶望という真っ暗な世界で蹲り(うずくまり)、寒さで身体を震わせている果歩。
何度も命を絶って楽になりたいと思う辛く苦しい日々を、果歩は、愛情の無い虚しいSEXで得る、快楽という麻薬を使うことで何とか乗り越えていたのであった。
コメント
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果歩はもう限界ギリギリの状態ですね。
悪いスパイラル入ってしまってます。SEXしないと生きていけないし、SEXをすればする程傷ついていく…
次は富田さんのエピソードに入っていきますが…そちらもちょっと萎えてしまうかも…
さぁどこに向かっていくのかこの官能小説(笑)
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コメントありがとうございます。
僕としても書いててちょっと辛いシーンです…
官能から離れてきていて賛否両論ありますが完結までなんとか頑張りたいと思います。
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セックスと言う、愛の営みが、残酷にも自分の心と体を傷つける行為になってしまい、孤独感しか残らない果歩に、救いの手立ては来るのでしょうか。(*_*)
自分の撒いた種と分かりつつ、今の自分を受け入れられるかなぁ。
大学でも、独りぼっちじゃ、生きてく気力も無くなるよね。(ρ_;)
頑張れ果歩。o(`▽´)o
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果歩ちゃんの孤独感が…(ノ△T)
こっちまで胸が締め付けられます
早く絶望の中から果歩ちゃんを
救ってくれる手が差し出されますように…
続き楽しみにしています。
が、無理しないでくださいねo(^-^)o