「サッカー部の同窓会?」
「はい、誘われたんですけど、行こうかどうか迷ってて。」
「行ってくればいいじゃない、最近はずーっと私と家にいるし、拓実君もたまには外で他の人とも接しないと。もしかしたら良いリフレッシュになって勉強に集中できるようになるかもしれないし。」
四六時中セックスばかりしていた最近の生活を少しでも正すためにも、真弓は拓実に同窓会に行くように背中を押した。
大学生の友達に会えば、拓実君も少しは危機感を覚えて勉強を頑張ろうって気になってくれるかもしれないし。
「そうですね、じゃあ……行ってこようかな。」
「同窓会は地元で?」
「いえ、上京してる人が多いのでこっちでやるみたいです。地元でやるなら遠いから絶対行きませんよ、距離的に日帰りできないし、親に顔見せないといけなくなっちゃうし。」
「そうよね~〝ちゃんと受験勉強やってるか?〟なんてご両親に聞かれたら今の拓実君は返す言葉ないもんね。」
「そ、そうですね。」
真弓に言われて拓実は苦笑していたが、そろそろ本当に受験勉強に集中しないとマズい。
そして結局、拓実はその週末にサッカー部の同窓会に参加する事になったのだが、せっかくだから真弓も週末は独りで出かける事にした。
真弓自身も拓実とセックスばかりしてしまっている生活を一度リセットする良い機会だと思ったのだ。
――いい加減私もどこかで切り替えないと……拓実君のためにも……――
「じゃあ私は一人で映画でも観に行ってこうようかな~」
思えばもう拓実との二人暮らしが始まってそれなりに月日が経っていた。
近くのスーパーに買い物に行く以外で一人で出掛けるのは随分と久しぶりだ。
一人で美味しいランチと映画。存分に楽しんでこようと思った。
しかし結果的に、真弓にとってその週末のお出掛けはセックス漬けだった生活をリフレッシュするどころか、逆にどれだけ今の自分の身体がセックス中毒になっているかを知る機会となってしまったのだった……。
お洒落なカフェでランチを楽しんでいた時は良かった。問題は映画館だった。
真弓がその日観に行ったのは、とある海外の恋愛映画。
平日の昼間の映画館は人が少なくガラガラで、真弓以外には数組のカップルや夫婦らしき男女がいるだけだった。
それでも真弓は気にすることなく、カップル達がいる席よりも後ろの方の席に座り、リラックスした状態でコーラとポップコーンを持ってワクワクしながら映画を観ていた。
しかし、見ていた恋愛映画がちょっとしたラブシーンに入った辺りから、真弓は自分の身体に異変を感じていた。
なんてことはない、どんな映画にもあるような男女がキスをし、ベッドで抱き合っているだけのシーンで、今時高校生でも気にしないような映像だ。
それなのに真弓は……
――やだ……私……何考えてるんだろう……――
男女の唇が重なり、濃厚なキスをしているシーンを見て、真弓は身体を熱くさせていたのだ。
映画に出ている美しいヒロインの女優は、すっかりその役になりきって、うっとりとした表情で俳優とのキスを味わっているように見えた。
――わぁ…この俳優さん、キス上手……――
――ぁぁ……気持ち良さそう……――
そんな事を考えながら、真弓は寂しくなった唇を自分の指で触ってしまっていた。
そして、ふとスクリーンから視線を落とした真弓は、さらにある事に気付いてしまった。
自分より前の方の席に座っていた一組のカップルが、キスをしていたのだ。
――わ……あの人達……キスしてる……――
しかも男性の方はキスをするだけでなく恋人の女性の服の中に手を入れて何やらゴソゴソ動かしているように見えた。
――うそ……こんな所で……?私が後ろにいる事、気づいてないのかな……?――
真弓はカップルの行動が気になって仕方なくなってしまい、映画どころではなくなってしまっていた。
カップルの男性は相変わらず腕をゴソゴソと動かしていて、よく耳を澄ますと、女性の
「ン……ハァ……」
という吐息混じりの声も聞こえた。
男性が女性のスカートの中に手を入れてアソコをイヤらしく刺激しているのが容易に想像できてしまう。
目の前で他人の行為を見るのは初めてだった真弓。
拓実と一緒にAVを見た時とは違う、臨場感があった。
そうこうしている内に、また向き合ってキスをし始めるカップル。
女性の顔が少し見えたけれど、男性の愛撫に感じて気持ち良さそうにうっとりした表情をしていて、頬を火照らせていた。
その熱が、真弓にまで伝わってくる。
――私もあんな風に拓実君にされたら……――
想像するだけで下腹部がジンジンと疼く。
同時にそんな自分自身の身体の反応に真弓は驚いていた。
映画のラブシーンと、カップルがイチャついているのを見ただけで、まるで何かのスイッチが入ったかのように身体の奥が一気に熱くなってしまい、性的な事しか考えられなくなる……こんな事、以前の真弓ならありえなかった。
拓実とセックスをするようになって、自分の身体はすっかり変わってしまったんだと、真弓は気づいた。
すぐにセックスの事を考えてしまうイヤらしい身体に。
そして真弓は目の前のカップルを見ながら妄想を続けていた。
他人もいる暗い映画館でキスをされ、服の中やスカートに手を入れられ、濡れたアソコを刺激される。
あの女性は、彼氏の手にアソコをどのように触られているんだろう。
クリトリスに愛液を塗すようにヌルヌルと刺激されているのか……それとも膣(なか)に指を入れられているのか……
はァ……こんな場所でクチュクチュと膣を掻き回されたら……堪らない……
真弓は目の前の女性が羨ましかった。
私も……あんな風にされたい……
そんな事を考えながら、真弓は自分の下腹部に手を当てていた。
直接触って確認しなくたって分かる。
アソコがドキドキキュンキュンして、濡れてしまっている。
映画を観に来ただけで、こんなつもりなかったのに……
そして真弓の手は、自然と自身のスカートの中に入っていった。
コメント
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誤字修正しました。ご指摘ありがとうございました。
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そ、そうですね
というたくみのセリフの後、勉強しないといけないとマズイと誤字になっています。