痴女子大生 志乃(29)

 

「志乃さん、じゃあ次はそこに手を置いて、後ろ姿を撮影するよ。」

「はいっ」

その日も志乃はスタジオで露出度の高い衣装を着させられ、カメラを向けられていた。

夏をテーマにした服は、とにかく肌が出る部分が多い。

上は肩やデコルテライン、お腹を出し、下はミニスカートかショートパンツ。

服の面積よりも志乃の白い肌で出ている面積の方が明らかに大きい。

「志乃さん、少し背中を反らすような感じにして。」

「こ、こうですか……？」

「そうそう、良い感じだよ。」

この日のショートパンツコーデの撮影では、後ろ向きでお尻を突き出すようなポーズをとることになり、志乃は恥ずかしそうにしながらも、真田からの指示に従っていた。

カメラのレンズがお尻に向けられているのを感じて、また志乃の胸がドキドキと高鳴る。

——撮られてるのはこのショートパンツなんだから——

そう自分に言い聞かせながらも、どうしても自分のお尻の撮影をされているように感じてしまう。

官能小説に出てくる愛美が、同じような撮影で感じていたような、ピンク色の気持ちがどうしても志乃の心にも芽生えてきてしまう。

——ハァ……お尻、撮られてる——

ショートパンツの上からでもはっきりと分かる志乃の尻の形の良さ。

ふっくらと女性らしく丸みを帯びながらも、キュッと引き締まった若々しいお尻。

「志乃さん、もう少し腰を後ろに突き出す感じにしてみてくれるかな。」

「は、はい……」

真田の指示で、志乃はさらにお尻を後ろに突き出す。

——わぁ……この格好恥ずかしい……——

顔を赤くする志乃の耳に、カシャ！カシャ！とカメラのシャッター音が届いて、さらに羞恥心が刺激される。

明らかに顔が赤くなっているのが自分でも分かるから、真田や安本にどう思われているのかが気になってしまう。

しかしシャッターが切られる度に真田からは
「志乃さんいい感じだよ」

と褒められる。

真田に褒められると志乃の気持ちはフワフワと浮ついた。

真田の声は独特で、なんだか心にジーンと響く。

その声で指示をされたら、どれだけ恥ずかしくても真田の言いなりになって、どんなポーズでも取ってしまいそう。

———

「志乃ちゃん、どんどんポーズの取り方が上手くなってるわね、まだ始めたばかりなのに凄いわ。」

「本当ですか、ありがとうございます！真田さんにとても丁寧に教えて頂いているので。」

「うふふ、そうね、真田さんの指示に従っていれば志乃ちゃんならもっともっと上手くなれると思うわ。」

撮影後、いつものように志乃は衣装部屋で貴子と一緒にディスプレイで撮られた写真を確認しながら会話をしていた。

「この志乃ちゃんのお尻、プリっとして可愛いわね。」

「あ、これは……恥ずかしいです……。」

志乃がショートパンツでカメラにお尻を向けている写真がディスプレイに映ると、志乃は恥ずかしそうに顔を赤らめた。

すると貴子はそんな志乃を見てこう聞いてきた。

「この写真を撮られてる時、志乃ちゃんドキドキしたんじゃない？」

「そ、それは……」

「うふふ、撮影してる時の志乃ちゃんの表情を見たらすぐに分かったわ。志乃ちゃん今すっごくドキドキしてるな〜って。」

「……貴子さん……」

「志乃ちゃん、ドキドキをちゃんと楽しんでいるわね、その調子よ。」

貴子は優しく微笑みながら志乃にそう言ってきた。

志乃は貴子に心の中を全て見透かされているような気分になっていた。

カメラにお尻を向けながら、志乃が心の奥で本当は何を思っていたか……それさえもバレているような気がしてしまう。

そして貴子は続けてこう言ってきた。

「志乃ちゃん、次の衣装はもっとドキドキできるわよ。」

「そ、そうなんですか……？」

そんな会話をしていると、スタイリストのスタッフが次の衣装を持ってきた。

志乃はその衣装を見て、目を丸くした。

「これって……」

「うふふ、可愛いでしょ？」

「可愛い……ですけど……」

スタイリストが持ってきた衣装は、先ほどと同じでショートパンツコーデだった。

しかしショートパンツのデザインが先ほどとは違っていた。

そのショートパンツは生地が破れたようになっているダメージ入りのショートパンツだったのだ。

しかもダメージが入っている部分がかなり大きく破れているデザインで、これではきっと中に穿くパンツが見えてしまう。

「貴子さん、これ……でも……」

「うふふ、結構ダメージの部分が大きいから下着が見えちゃうか心配でしょ？でも大丈夫よ、下着もちゃんと用意してあるから。」

貴子がそう言うと、スタイリストがバックから下着を取り出し、志乃に見せた。

「え！？これ……」

それは志乃が今まで穿いたことがなかったTバックのパンツだった。