女子大生 水野果歩(69)

果歩 
「・・・・・・・はぁ・・・。」

監視台に座り、アクアブルーの水面を眺めながらため息をつく果歩。

土曜である今日も、果歩は満たされない思いに濛々とした気分でいた。

今日もいつも通り、変わらない様子だった冨田。

『今日は・・・嫌な事も全部忘れさせてやるよ・・・』

本当にあの日だけ、一晩だけの身体の関係。

それをお互いに承知の上でのSEXだった。

だからこそ、冨田は自分とは何もなかったかの様に振舞っているのだろうと、果歩は思っていた。

それなのに果歩はまだ何かを冨田に期待し、それを待っている。

何の根拠もないのに、どこかで冨田が突然自分のことをを抱きしめてくれるような気がした。

どんなに強引でもいい。

今の自分ならきっとどんな冨田の行為や要望も受け入れてしまうだろう。

・・・あの日、富田さんはどんな気持ちで私とエッチしたんだろう・・・

そんな事を頭に浮かべる果歩。

しかしその答えは何となくわかっていた。

冨田は自分の性欲を満たすためだけに、自分とSEXをしたんだと。

・・・きっと富田さんは私に対して恋愛感情なんてもってない・・・

・・・私とエッチしたかっただけなんだ・・・

でも・・・

でも・・・それでもいい・・・

・・・それでもいいから・・・もう一度・・・

今まで性行為は恋愛関係の延長線上にあると信じていた果歩。

恋人以外との性行為など、ふしだらな人間がする行為とさえ思っていた。

しかし、今の自分はその行為を我慢できないほど欲している。

また、裸で抱きしめられたい・・・

富田さんと・・・エッチしたいよ・・・

監視台の椅子に座り、下を向いて膝のうえで手を固く握りしめる果歩。

どうしたらいいのか分からなかった。

大人しくて恥ずかしがり屋の果歩の性格からして、富田に面と向かって抱いてくださいなどと言う事は不可能だった。

やりきれない思いが、果歩を苦しめていた。

冨田 
「果歩ちゃーん!おーい!果歩ちゃん!」

果歩 
「・・・・え?」

監視台の下から富田の声にハッとして気付いた果歩。

冨田 
「果歩ちゃん、ちょっと頼みたい仕事あるんだけどちょっと来てくれないか?」

果歩 
「は、はいっ。」

この一週間、頭の中のほとんどが冨田の事で埋まっていた果歩。

突然その冨田から声を掛けられた果歩は、少し動揺した様子で顔を赤らめながら監視台を降りていった。

なんだか冨田の低くて太い声を聞くだけで、果歩は身体が熱くなるのを感じた。

冨田 
「ちょっと、マッサージルームの掃除を頼みたいんだけどさ。」

果歩 
「掃除・・・ですか・・・。」

冨田 
「今日はマッサージの予約がないからさ、一気にやろうと思って。俺も手伝うからさ。」

果歩 
「・・・そうですか・・・じゃあ、あの、これ着替えてきます。」

冨田 
「あ、いいよいいよ水着のままで。面倒くさいだろ?」

果歩 
「ぇ・・・はい・・・。」

冨田 
「じゃあこの辺の物、整理整頓しといてくれるか?俺は床掃除するから。」

果歩 
「はい、わかりました。」

2人とも水着のうえにTシャツ一枚という姿で掃除を始めた。

黙々と仕事をするふたり、密室の中に2人っきりの状態になっても、冨田の様子は変わらない。

果歩は横目で床を掃除する富田の様子ををチラチラ見ていたが、何も言う事ができなかった。

果歩 
「・・・・・・・。」

冨田 
「果歩ちゃん。」

果歩 
「は、はいっ。」

冨田 
「俺ちょっとタオルを洗濯場に持ってくからさ、そのまま掃除続けといて。」

果歩 
「・・・・はい・・・。」

ガチャ・・・・

果歩 
「はぁ・・・・。」

部屋に1人になった果歩は手を止めてため息をついた。

そして少しじっとした後、再び掃除を始めた。

今はとにかく仕事に集中しないと・・・

そんな風に自分に言い聞かせながら果歩は手を動かした。

ガチャ・・・

しばらくして洗濯場から帰ってきた富田。

しかし、冨田は1人ではなかった。

ジャージ姿の男性が冨田の後ろにはいた。

一目でトレーニングを終えたお客さんだと果歩はわかった。

冨田 
「果歩ちゃん、ちょっとお客さんにマッサージ頼まれたからさ。果歩ちゃんはそのまま掃除続けてていいから。」

果歩 
「ぇ・・・富田さんがされるんですか?」

冨田 
「そうだよ?」

果歩 
「・・・わかりました。」

確かここにはマッサージ師もいると聞いていたが、富田もその仕事をするという事は果歩は初耳だった。

冨田 
「じゃあそこのベッドに仰向けに寝てくれますか?」

男性 
「あぁ~効くなぁ・・・・」

冨田 
「お客さんはここが特に凝ってますねぇ。」

果歩は掃除をしながらも、時折マッサージをする富田とそれを受ける客の様子を見ていた。

冨田のマッサージの腕は確かなものなのだろう。

男性客は実に気持ち良さそうな表情をしていた。

そんなお客の様子に、果歩は段々と羨ましさを感じ始める。

そして果歩の目はマッサージをする富田の手に向けられていた。

大きく分厚い手。

そして太くて長い指。

果歩の脳裏に、再びあの夜の事が思い出される。

グチャグチャグチャグチャ・・・・!!!

果歩 『アッアッアッアッ・・・!ハァゥンッ・・・ァ・・・アッ・・・!』

自分の秘部をグチャグチャと卑猥な音をあげながら掻きまわしたあの指。

あの蜜壷を刺激される感覚を思い出した果歩は下腹部がジンジンと疼くのを感じた。

冨田の手をじっと眺める果歩。

そんな事を考えていると、果歩の掃除をする手は自然と止まっていた。

冨田 
「はい、終りましたよ。」

男性 
「あ~なんか身体軽くなりましたよ、ありがとう。」

冨田 
「有難うございます。またいつでも言ってくださればやりますんで。」

男性 
「じゃあまた今度頼もうかな。あ~こりゃ癖になりそうだ。」

男性客はベッドから降りて身体を伸ばすと、満足そうな表情で部屋を出て行った。

冨田 
「ふぅ・・・。」

果歩 
「・・・ぁ・・・あの、すごいですね富田さん。」

果歩は、ベッドに敷かれたタオルを畳む冨田に後ろから声を掛けた。

冨田 
「え?」

果歩 
「あの・・・マッサージの仕事もなされるんですね、知りませんでした。」

冨田 
「あぁハハッ、一応そういう資格も持ってるからな。いつもはあんまりやらないけど、今日は予約入ってなくてマッサージ師が休みだったからね、特別に。」

果歩 
「資格も・・・そうなんですか。」

冨田 
「結構評判いいんだぜ俺のマッサージ。」

果歩 
「お客さん、気持ち良さそうでしたもんね。」

そんな風に言う果歩の表情を見ていた富田は、腕時計に目をやり少し考えた様子を見せた後、口を開いた。

冨田 
「ん~なんか時間余りそうだなぁ・・・果歩ちゃん、どこか身体凝ってるとことかある?」

果歩 
「ぇ・・・私・・・ですか?」

冨田 
「おぉ、時間余るし、よかったら無料でマッサージしてやろっか?今回は特別だけどな。」

果歩 
「え?・・・マッサージ・・・ですか・・・。」

冨田からの意外な提案に果歩は、驚き動揺した。

そして、自然と果歩は頭の中で冨田の手に身体を触れられる事を想像してしまう。

冨田 
「ハハッ、まぁ時間まで軽くだけどな。どうする?」

果歩 
「・・・・・・・。」

考えている様子の果歩を笑顔で見つめる富田。

そして頬をピンクに染めていた果歩の口がゆっくりと開く。

果歩 
「・・・・・・じゃあ・・・いいですか?」



コメント

  1. メンメン より:

    SECRET: 0
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    昨日は更新休んですみませんでした。

    これからも毎日更新を目標に頑張っていくのでよろしくお願いします。

  2. 匿名 より:

    SECRET: 1
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    今日も、更新無いのでしょうか?……

  3. メンメン より:

    SECRET: 0
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    そう・・・明日は日曜です(笑)

    まぁ果歩は今水着ですしねぇ

  4. 匿名 より:

    SECRET: 1
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    エッチに発展するのでしょうか…おとなしい果歩さんの気持ちを汲んで冨田さんが、リードしてねちっこく攻めればいいのに…で、果歩さんはそのままお泊り。どうせ明日は日曜日だし……

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