友哉
「・・・え?知子ちゃんも果歩と連絡取れないの?」
知子
「うん、だから友哉君に色々と確認したい事があったんだけど・・・。」
電話の向こうの知子の声は、とても果歩の事を心配している様子だった。
知子も果歩と連絡が取れていないという事を聞いて友哉は驚いた。
なぜなら果歩と知子は唯一無二の仲の良い親友だったからだ。
その知子とも果歩が連絡を絶っているという事態に、友哉は何か嫌な予感を感じた。
知子
「あのさ・・・友哉君、果歩とは今どうなってるの?」
友哉
「ぇ・・・いや、その・・・実は別れたんだ俺達、それで・・・俺も果歩とは連絡取れてないんだよ。」
知子
「そうだったんだぁ・・・やっぱり・・・。」
友哉
「やっぱり?」
知子
「・・・実はね、この前大学の友達と電話しててね、その子が言うには果歩最近大学にあんまり来てないらしいのよ。」
友哉
「大学に来てない・・・?」
知子
「うん・・それで、なんか・・・果歩に関して大学内で良くない噂も流れてるらしいのよ・・・。」
友哉
「良くない噂・・・それってどういう・・・」
知子
「・・・これ・・・友哉君には凄く言い難い事なんだけど・・・」
友哉は電話越しの知子の話を黙って聞いていた。
内容は友哉にとって耳を塞ぎたくなるような受け入れ難いものだった。
もし本当にあの果歩がそんな事になっているなら・・・いや、とても信じられない。
時々声を震わせながら話す知子は、電話の向こうで泣いているようだった。同じ女性として、親友として、果歩に関しての噂に心を痛めているのだろう。
しかし知子のその話を聞き、友哉は信じられないという思いを抱きながらも、最後にした果歩との電話の内容を思い出して、もしかしてその噂は事実なのかもしれないと考え始めてもいた。
あの時果歩は友哉と電話をしながら、他の男と性行為をしていた。まるで恋人である友哉に見せ付け聞かせるかの様に。
あの時点で、果歩は明らかに以前とは違っていた。
優しい果歩があんな事平気でできるはずがない。
知子
「・・・それでね・・・私、その相手の男の人って、たぶん富田さんって人だと思うの・・・。」
友哉
「富田・・・?」
知子
「果歩が新しく始めたバイト先のオーナーらしいんだけど・・・。」
果歩がその富田という男と関係を持ってしまった事までは知子も知っていた。
しかしそれは一時の関係で、もうすでに別れたものだと知子は思っていたらしい。そして友哉と果歩はよりを戻したと思っていたと。
あの電話以前から果歩がその富田という男と関係を持っていたという事実に友哉はショックを受けながらも、それでも何か胸に引っ掛かるものを感じていた。
・・・もしかして果歩は、その富田という男の良いように振り回されているのかもしれない・・・
知子
「・・・ねぇ・・・どうしよう、友哉君・・・果歩が・・・」
友哉
「・・・・・」
知子
「友哉君・・・果歩を見捨てないであげて・・・あの噂が本当なら、今頃果歩・・・1人で苦しんでるよ・・・」
友哉
「・・・・・」
果歩は浮気をしていた。遠距離恋愛で寂しい思いをさせてしまっていたとはいえ、果歩は恋人である自分を裏切っていたのだ。
だけど・・・
だけど・・・
友哉は果歩の事が心配だった。
友哉はまだ果歩の事を・・・。
今はもう果歩にとって自分は恋人でも何でもない。
果歩に会ったところで、自分には何もできないかもしれないし、何かを言う権利もないかもしれない。
だけど・・・もしその噂が本当なら・・・果歩をなんとか助けてあげたい・・・
友哉
「知子ちゃん・・・俺・・・果歩に会いに行ってくるよ。」
そして、友哉は日本に帰ってきた。
空港に着いた友哉は、そのままタクシーで果歩のアパートへと向かった。
会っても何を言っていいのかは分からない。
もしかして自分にとって辛い現実が待っているかもしれないし、男として惨めな思いをするだけかもしれない。
それでもとにかく果歩に会って、果歩の顔が見たかった。
・・・会ってみないと・・・分からないじゃないか・・・
友哉の中に存在する果歩は、まだあの笑顔の素敵な果歩のままだ。
あの時の果歩を、友哉はまだ諦めきれなかったのだ。
コメント
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初めましてこんにちは☆
コメントありがとうございます。
官能小説は寝る前に読むのがベストです(笑)
そうですねぇ…友哉のSEXには問題点がありますからねぇ、まだ若いですし(苦笑)
でもそれがこの物語の一番のポイントというか、本当に良いSEXってどういうモノなのかなっていうのがテーマだったりします。
作者の僕自身まだ人生経験未熟でその答えは分からないんですけど、小説の中では今の僕なりの結論に近いものを表現できたらなぁと思ってます。
OLさんのリクエストも多いですね。次次回作になるかはちょっと分からないんですけど、書きたいと思います。
嬉しいコメントありがとうございました。
水野果歩の完結まで頑張って、さらに新作も頑張ります!
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基本的にこちらでは、どの記事にコメント頂いてもすぐ把握できますので大丈夫ですよ。
一応こちらにも同じ返答コメントを書きますね。
わぁ、コメントありがとうございます。嬉しいです。
コメントはたぶん僕の返信コメントぐらいしか読めないですよね?
なぜか皆さんコメントに鍵を付ける流れが発生しているようで(笑)
皆も付けてるし、私も一応鍵付けようかなみたいな感じでしょうか。
皆さん本当に良い人達ばかりで、批判とかは一切なく、応援やアドバイスや感想を頂いてます。だから鍵は付けなくても問題無い内容だとは思うんですが…。まぁ付けても全然良いんですけどね。
そうですねぇ、僕もアヤメさんと同じでただ浮気したとかSEXしたとかだけの官能小説ではあまり感じません。やっぱりギャップ・意外性とか登場人物の内面が分からないと感情移入できないというか、興奮しません。
官能小説は相性が大切ですね。
意外と官能小説を読んでる女性多いみたいですね。書いてる人も多いですし。
大人のエネルギー…セックスかぁ…今の時代、性愛生活に不満を抱いている女性が多いっていうのをよく聞くんですが実際どうなんですかねぇ?男が情けないって事かなぁ。
そもそも良好な性愛関係ってどういうモノなんだろう?
そんな事考えながら官能小説を書いてます。
はい、最後まで頑張ります!
気持ちのこもったコメント、ありがとうございます。凄く嬉しかったです。
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再びアヤメです。
間違って、185話のところでコメントの投稿をしてしまいました。
開けて読んでくださいネ^^。
では。
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初めてコメントしますo(^-^)oドキドキ
いつも更新ありがとうございます☆
就寝前の楽しみにしてます。(笑)
あたしは友哉すきです
ラストは果歩とヨリを戻してほしいな~って思ってます
友哉と一緒になる方が幸せになれる気がします
いや、肉体的欲求には友哉じゃあ役不足か…(笑)
自分が果歩と同じ女子大生なので、自分とシンクロ?させて読んでました。
なので、果歩ちゃんが幸せになれれば、どんなラストでも嬉しいです。
ひそやかに応援してるので、頑張ってくださいねp(^^)q
最後に勝手に次次回作のリクエストしちゃいます。
メンメンさんの書くOLさんがヒロインの小説読みたいです(^0^)/
是非ともご検討ください。
ではでは、失礼します。