食卓に美味しそうなタイ料理が香る。
辛味と酸味の効いた旨みのあるスープ、トムヤムクン。魚介のすり身で作ったタイ風さつま揚げ、トートマンプラー。そして丁寧に作られた生春巻きと、パラパラに仕上がったチャーハン。
食卓に並んでいる料理達は実に彩り豊か。タイ料理は夫・祐二の大好物である。
今日は夫婦にとって何か特別な日という訳ではなかったが、明日は休日であったし、なんとなく香苗は祐二のために頑張ってみたのだ。
祐二
「ん……美味しい、香苗はまた腕を上げたね。これからは外にタイ料理を食べに行かなくてもよさそうだな。」
香苗
「フフッそう言ってもらえると頑張って作った甲斐があるわ。ねぇ祐二、生春巻きも食べてみてよ、今日初めて作ってみたんだけど、どうかな?」
祐二
「おぅ、綺麗にできてるな、どれどれ……ん、美味しい、美味しいよこれ、うん、凄い美味しい、大したもんだなぁ香苗。」
自分が作った料理を次々と口に運び美味しそうに食べる祐二の姿を見て、香苗は満面の笑みを浮かべていた。
心を込めて作った料理を、家族のために一生懸命働いてきた夫が美味しそうに食べてくれる。これ程幸せな事はないのではないか。
祐二
「あ、そうだ。なぁ香苗、明日久しぶりに休みだし、ちょっと2人で出掛けないか?ほら、前に香苗が行きたいって言ってた美術館あるだろ?あそこに連れて行ってやるよ。」
香苗
「わぁホントに?嬉しいなぁ。あ、でもいいの?たまの休みくらいゆっくりしたいんじゃない?身体も休めた方が……。」
祐二
「大丈夫だよ、香苗と出掛けた方が良い気分転換になるしな。それに俺もあの美術館行ってみたかったんだよ。有名な建築家が設計した美術館なんだろ?」
香苗
「うん、凄く綺麗な建物だよ。」
祐二
「へぇーじゃあ明日は楽しみだな。」
香苗
「フフッありがとね、祐二。」
夫婦生活は至って順調だった。
祐二は香苗に対してとても優しかったし、妻である香苗のため、いつか生まれてきてくれるであろう未来の家族のために毎日一生懸命に働いてくれている。
割かし若くして街中の高級マンションを購入し、2人はそこに住んでいる。仕事も人並み以上にできる祐二の収入は十分過ぎる程あって、香苗はそのお陰で働きに出る必要はなく、専業主婦として仕事で頑張る祐二をサポートする事だけに集中できた。
好きな人と結婚できて、何の問題もなく余裕のある生活を送れている。これはとても幸せな事。
香苗はそう思っていたし、この生活に十分な満足感を持っていたはずだった。
そう……はずだったのだ……あの男と出会うまでは……。
コメント
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新しい小説、とても楽しみです!
ですが。。新作の夫の名前が私の大好きなピースの綾部さんとかぶっていて。。
読むのに抵抗があります。。
もしかしたら。。この新作読めないかも。。
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コメントありがとうございます。
あ~そうですかぁ……名前は重要ですよねぇ……うーんどうしよう、ちょっと今から変更するのは厳しいかもしれません。もう結構書いちゃったんで……
頭の中で変換するのは難しいですよねぇ。
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新連載おめでとうございます。
果歩シリーズも大好きですが、こちらも期待しています。
更新を楽しみにしてますねぇ~。(*^o^*)
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新連載スタートで一日に2つも更新だなんて。
あちらこちらで女を泣かし続けるんですね。
精力絶倫、あやかりたいです。
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新作期待か期待してますぜ!
まさか富田と出会うストーリーじゃないよな(笑)
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ありがとうございます!
新作は水野果歩とはちょっと雰囲気の違う物語になるかもしれませんが、また濃厚な官能を感じさせれるように頑張りますね☆
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コメントありがとうございます。
新作、期待に応えられるように頑張ります。
まぁ果歩が完結するまでは新作の方は不定期での更新なんですが、あんまり焦らさないように努力します(笑)
最近は自分の中の性欲をコントロールしながら書けていますから、精力絶倫って事もないんですけどねぇ(笑)
逆に上手くコントールできない時は全然書けないんです。
こうキープっていうか…色々と我慢しないと男の場合官能小説は書けないですね、萎えてしまうと妄想できませんし。
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ありがとうございます!
期待に応えられるように一生懸命頑張ります。
富田さんは…これには出てこないかなぁ…たぶん(笑)
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読んでいたら突然、有料へ……
この作品は途中から有料です、と、最初に記載してくださいませ