官能小説 人妻 吉井香苗(6)

食事会当日、予定外の出来事が1つ起こった。

祐二が突然の仕事で食事会に参加できなくなったのだ。

祐二 
「仕方ないだろ?なんか現場でトラブルがあったらしいからさ、とりあえず行って来るよ。」

香苗 
「ん~……残念ね。ねぇ祐二、何時頃に帰って来れそうなの?」

祐二 
「どうかな、今は何とも言えないよ、現場に行って直接状況を確認しないと。」

香苗 
「そっかぁ……気をつけて行ってきてね。」

祐二 
「あぁ、恭子さんとその彼氏さんにも宜しく言っておいてくれ。」

玄関で仕事に出る祐二を見送り、香苗はキッチンに戻った。
食事会で持っていく料理を作っていた香苗。今日のは特別に力を入れていたようだ。

香苗 
「祐二ったら、よりによってこんな日に仕事が入るなんて…。」

料理の中には祐二の大好物である唐揚げの南蛮風もある。

香苗 
「祐二が来ないなら絶対作り過ぎよね、これ…。」

ため息混じりにそう呟いた香苗だが、料理の出来栄えには満足しているようだ。
祐二が来れないのは残念だが、夜の食事会が楽しみである事には変りはなかった。

恭子 
「あっ香苗さん、どうぞ上がってください。」

夕方、料理の準備を終えた香苗は、服を着替え身形を整えてから隣の恭子の部屋を訪れた。
隣人の部屋とはいえ、あまりラフ過ぎる格好では行けない。特に今日は恭子の彼氏とも初めて顔を会わせる訳なのだから。

香苗 
「うん、料理作ったからそっちに運んでいいかな?」

恭子 
「わぁありがとうございます。私も運ぶの手伝います。」

皿に盛られた彩り豊かな香苗の手料理が、恭子の部屋のテーブルに並べられていく。

恭子 
「やっぱり香苗さんの料理ってプロ級ですね、どれも本当に美味しそう。」

香苗 
「フフッそんな事はないけど、今日はいつもより張り切っちゃった。」

恭子 
「英治はさっきメールでもうすぐ着くって言ってましたから、きっとこんな豪華な料理見たら驚きます。」

恭子のその言葉を聞いて、香苗は祐二の事を思い出す。

香苗 
「あ、そうだ!実はね恭子さん、うちの祐二が急な仕事で来れなくなっちゃったのよぉ。」

恭子 
「え?そうなんですか?それは残念ですね……。」

そう言って本当に残念そうな顔をする恭子。そんな恭子の表情を見て、香苗はそれをフォローするように口を開く。

香苗 
「でもまぁお隣だしね、またいつでも出来るわ。それより、恭子さんも何か作っていたの?美味しそうな匂いがするけど。」

恭子 
「えっとぉ……簡単なおつまみを。私料理は得意ではないので、そのかわりに美味しいお酒用意しましたよ、香苗さんも今日は飲みましょう。」

香苗 
「え~そうなんだぁありがとう、じゃあ今日は祐二もいないし、久しぶりにしっかり飲んじゃおうかなぁ、フフッ。」

2人がそんな会話をしていると、インターホンの音が鳴る。

それを聞いた瞬間、2人の表情は笑顔になった。

恭子 
「あっ、きっと英治です。」

香苗 
「う、うん……。」

恭子はそう言って玄関へ向かう。

香苗は嬉しそうでもあったが、やはり少し緊張気味でもあった。

別に初対面とはいえそれ程緊張するような事ではないと香苗自身思っているのだが、それでも何故か香苗の鼓動は速くなっていたのだった。
その理由は自分自身でも分からない。

でも、もしかしてそれは結婚してからは新しい出会い、それも男性との新しい出会いというのを香苗が経験していなかったからかもしれない。

特に親しい男友達はいない香苗。夫以外の男性との新たな出会いに対して、無意識の内に過剰に気を使ってしまっているのかもしれない。

もちろんそれは、独身の時のような異姓に対する感情とは違う。香苗はもう結婚しており、祐二の妻であるのだから。

香苗 
「……ふぅ……」

……緊張なんてする事ないわよ……

そう香苗は無意味に緊張している自分自身に言い聞かせて、恭子の彼氏に笑顔で挨拶できるように心構えた。

中嶋 
「おいおい恭子お前、こんな良いマンションに住んでるのかよぉ!」

リビングで1人立ち竦んでいる香苗に、玄関の方から恭子の彼氏と思われる男性の大きな声が聞こえてくる。

中嶋 
「さすがトミタで働いてるだけあるなぁ!……で?もう来てるのかよ?お前が言ってた隣の人妻って。」

香苗 
「……。」

……人妻……

玄関の方から聞こえてきたその言葉。

きっと私の事を言っているのだろうと香苗は思ったが、同時に自分が人妻と呼ばれている事に違和感を感じた。

いや、結婚していて人妻である事には違いはないのだが、何となく他人から自分がそんな代名詞で呼ばれた事なんて今までないから違和感を感じたのだ。

中嶋 
「ハハッ!お?なんかすっげぇ美味そうな匂いすんじゃねぇか。」

そんな男性の声と、廊下を歩く足音が徐々に近づいてくる。

それに比例するように、香苗の鼓動も速くなって行く。

ドキドキドキドキ……

……ガチャッ!

リビングのドアが開き、そしてその男は入ってきた。

中嶋 
「あ!どうもぉ!」

香苗 
「え?あ……こ、こんばんは……」



コメント

  1. ★中川翔子 パソチラ放送事.故 より:

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    ★中川翔子 パソチラ放送事.故

    中川翔子がパソチラ放送事.故を起こしました

    http://hmdnwl2.cocolog-nifty.com/blog/

    片足をあげたときに白のワンピのスカートの中からパソツが丸見えの状態に・・・。このパソチラは覚悟の上だったのでしょうか

    http://hmdnwl2.cocolog-nifty.com/blog/

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