官能小説 人妻 吉井香苗(7)

香苗は目の前の男の容姿を見て意外に思っていた。

礼儀正しく優しい恭子の彼氏という事で、真面目で爽やかな男性の姿を勝手に想像していた香苗。

今目の前にいる男性は、程よく焼けた小麦肌で体格も大きく、良く言えば男らしい感じもするが、香苗が想像していた真面目な会社員風の男性とは全く違う。
どちらかといえば活発な印象というか、悪く言うと若干チャラチャラしてそうな感じがした。

顔も整っているし、こういうタイプが好きな人には人気があるだろうなぁと香苗は思ったが、あの恭子がこういったタイプを好んでいたとは少々驚きであった。

中嶋 
「いや~初めまして中嶋です。」

香苗 
「あ……は、初めまして、隣の吉井です。」

話し方も良く言えば社交的、悪く言えば軽そうな印象である。
しかし決して香苗の中で中嶋の第一印象が凄く悪い訳ではない。
人を見た目で判断してはいけないという事を、香苗は心得ているつもりだった。

恭子 
「フフッ香苗さん、なんか意外ってお顔されてますね。」

中嶋の後から部屋に戻ってきた恭子は笑顔でそう言った。

香苗 
「え?別にそんな事ないけど……あ~でもちょっと正直に言うと予想外ではあるかも。」

片手を頬に当てながら言う香苗。
女性2人が顔を見合わせながら笑っているのを、中嶋は何の事だか分からないといった様子で見ている。

中嶋 
「え~なになに?俺の事?」

恭子 
「うん。香苗さんはきっともっと違う感じの男性を予想してたんですよね?」

香苗 
「う、うん…まぁね。」

中嶋 
「へぇ~そっかぁ、どんな男だと想像してたんです?」

香苗 
「え~っと……ん~もっとこう、真面目でお堅い感じかなぁって。」

中嶋 
「え!?いやいやいや!俺超真面目ですって!え?真面目に見えないですか?」

香苗の言葉にオーバーとも言えるような大声で反応する中嶋。
そんな中嶋の反応を見て恭子はクスクス笑っている。

恭子 
「見えない見えない、英治は絶対そんな風には見えなわよ。ですよねぇ?香苗さん。」

香苗 
「フフッ、ちょっとね。」

中嶋が来てからの恭子の表情はとても明るかった。
きっとこの中嶋という男を本当に好いているのだろう。
それを見ていて香苗はなんだか微笑ましかった。

中嶋 
「うわぁマジかよぉ、俺そんな印象かよぉ……でもまぁ、俺も意外だったけどな、恭子がこんな綺麗な奥さんと友達になってるなんてよ。」

中嶋はそう言ってニヤニヤと笑みを浮かべながら香苗の顔を見た。

香苗 
「ぇ……そ、そんな事……。」

急に綺麗な奥さんなどと言われて、少し恥ずかしがる香苗。

恭子 
「ダメよ英治、香苗さんには祐二さんっていう素敵な旦那様がいるんだから。」

中嶋 
「わかってるって、別にそんな意味で言ってねぇし。まぁでも、奥さん普通にモテるでしょ?だってマジで美人だし。」

香苗 
「え~全然そんな事ないですよぉ、ホントに。」

香苗はそう謙遜しながら、頭の中できっと中嶋さんは色んな女性に同じような事を言っているだろうなぁと思っていた。
それは中嶋の話し方や態度が、女性の扱いに慣れているような感じがしたからだ。
まだ会って数分だが、香苗にはそれがなんとなく分かった。

そして香苗はこうも思っていた。

……祐二とは全く逆のタイプだなぁ……と。

香苗が初めて出会った頃の祐二は、女性の前では眼を見てまともに話もできないような、そんなちょっと頼りない男だった。

友達から始まって1年くらいで、ようやく何の気なしに話せるようになり、その頃から2人の関係は徐々に近づいていき、そして結局出会ってから1年半後に香苗と祐二は付き合い始めたのだ。

香苗にとっては人生で2人目の恋人だったが、祐二にとっては香苗が初めてできた恋人だったらしい。

そんな初々しい祐二が少し香苗の母性本能をくすぐられるようでもあったし、同時に香苗よりも勉強も仕事もできる祐二が凄く頼もしくもあった。

そして大した問題もなく数年の付き合いの後、2人はごく自然な流れで結婚に至ったのだ。

中嶋 
「いやぁマジで旦那さんが羨ましいですよ、こんな綺麗な奥さんがいるなんて。」

香苗 
「そんな……お世辞言い過ぎですよ。それに恭子さんなんてもっとスッゴイ美人じゃないですか。」

祐二は初めて会った女性にこんな事は絶対に言えない。

中嶋の言葉を聞きながら、やっぱり全然違うタイプだと香苗は思っていた。

それがこの日、香苗が初めて出会った中嶋に対する第一印象だった。

コメント

  1. ゆう より:

    SECRET: 1
    PASS: 03f60a179388821228ed62cd11e62dfc
    はじめまして。前の小説から読むようになりました。

    ここ一ヶ月ほどは世の中が目まぐるしく変わって、自分の感覚というか人生感とか感性とかそういうものが変わったというより抜け落ちてしまった気がします。

    とはいえ、やはり生きていればSexしたいと思い、したら気持ちよくて、もっとしたくなる…
    そういう欲求はつつくとどんどん溢れてくるんだなと感じます。

    続けて書くことって難しいと思います。
    が、続けて読むのは全く苦じゃないんですよね…^^
    メンメンさんの書く欲求が溢れてくるといいなと思っています。

  2. メンメン より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます。

    一度始動すると言っておいて無責任に放置してしまってすみません。
    先週一度、あっ書ける!と思って始めたんですけど、すぐに詰まってしまいまいた。

    パソコンには毎日向かっているんですけど、なかなか…欲求が出てこないというか…。

    でもなんとか近く始めたいとは思ってます。

    励ましの言葉ありがとうございました。

  3. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    焦らず、気負わず、一休みしながら……ゆっくり気長に待ってますので…

    放置プレイもたまにはイイじゃん!

  4. カレン より:

    SECRET: 1
    PASS: e714a7f48e3a6290562f423941105224
    ご無沙汰しています。
    気長に待っています。

  5. まゆ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    もう新しい小説に切り替えた方が良いのではないですか?

  6. メンメン より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    励ましの言葉ありがとうございます。

    今日から再再スタートしました。今度こそ、気合入れてやりたいと思います。

  7. メンメン より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます。

    カレンさんお久しぶりです☆

    またまた休んでしまってごめんなさい。
    またボチボチ更新していきたいと思っていますのでよろしくお願いします。

  8. メンメン より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます。

    しばらく放置状態ですみませんでした。

    途中別の物語を書く事も考えたんですけど、結局今日再スタートする事にしました。

    なるべく更新途切れないように頑張りたいと思います。

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました