その日から、スーツの男性は志乃が働いているカフェに週に2回から3回程来るようになった。
その度に男性の接客を志乃がする事になり、志乃は日を追うごとに男性に惹かれていくようになっていった。
と言っても、大した会話をした訳ではなく、あくまで客と店員としてのやり取りしかしていない。
それなのになぜか、志乃はその男性の事ばかり考えてしまうようになっていた。
「やっぱり素敵だなぁ、あの人……」
コーヒーを持って行くといつも見せてもらえるあの男性の優しい笑顔を思い出しながら、志乃は自室のベッドに寝転がっていた。
最近はいつも、寝る前にあの人の事を考えてしまう。
どうしてこんなにもあの人の事が気になってしまうのだろう。
恋愛をした事がないから、今のこの自分の気持ちが何なのか分からない。
それに、あんなに年上の男性なのに。
やっぱり、あの人の雰囲気が真田さんに似てるからなのかな。
志乃が愛読している官能小説《露出奴隷 愛美》は、真田との対面からさらに話は先に進んでいた。
実は真田がモデルの会社の社長で、愛美はカフェで真田に
「モデルの仕事をしてみませんか」
とスカウトされる。
名刺を渡され、男性の名前が〝真田〟である事に驚きながらも、愛美はまさかその真田が、いつもネットを通じて自分に露出命令を出している真田本人だとは夢にも思っていなかった。
モデルのスカウトに応じた愛美は、後日真田の会社が運営しているスタジオへ招待され、モデルのアルバイトを始めた。
最初はごく普通のファッション系の撮影だったが、徐々に肌の露出が多い服の撮影が増えていき、ついには水着の撮影まで求められてしまう。
しかし愛美は恥じらいながらもその撮影に応じていく。
そしてやがて、写真を撮られる事に対して性的興奮を感じ始める愛美。
もちろんそうなるように仕向けているのは真田だ。
真田が愛美をじっくりと露出奴隷として調教をしていく描写が、読者の興奮を誘う展開になっていた。
寝る前に更新された官能小説を読み終えた志乃は、再びベッドに寝転がって読後の余韻に浸っていた。
いつも官能小説を読んだ後は身体が火照ってなかなか治らない。
アソコが濡れてしまっているのが分かって、ムズムズして眠れない。
——今日もしちゃおうかな……——
ベッドの上で腰を浮かせて下の部屋着とパンツを脱ぎ、下半身裸の姿になる志乃。
そして温かい布団の中でこっそりとオナニーを始める志乃。
濡れたアソコに指を添え、愛液をクチュクチュと鳴らしながら刺激する。
愛美を真似てする露出ごっこも好きだけど、オナニーは気持ち良いからもっと好き。
「ん……ハァ……ぁ……ハァ……ん……」
愛美もオナニーのシーンが多いから、志乃は共感ばかりしてしまう。
愛美は毎回モデルの撮影の後、アパートの部屋に戻ってオナニーをしていると小説に書いてあった。
撮影スタジオでの興奮を持ち帰ってするオナニーは格別なんだろうと思う。
羨ましい……。
そんな事を思いながら、志乃はその日も眠たくなるまでオナニーを続けた。
しかしその数日後、現実世界でまたも信じられないような事が起き、志乃は驚く事になる。
※
それはいつものようにカフェにやってきた例のスーツの男性に、志乃がコーヒーを持っていった時の事だった。
「いつもありがとう。」
コーヒーを持ってきた志乃に、男性は笑顔で話しかけてきた。
〝いつもありがとう〟だなんてその男性に初めて言われた志乃は、顔を赤くして
「えっ?い、いえ!こちらこそいつもご利用頂きありがとうございます!」
と答えた。
すると男性は続けてこう話しかけてきた。
「君、お名前は?」
「え……あ、えっと……小松……です。」
「小松さん、下のお名前は?」
「……志乃です。」
「小松志乃さんか、良い名前ですね。」
「あ、ありがとうございます……」
突然名前を聞かれ、いつも以上に緊張してしまう志乃。
——でも話しかけてもらえて嬉しい——
志乃のウブな乙女心がドキドキと高鳴る。
しかし男性の次の言葉で、志乃は驚愕する。
「実は今日は小松さんにお願いがあってここへ来たんですよ。」
「え?私にですか……?」
「はい。実は私、モデルの会社をやっていまして。」
そう言って男性は名刺を取り出し差し出してきた。
志乃は目を丸くした。
「唐突なんですが、もしよろしければ、うちに来てモデルの仕事をしてくれませんか?」
コメント
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ああああ続きが気になり過ぎます…!!!
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真弓のときもそうでしたが、挿入にいたるまでの描写が好きです。
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> ああああ続きが気になり過ぎます…!!!
期待に応えられるように頑張りますね!
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> 真弓のときもそうでしたが、挿入にいたるまでの描写が好きです。
コメントありがとうございます。
私もその部分が一番力を入れて書いているので、そう言って頂けると嬉しいです。
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いろんな伏線がどう回収されていくのか
楽しみしかない
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コメントありがとうございます。
完成度高められるようにしっかりエロく書いていきたいと思います。