痴女子大生 志乃(26)

 


「この服……ですか……?」


「そうよ、夏に向けた新しい商品なの、志乃ちゃんにもとても似合うと思うわ。」

次の週、撮影で用意された衣装を見て、志乃は固まっていた。

肩やデコルテラインを大きく露出するオフショルダーのシャツに、かなり丈の短いミニスカート。

貴子には似合うと言われたが、志乃はここまで露出が多い服を着た事がなかった。

確かに夏になればこれくらいの服を着ている人は街中で見かける事はある。

しかし、今までの撮影で用意されていた落ち着いたデザインの服達とは方向性が全く違うコーディネートだ。


「なんていうか、大胆な洋服ですね……」


「着るのが恥ずかしい?」


「ちょっと……そうですね、私こういうのはあんまり着た事がなくて。」


「大丈夫よ、志乃ちゃんならしっかり着こなせるから。」


「……そうですかね……」

志乃がその衣装を着る事を躊躇していると、そこへ真田がやってきた。


「志乃さんどうしました?」


「真田さん……あの……」


「志乃ちゃんこの洋服を着るのが少し恥ずかしいみたいなの。」


「あーそういう事か。志乃さん、少し肌の露出が多く見えるかもしれませんが、大丈夫ですよ、志乃さんのポテンシャルならこういったコーディネートでもしっかり着こなせますから。」


「……でも……」


「実はこのコーデはスタッフに私が勧めたものでね、志乃さんには積極的に肌を見せる服を着させたいと言ったんだ。」


「えっ、真田さんが……?」


「志乃ちゃんは肌が本当に綺麗だものね、モデルとしてはその武器を使わない手はないわよね。」


「そう、志乃さんの魅力を存分に発揮させる事ができる服、そして志乃さんが着る事によってその服も何倍にも輝く。
そう思ってこの服を選んだんだ。
先週話しましたよね?撮影のレベルを上げるって。
レベルの高い撮影をするためには、志乃さんにもモデルとして成長してもらいたいんだ。そのためには自分の武器を知ってもらいたいんです。」


「真田さん……」

志乃に説明する真田の目は真剣そのものだった。

真田とスタッフが真面目に話し合って考えたコーディネートだ。

これを恥ずかしいなどという浅い理由で断るのは、寧ろ失礼になってしまう。


「志乃ちゃん、とにかく一度着てみたら?」


「は、はい……そうします。すみません、恥ずかしいだなんて幼稚な事を言って。」


「いいんですよ、私もアルバイトの子に無茶振りしているのは分かってます。
ただ志乃さんがあまりにもモデルとしてのポテンシャルが高いので、どうしても難しい事も要求したくなってしまう。許してください。」


「そんな……こんな私で良ければ、できる限り頑張らせてもらいます。」


「志乃さん、ありがとう。じゃあスタジオで待っているよ。」


「はいっ」

———

——わぁ……どうしよう……この服やっぱり恥ずかしいよぉ——

試着室でオフショルダーのシャツとミニスカートを着た志乃は、目の前の鏡に映る自分の姿を見ながら顔を赤くしていた。

胸の谷間はギリギリ見えないが、肩やデコルテラインを大きく露出し、下のミニスカートも穿いてみると思った以上に丈が短く下着がギリギリ見えないくらいの短さだった。

肌が白い志乃の肩や生足が露出し、かなりセクシーな印象のコーデだ。

真田にはあんな返事をしてしまったが、やっぱりこの格好で真田やカメラの前に立つのはかなり恥ずかしい。


「志乃ちゃんどう?あら!やっぱり凄く似合ってるじゃない!」


「ほ、本当ですか?」


「うん、本当よ、とっても爽やかで可愛いわ。」


「……。」

ミニスカートの裾を手で触りながら恥ずかしそうにモジモジする志乃。


「自信を持って志乃ちゃん。さぁ、真田さんが待っているわ。」


「……は、はい……」

貴子にそう言われ、志乃は羞恥心と葛藤しつつも、真田の真剣な表情を想いながら、その露出度の高い服装でスタジオへ向かった。

——真田さんの期待に応えなきゃ……これくらいの事は頑張らないと……——

しかしスタジオに向かう途中、志乃は胸がドキドキして堪らなかった。

いくら真田の期待に応えたくても恥ずかしいものは恥ずかしい。

——やだ……私絶対顔が真っ赤になっちゃってる……落ち着かなきゃ……——

しかしそう思いながらも、志乃は考えてはいけない事を考え始めてしまう。

——あ……このドキドキ……あの時と同じ感じ……——

赤くなった自分の頬っぺたを手で触りながら、志乃は以前官能小説に出てくる愛美の真似をし、スカートを短くして大学に登校した時の事を思い出していた。

今履いているスカートはあの時よりもさらに短い。

下半身がスースーして、下着が見えてしまうのではないかと心許ない。

でも、このドキドキ感はあの時の気持ちに似ている。

官能小説に出てくる真田という男の命令に従って、露出プレイをしていた時のあの気持ちに。

——ダメよ!私ったらこんなところで何を考えてるの……今はモデルの仕事に集中しなきゃ……——

志乃は顔を横に振って余計な事を考えてしまう自分を頭の中から取り払おうとする。

そして、そうこうしながら志乃はスタジオに到着した。

コメント

  1. 名無し より:

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    あぁ、、どんどん罠にハマっていく、、、
    たまんないですね

    連日の更新ありがとうございます!

  2. なか より:

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    テンポの良い更新ありがとうございます。

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