千佳
「ふぅ……さっぱりした。」
お風呂から上がった千佳は、濡れた髪の毛をタオルで拭きながらベッドの上に腰を下ろした。
ここは千佳が大学に入って一人暮らしを始めてから3年以上住んでいるアパート。
部屋の中は決して広くはないものの、女の子らしく綺麗に整頓されている。
1Kの平凡なアパートだが、千佳はこの部屋を気に入っていた。
部屋に友達を呼んで飲み会をしたり、時にはお悩み相談なんかもしながらいっしょに泣いたり笑ったり。
ここには千佳の大学生活の思い出が詰まっているのだ。
ここに住んでいられるのもあと数ヶ月。そう考えると少し寂しいような気がする。
しかし、千佳にとっての青春の大学生活は続いているのであって、まだ終わってはいない。
それどころか今日千佳は、その大学生活の中でも一番心を掻き乱されるような出来事に直面したのだから。
千佳
「……。」
髪にドライヤーを掛け終えた千佳はベッドの上に寝転がり、天井を見つめながら自分の胸の膨らみにそっと手を当てた。
まだ残ってる。
康介の手に触られたあの感覚が、まだ残ってる。
大きな手だった。
女性の手とは違う、少し日焼けしたような色の男らしい手。
それが自分の乳房をイヤらしく揉んできた。
ただの〝揉む〟ではない。あれは女を感じさせようとする揉み方だった。
激しくしたり優しくしたり、乳首を摘んできたり。
次々に康介の手から自分の体内に熱が送られてくるような感覚が続いて、すぐに身体が火照り、力が入らなくなってしまった。
それはつまり、正直に言えば、気持ち良かったという事だ。
千佳は高校生の康介相手に性的快感を感じていたのだ。
それも今まで感じた事がない程の快感を。
自分が胸を触られただけであんな声を漏らしてしまうなんて思わなかった。
前の恋人が相手の時はそんな風にならなかったのに。
康介の手つきは、まるで女性の身体を知り尽くしているかのような動きをしていた。
きっと女性の身体を触るのは初めてではないのだろう。
いや、それどころか随分と慣れているような印象だった。
ずっと切羽詰った状態だった千佳に対して、康介の態度は落ち着いていたというか、余裕が感じられた。
それは自分よりもずっと年上の男性に相手をされているかのような錯覚を覚える程。
あの時間だけ、康介は大人の男性だった。
そしてその大人の男性の腕の中は、とても心地が良かった。
もちろん緊張や恥ずかしさもあったが、それ以上に何か心のどこかで〝安心〟というものを感じている自分がいたのだ。
康介の体温、匂い。今でもすぐに思い出せる。
千佳
「ハァ……」
寝ていた身体をゴロンと横に向け、枕を抱き締める千佳。
千佳
「……私……」
高校生相手に何をしているんだろうと自問自答する。
康介君はまだ高校生なのに。
しかも恋人でもないのに、あんな事……。
ううん、高校生と大学生が恋愛をしてはいけないなんて事はないかもしれないけど。
でもこれって恋なのかな……。
分からないよ。
私は来年から社会人。康介君は来年もまだ高校生。
無理だよ……絶対無理無理。
そんな考えがグルグルと頭を駆け巡る。
千佳
「……康介君……」
もう一度自分の胸に手を当てる千佳。
胸が高鳴っているのを手で感じながら、自分で自分の胸を揉んでみる。
康介にされたのを思い出しながら。
そして片方の手を下半身に持っていき、スッと下着の中にいれる。
……濡れてる……
康介に対する気持ちが混乱する一方で、千佳の頭の中はすっかりピンク色に染まっていたのだ。
ずっと触りたかった。
いつものように駅まで送ってもらって、改札口で康介と別れてからずっと。
康介の事を思いながら、ここを刺激したいとずっと思っていた。
胸を触られて、火照ってしまった身体を早く慰めたかった。
着ている物を全て脱いで裸になり、本格的に自慰行為を始める千佳。
千佳
「ああ……康介君……ハァ……」
この夜、千佳は何度康介の名前を呼んだだろうか。
名前を呼ぶ度に、解れた女の割れ目から溢れた愛液は、ベッドのシーツに染みを作っていた。
コメント