家庭教師 小森千佳(31)

やっと身体の熱が冷め始め、意識がはっきりと戻ってきた頃には、隣に康介の姿は無かった。

シャワーの音が微かに聞こえるから、きっと浴室に行っているのだろう。

スーッと息を吸うと、アロマキャンドルの香りがまだする。

最初は新鮮に感じたその香りも、今はもう自分の身体の中にまですっかり染み込んでいるようで、少しくどく感じてしまう。

ベッドからゆっくりと身体を起こす千佳。

すると胸の辺りに付着していた白濁液が、ドロリと脇腹の方へと流れていく。

千佳はそれを見て、シーツが汚れないようにと慌ててティッシュを取り、拭き取った。

千佳 
「……。」

……私……しちゃったんだ……康介君と……

見慣れない大きなベッドの上に、生まれたままの姿で居る自分。

それがなんだか、まだ信じられなかった。

そっと下腹部に手を当てる。

康介と繋がっていた時の余韻が、まだ残っている。

凄かった。

あんなの初めて。

あれ程男性の前で乱れてしまったのは初めてだったし、気が遠くなる程気持ちよくなってしまったのも初めてだった。

いや、気持ちが良いという言葉で表現するべきではないのかもしれない。

これが快感。これが快楽。

千佳は知ってしまった。

いや、千佳は高校生の康介に教えられてしまったのだ。

〝女の悦び〟というものを。

千佳 
「……私……」

千佳は、ベッドの上で蹲るように膝を抱えて座り、一言だけそう呟いた。

康介 
「あれ、起きてたんだ。」

康介がバスタオル一枚を腰に巻いて浴室から出てきた。

それに気付いた千佳はすぐにシーツで自分の裸体を隠そうとする。

康介 
「シャワー浴びる?ていうか浴びた方が良いよ、さっぱりするから。」

千佳 
「ぇ……う、うん……」

相変わらず逞しい康介の肉体。

こうやって少し離れた場所から見てもよく分かる。

女である千佳が、思わず見惚れてしまうような身体。

引き締まった筋肉に、触れたくなるような綺麗な肌。

さっきまでこの身体に抱かれていたんだ。

正直、康介の裸姿を見ただけでもアソコが熱くなってしまいそうだ。

千佳 
「……ふぅ……」

少し熱めのシャワーが、身体に付いたボディソープの泡を流していく。

何だか汗や匂いが取れたら、激しいSEXで少しだけ溜まっていた疲れも、同時に取れたような感じがした。

今度から、家庭教師の仕事はどうしたら良いんだろうか。

相手がどうと言うよりも、自分が康介に今まで通り勉強を教える自信がなかった。

生徒と関係を持ってしまう家庭教師なんて、失格よね……。

そんな考えが、千佳の頭を過ぎる。

ボーっと足元に流れるシャワーのお湯を見つめていた千佳。

すると、ガチャっと浴室の扉が開く音が聞こえた。

千佳 
「え?……キャッ!」

千佳が少し驚いたように後ろに振り返ると、そこには案の定、裸姿の康介が立っていた。

康介 
「へへ、来ちゃったよ。」

千佳 
「き、来ちゃって、な、なんで……ヤダ……」

突然康介が浴室に入って来て、反射的に両腕で身体を隠そうとする千佳。

思ってもみなかった事態に、千佳の顔は真っ赤だった。

康介 
「今更恥ずかしがる必要ないだろ?さっきまで裸で抱き合ってたのに。」

千佳 
「……そ、そうだけど……」

康介 
「千佳先生、洗いっこしようよ。ほら、シャワーかして。俺が流してあげるから。」

千佳 
「ちょ、ちょっと……いいよ自分でするから。それに康介君、もうさっきシャワー浴びたんじゃないの?」

康介 
「いいからいいから。ほら、ここまだ泡付いてるよ。」

そう言いながら、康介の手が千佳の肌に触れる。

康介は身体が密着しそうなくらい近くに寄ってきた。

強引だけど、こんな事されたら、今の千佳にはもう拒む事はできなかった。

なぜなら、すでに千佳の目と心は康介という男の存在に魅了されてしまっていたのだから。

康介に求められると、それに応じたくなってしまう自分が居たのだ。

それに、まだ康介を求めている自分も確かに居た。

……もっと……もっと康介君と……

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