理系女子 結さん(4)

結も湯船に入ると、背中を向けている砂上に、結はこう話しかけた。


「すみませんでした、いつの間にか寝ちゃって……」


「いや、海で泳いだりして疲れてましたよね、お酒も飲みましたし。」


「イヤじゃなかったですか?」


「え!?嫌って、何がですか?」


「私が一人で寝てしまって。」


「そ、それは……仕方ないんじゃないでしょうか、眠気はなかなか我慢できませんから。」


「……」


「私は……自分が寝ちゃってイヤでした。」


「え……」


「せっかくこんな素敵なお部屋を取ってもらって、一緒に過ごす時間を楽しみにしていたはずなのに、ひとりで勝手に寝てしまって……」


「結さん……」


「目が覚めたら砂上さんがいなくて……寂しかったです……だから……」

結が素直な気持ちでそう言うと、砂上はそれに対して意外な言葉を返してきた。


「結さん!今のはちょっと……ヤバいです……可愛過ぎます。」

砂上に〝可愛すぎます〟と言われ、顔がポッと赤くなる結。

そしてそんな優し過ぎる砂上を見て、心の奥から溢れてきた気持ちが我慢できなくなる結。


「私……砂上さんにこの旅行で言おうと思ってきた事があって。」


「え……何ですか?」


「こちらを……向いてもらっていいですか?」


「い、いいんですか?」

背中を向けてくれていた砂上が、結の方を向いた。

そして結は砂上の顔を見ながら、こう言葉を送った。


「好きです。砂上さんのこと……私も好きです。」

初めて結の方からの告白。

砂上に告白され、返事をした時は
「よろしくお願いします」

と言っただけだった。

しっかりと結の方から〝好きです〟と返事をしたのはこれが初めて。

結はその言葉を、ちゃんと砂上に伝えたかったのだ。


「結さん……」

結の言葉を聞いた砂上は、お風呂の中で裸の結を抱きしめてきた。

結もそれに応えるようにして砂上の背中に腕を回し抱きしめ返した。

結の柔らかな乳房が、砂上の胸板にムニュっと押し付けられる。


「結さん……嬉しいです。」

砂上がそう言うと、二人は見つめ合い、そのままキスをした。

唇と唇が重なるキス。

やがて舌も絡めるディープなキスになる。

裸で抱き合いながらする大人なキスに、結の身体が熱くなる。


「砂上さん……」


「結さん……布団の方へ行きましょうか。」


「……ハイ。」

そしてその夜、二人は初めてセックスをした。

砂上は不慣れな様子だったが、優しくリードしてくれた。

布団の中で裸で抱き合い、キスを重ね、肌を触れ合う。

砂上に胸やアソコを愛撫され、結は自然と濡れた。

男の人に触ってもらうのは、凄く気持ち良かった。

そして、いよいよコンドームを使うことに……。

結はこの日のためにコンドームを用意してきていた。


「あの……私、コンドーム……持ってきてますけど……」

すると砂上は笑顔を見せて、布団の下に隠しておいたコンドームを取り出して結に見せてきた。


「自分も……です。」

お互いにコンドームを用意してきているなんて、コンドームを作る会社で働く二人らしい話だと、少し笑い合った。

そして結はここで、かねてから持っていた願望を叶えるために、思い切って砂上にこう提案した。


「砂上さん……私が着けてもいいですか?」


砂上にとってはそれは思いがけないことだったようで、少し驚いていた。


「えっ……結さんが……着けてくれるんですか……?」


「本来なら……装着する本人以外の人が付けるのは安全面から推奨していませんが……しっかり装着させていただきますので。」

結は、いかにもコンドームの研究者らしい言葉でそう説明した。

そう、つまり結は研究者として、〝実際に自分の手でコンドームをペニスに装着してみたい〟という願望があったのだ。

もちろん砂上はそれを理解してくれた。


「じゃあ……お願いします。」


「ありがとうございます。では……横になってもらってもいいですか……?」

しかしお互いに不慣れであるがために、ここでトラブルが起きてしまう。

結が砂上のペニスにコンドームを装着する際に、砂上がその刺激に耐えられずに射精してしまったのだ。

実は砂上は、かなりの早漏だったらしい。

結は自分の手の中で男性が射精する瞬間を観察できて、研究者としてはむしろ喜んでいたが、当の砂上はいたたまれない気持ちになっていたようだった。

その後、気を取り直して仕切り直してから、セックスは無事にできたのだが……。

砂上は挿入後に、数回ピストンしただけで、またあっという間に射精してしまった。

それでも結にとっては、砂上のペニスが身体の中に入ってくる感覚がとても気持ち良かったし、幸せだった。


「結さんすみません、すぐに終わってしまって……」


「気にしないでください、私は嬉しかったです。」

そう言って結は、申し訳なさそうにしている砂上を優しく抱きしめた。

そして幸せな時間に包まれながら、二人は初めての一夜を過ごしたのだった。

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