理系女子 結さん(5)



旅行から帰ってきた後は、二人の距離はさらに縮まったように結は感じていた。

手を繋ぐのも今までよりも自然にできるようになったし、会話もより自然体でできるようになった。

何より、結は以前よりもさらに砂上の事が好きになっていると自分自身で感じていた。

そしてそれはきっと、砂上とセックスをしたからだろう。

旅行の後も、週に一度のペースで結と砂上はセックスをしていた。

ある日は砂上のアパートの部屋で、ある日はラブホテルで。

砂上の前で裸になるのはまだ恥ずかしいけれど、セックスは心も満たされるし気持ち良いから好きだった。

ただし、まだ少し問題もあった。

それは相変わらず砂上が早漏で悩んでいたのだ。

砂上は挿入から長くても数分で射精してしまう。

早い時は1分も持たない時もある。

最初は〝興奮しすぎちゃって〟とか〝慣れてきたらもう少し長くできるはずです〟と言っていた砂上だったが、何回セックスをしても我慢できずにすぐに射精してしまう。


「すみません、結さん……」


「そんな、謝らないでください。」

毎回砂上が謝ってくるから、結は逆に申し訳ない気持ちになっていた。


「私はすごく嬉しいし、気にしてないので。」

砂上とのセックスは充分気持ち良かったし、砂上に抱かれている時は本当に幸せだから不満なんてなかった。

ただ、早く終わってしまう事を砂上はとても気にしていたし、結も、気持ち良くて幸せな時間だからこそ、もう少しその時間が長ければ良いなと、心のどこかで思っていたのも事実だった。

二人の悩み、この悩みをどう解決したらいいか、結は真剣に考えていた。

結はコンドームの開発研究者だ。

自分にできる事はあるはずだと、強く思った。


「砂上さん、私、厚物コンドームの新製品の開発、頑張ろうと思います!」

セックス後、ベッドの上で目をキラキラさせながらそう宣言した結。

厚物コンドームとは、早漏対策用のコンドームのことだ。


「結さん……ありがとうございます、でも無理しないでくださいね。」


「はい、こうやって実体験で課題を知れたのは研究者としては嬉しいし、やりがいもあるので、頑張ります!」


「そ、そうですか……僕もできることがあれば協力しますね。」


「はい!よろしくお願いします!」

生真面目な結らしい考えだった。

それからというもの、結はこれまで以上に研究に熱心に取り組むようになっていった。

しかしそんな中、ある事件が起きた。

それはあの宣伝大使のグラビアアイドル、浅川リナとの再会から始まった。

宣伝大使のグラビアアイドル、浅川リナが再び会社にやってきたのは、もちろん宣伝大使としての仕事をしに来たからだ。

今回は前回のインタビュー企画に続く第二弾で、リナが湘南ゴムの工場見学をするという企画だった。

見学を案内するのは、前回のインタビュー企画に続き、結が担当することになった。


「近藤さ〜ん!お久しぶりで〜す!会えて嬉しいです〜!」


「リナさん、お久しぶりです。私も嬉しいです。」

結はそう言ってペコリと頭を下げた。

リナに会えて嬉しいのは本心だった。

前回のリナとのインタビューでは色々な気づきや学びがあって、研究者としてとても有意義な時間を過ごせたからだ。

工場見学の企画も、結とリナの相性が良いのか、とてもスムーズに進行していった。

結がコンドームが完成するまでの過程を詳しく説明し、リナが独自の視点で疑問に思った事などを質問して結が答える。


「へぇ〜コンドームって奥が深いんですね〜」


「はい、避妊目的以上に、多種多様なニーズにも応える必要があるので、開発や製造工程は日々の研究や改善が欠かせないんです。コンドームは種類も沢山ありますので。」


「へぇ〜沢山あるんだ〜、色々試してみたいな〜」


「今度ご紹介しますね。」

そんな息の合ったやり取りのおかげで、企画は無事に終了した。

 正反対のタイプに見える結とリナだが、やっぱりどこか気が合うらしい。

そしてその日の仕事終わり、リナが結と砂上を飲みに誘ってきた。


「どうですか〜?せっかくだから飲みに行きませんか〜?」


「飲みにですか。」

結と砂上は顔を見合わせる。

その日は週末。

週末は砂上のアパートに泊まるのが習慣になっていたから、結は終電を気にする必要がない。

結と砂上は笑顔で
「ぜひ!行きましょう!」

と答えた。


「やった〜!実は近藤さんに相談したい事もあるんですよね〜」


「相談?私で良かったら何でも聞いてください。」

リナに〝相談したい事がある〟と言われ、結は嬉しかった。

普段は親友に相談する事の方が多い結は、人から頼りにされるのが嬉しかったのだ。

そしてその後、3人は駅前の居酒屋で飲む事になった。


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