香苗
「……や、やめてください……中嶋さん。」
中嶋からのセクハラ行為に香苗は逃げるように身体を離そうとしたが、中嶋のもう片方の腕に肩を抱き寄せられるようにして捕まえられているので逃げらない。
太腿の上を擦るように動く中嶋の腕はやはり太い。その筋肉質で太い腕が、女性である香苗の力では、例え本気で抵抗しても全く適わないであろう事を物語っていた。
中嶋
「本当に止めてほしいと思っているんですか?」
香苗
「……お、思ってます……だから止めてください。」
香苗の声は震えている。
祐二以外の男性に気安く身体を触れている事への不快感。
そしてこれからどうなってしまうのだろうという恐怖感で香苗の心の中は埋まっていた。
繰り返し後悔の念が溢れてくる。
なぜあんな危険な綱渡りを続けてしまったのか。
なぜ絶対に入ってはいけない領域にあそこまで近づいてしまったのか。
中嶋
「では確認なんですけどね、奥さん、昼間ベランダで何をなさっていたんですか?」
香苗
「……。」
中嶋
「……ん?どうなんです?」
香苗
「……それは……」
中嶋
「答えられませんか?」
香苗
「……。」
ただ顔を赤くして俯くだけの香苗。
中嶋は意地悪そうにニヤニヤと笑いながら香苗の耳元に口を近づける。
中嶋
「じゃあ……俺が教えてあげましょう。」
香苗
「……」
中嶋
「……オナってたんでしょ?イヤらしい声出しながらさ。」
自分の痴態、逃れようの無い真実を中嶋の口から突きつけらた香苗。
耳まで赤くして、目は潤み、今にも涙が零れそう。
中嶋
「聞えてましたよ、奥さんのイヤらしい声。……あの時、イッたんですか?」
香苗
「……ぃ…イヤ……」
中嶋
「へへッ……ベランダでイク時は特に気持ちイイんですか?奥さん意外に大胆なんだなぁ、真面目そうに見えるのに。」
そう言いながら中嶋は口から長い舌をネットリと伸ばし、香苗の耳を舐め始めた。
耳元でのネチョネチョとした音と、中嶋の舌のネットリとした感覚に香苗はすぐに拒絶反応を見せる。
香苗
「ン……ァ……イヤッ!イヤです……やめて……ン……」
中嶋
「耳を舐められるのは嫌いですか?それにしては敏感な反応ですねぇ。」
香苗の身体をしっかりと掴んでいる中嶋は、香苗の抵抗を物ともせずに耳舐めを続ける。
香苗
「ン……ハァ……やめて…ホントにやめてください中嶋さん!」
中嶋
「素直になりましょうよ奥さん。俺にはわかっているんですよ。」
香苗 「ハァハァ……何が……ですか?」
あたかも自分の事を全て理解しているかのような中嶋の口ぶりに、香苗はすぐに聞き返す。
中嶋
「不満をもっているのでしょう?旦那さんに。」
香苗
「……そんな事……私は……」
中嶋
「満足している?旦那さんとのSEXに。」
香苗
「……ぇ……」
祐二とのSEX……
祐二に不満など持っていなかった、結婚してからずっと。
でも、どこかで歯車が狂い始めてしまった。
そう、この中嶋という男に出会ってから。
この人に出会わなければ、普通で幸せな生活を続けていたに違いない。
そして今のように、1人の女性としてこんなに追い詰められた状況になる事もなかったはず。
中嶋
「溜まっているのでしょう?そして奥さんの中に溜まっているものは旦那さんが相手では解消できない。違いますか?」
香苗
「……イヤッ……」
認めたくなかった。
これを認めてしまえば、まるで祐二が、この中嶋よりも男性として劣っていると認めてしまうようなものだ。
中嶋のようなこんな男に、祐二の事を馬鹿にされたくない。
祐二の事を世界の誰よりも愛している。香苗の中で、その気持ちに揺るぎはなかった。
中嶋
「もう認めちゃえばいいじゃないですか。旦那とのSEXに満足できなくてオナってましたってさ。」
香苗
「……そ、そんな……事……」
中嶋
「そんな事ない?本当に?旦那さんで満足しているんですか?」
香苗
「あ、当たり前です……。」
中嶋
「ハハッ本当かなぁ?」
相変わらずニヤニヤとした表情で中嶋は、香苗の太腿を触っていた手を、さらに内腿の方へと進めていく。
中嶋の手が脚の付け根に近づいてきた時、香苗の拒絶反応はピークを迎えた。
香苗
「も、もうイヤっ!離して!早く出て行ってくださいっ!」
今までよりも強く抵抗する香苗。中嶋の太い腕を両手で持って、精一杯押し退けようとする。
必死だった。
先程の祐二との電話で気付いたのだ。やっぱり祐二といっしょにいる事が自分にとっての幸せだと。
祐二との幸せな夫婦生活を壊されたくない。
中嶋
「嫌ですよ、離しません。せっかく奥さんと2人きりになれたんだから。」
香苗
「ハァ……イヤ!放して……ハァ……」
中嶋の腕の中で必死にもがく香苗は息を切らしながらも、まだ抵抗をやめない。
中嶋
「頑張りますね奥さん。奥さんの旦那さんへの愛が本物だという事は分かりましたよ。」
その言葉を聞いて、香苗はやっと抵抗の力を弱めた。
香苗
「じゃ、じゃあ早く放してください……。」
中島
「いいですけど、1つ条件があります。」
香苗
「……条件?」
中島
「えぇ。その条件を奥さんが飲んでくれれば俺は部屋に帰るし、昼間の事も今夜の事も全て忘れます。あの事は俺と奥さんだけの秘密、誰にも言う事はありません。旦那さんにもね。」
香苗
「本当……ですか?」
中島
「もちろん。綺麗サッパリ忘れます。奥さんも忘れればいい。全てを無かった事にするんです。」
香苗
「……それで、条件っていったい何ですか?」
中島
「フッ……それはですねぇ……へへ……」
香苗
「……?」
中島
「それはですねぇ、奥さんの身体を今夜一晩だけ俺の好きなようにさせてほしいんです。」
香苗
「……ぇ……」
中島
「要は俺と今夜、一発SEXしてくださいって事です。」
コメント
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真面目な奥さんっていうより、実は隙だらけな奥さんですねぇ(笑)
こういう女性、意外と多いんだろうなぁ…と、読みながら思ってしまいました(笑)
イッた事がない女性って多いって聞きくし…(外ではイクけど中ではイッた事ないって事ですが)
女としての悦びを知らないって可哀想だなぁとは思いますが、
やっぱり読んでいて…私には合わない話かなぁと思います。
セックスレス…なら、まだしも(とはいえ、セックスレスも努力があるかないかですけど)
やはり、セックスはパートナーと高めていくものだと思うので…
性のコミュニケーションって、女性は遠慮しがちですが、可愛くもっとこうしてほしい、っていうオネダリは、男性は萌えると思うんですよね(笑)
ていうか、パートナーを裏切る(どんな理由にせよ)っていうのが、私には合わないんだろうなぁ。
でも官能小説の定番?(人妻が不倫とか)みたいなものですよね( ̄▽ ̄;)
前回にも書きましたが、こういう妄想されてる方は多いと思いますので、皆さんを官能の世界へ連れていってあげてくださいね♪
頑張ってください♪応援してますね(≧▽≦*)
読んで萎えちゃう人もいると思うので、鍵コメにしておきます(笑)
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京香さんコメントありがとうございます。
そうですねぇ、官能小説の定番ってのはありますね。今回はそこを狙っている感じもあるので。
本で売ってる官能小説とかはこんな感じの多いですから。
女性が性の欲望に負けて……みたいな。
ただこれはちょっと男性側に傾いた官能ですね。
現実には女性の浮気は男性に対する不全感が殆どの原因で、SEXがしたくて浮気してしまう女性は殆どいないと思いますから。
愛のあるSとMの関係に溺れる感じの官能小説も挑戦してみたいとは思ってますけどね。そちらは難易度高いでしょうけど。
はい!いつも応援とアドバイスありがとうございます。とりあえず今の物語を全力で頑張りたいと思います!