ハッとして俺はベッドから起き上がった。
ここは……コテージで……亜紀は?……そうだ、亜紀は牧原達と……
過去の夢から目覚めて、今亜紀が置かれている状況を思い出した瞬間に、俺は途轍もなく不安になった。
亜紀……っ!
そして俺は寝ていた格好のまま、慌ててコテージから飛び出した。
俺はこれからもずっと亜紀と一緒に居たいんだ。
亜紀を……亜紀を失いたくない!
俺は走った。
「ハァ……ハァ……亜紀……」
外は既に日が落ちて暗くなっていた。
時計を見ていないから分からないが、俺はかなりの時間を寝てしまっていたらしい。
俺は必死になって牧原達のコテージを探した。
確か近くにある白い建物だと言っていたはず。
すると数分ですぐに白くて小洒落た建物を見つけた。
ここなのか……?
しかし勢いよく来たものの、ここからどうすればいいんだ?
普通に亜紀を呼び出して連れて帰ればいいだけか……。
それで良いんだよな?俺は彼氏なんだし。
俺は建物のドアの前で少しの間考えていた。
すると中から声が聞こえてきた。
牧原達の声だ。
やっぱりここだったんだな。
よく耳を澄ますと、亜紀の声も聞こえる。
「え~ちょ、ちょっと、なんで脱いでるんですか?服着てくださいよぉ。」
「だって暑くない?いいじゃん別に、さっきまで水着で遊んでたんだし。亜紀ちゃんも脱げば?この方が涼しくて気持ち良いよ?」
4人で何をしているんだ?
中の様子が気になった。
窓から少し、覗いてみようかな……。
きっと俺は、昼間あまりに楽しそうに牧原達と接していた亜紀の姿が心に引っ掛かっていたのだと思う。
どうしてすぐに亜紀を呼び出さないんだ?と自分自身に問いかけながらも、俺はいつの間にかドアの前から移動して、建物の裏に回り込んでいた。
まるで泥棒みたいに。
俺の行動は、常軌を逸していたかもしれない。
でも俺は気になったんだ。
今、亜紀が牧原達の前でどんな表情をしているのか。
俺は何かを確かめようとしていたんだと思う。
亜紀とこれからもずっと一緒にいたい。それは俺の中にある確かな気持ちだ。
でも、亜紀はどうなんだろう。
亜紀はまだ俺の事を好きでいてくれるのだろうか。
留年して、旅行先でも情けない事ばかりやって、だからやっぱりもう俺に呆れて他の男の所に行きたがっているんじゃ……。
そう考えると怖かった。
でも、だからこそ亜紀の本心をこっそり覗いてみたかった。
こんなコソコソせずに、男らしく今すぐ亜紀を呼び出して本人に率直に聞けばいいのに、それができないのはきっと俺の弱さなんだと思う。
俺は建物の裏に来て驚いた。
正面から見た時もコテージにしては大きな建物だなと思っていたのが、裏から見たらさらに凄い。
裏には大きな庭もあって、しかもプールまで付いている。
学生が泊まるにしてはどう考えても豪華過ぎる。
牧原の事は高校が同じだからある程度知っているが、もしかして篠田か坂本のどちらかが金持ちなのかもしれない。
部屋もいくつかあるみたいだし、こんな大きな建物を3人で貸し切っているのか。
俺達がいたコテージとは大違いだ。
裏には小さな窓や大きな窓がいくつかあって、その窓から部屋の明かりが漏れていた。
どうやらカーテンもせず、窓も風を通すために開けているみたいだ。裏に来たら牧原達と亜紀の声がさらにはっきり聞こえるようになった。
今、俺のすぐ近くにその内の1つの窓がある。おそらくその向こうに亜紀達はいるだろう。
「私は無理ですよぉ、だって私着てるのこれ一枚だけだし……」
「その中は下着だけ?」
「はい……。」
「でもぶっちゃけ下着も水着もそんな変わらないでしょ?」
「ん~でもさすがにそれは……」
亜紀と、これは篠田の声か。
何してるんだよ、いったい。
亜紀達の会話の内容を気にしつつ、俺は体勢を低くして音を立てないように窓へ近づき、こっそりと部屋の中を覗いた。
コメント
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始まっちゃうんですね。
亜紀ちゃん、完堕ちしちゃうんでしょうか?
にしても、直樹君、体調悪いから、覗いてるの奴らにバレなきゃ良いけど。
最悪状態(寝取られてる亜紀ちゃんみて鬱勃起とか)でバレなきゃ良いですが。
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コメントありがとうございます。
始まります。ここからエロですね。
どこまでエロく描けるか……頑張ります。
覗いている時の直樹の心情も大切ですね。ハラハラドキドキさせないと。
そうですね、バレなきゃいいですけど……バレてその時勃起してたら立場ないですね笑