寝取られ小説 人妻 優子(7)

カメラ撮影については、斎藤君は快く受け入れてくれました。


「それなら任せておいてくださいよ、俺の得意分野ですから。」

そして計画は週末の金曜日に実行する事に。

斎藤君と優子を2人きりにする作戦ですが、まず斎藤君には会社を定時に出て家に向かって貰います。

私も定時で帰ると優子には伝えてありますが、予定外に残業が入ってしまい私だけ帰りが遅くなる、という作戦です。(もちろん実際には最初から残業を入れておいたのですが)

それで私が帰るまでの数時間、斎藤君と優子は2人きりになるという事です。

優子はいつも通り斎藤君が食事に来ることをOKしてくれました。


「じゃあまたご飯沢山作らないとね~。あ、ねぇフミ君、斎藤君また泊まっていくのかな?」


「ん~分からないけど、酒は飲むだろうし、たぶん泊まっていくんじゃないか。」


「だよね、じゃあお布団と寝間着も用意しておかないと。」

優子が張り切っているのは毎度の事ですが、私の胸の内はやはりいつもとは違います。

直前まで、本当に優子と斎藤君2人にしていいのだろうか、私は取り返しの付かないとんでもない罪を犯しているのではないかと葛藤していました。

しかしその迷いを抱えたまま、計画実行の日はやってきてしまいました。


「じゃあ今井さん、先に行ってますね。」


「あぁ、じゃあ後で。」

まずは斎藤君が定時で会社を出て優子が待っている家へ向かいます。

そして私は急に残業になってしまったから遅くなると優子に電話で伝えました。


「て事だから、悪いけど斎藤君と2人で先にやっててよ。」


「うん、分かったぁ。何時くらいになりそう?」


「10時半か11時くらいになっちゃうかも。帰る前にまた連絡するよ。」


「うん、じゃあ待ってるね。」

当然ですが、優子はこれが私と斎藤君の計画だという事には全く気付いていません。

――そろそろ斎藤君が家に着いた頃だな――

私はずっと2人の事が心配で気が気じゃない状態でした。

残業と言っても、仕事なんて全く手に付きません。

斎藤君は優子の目を盗んで部屋にカメラをセットし、夜中にそのカメラを回収すると言っていました。

だから2人の映像が見れるのはまた後日です。

私はもどかしい気持ちで会社の時計を何度も見ていました。いつもより時間が経つのが遅く感じます。

そして斎藤君との約束の時間になり(最低でも10時までは2人きりで居させて下さいという話でした)、私は優子に電話をしました。


「もしもし優子?今から帰るから、そっちは特に問題ない?」


「うん、もうご飯食べ終わったよ。フミ君の分はちゃんと取ってあるから、気を付けて帰って来てね。」

私は電話を切ると急いで会社を出て家へ向かいました。

電話での優子は変わった様子はなかったので、案外何ともなく終わっているのかもしれないと私は希望を抱きながら帰りました。

家に着くと、リビングのソファには斎藤君が座っていて、優子はキッチンで私の晩御飯の用意をしていました。


「今井さんお疲れ様です。こんな遅くなるなら、俺も残って手伝った方が良かったですかね?」


「いやいや、残ってたのは俺の仕事だけだからさ。」

もちろんこれは私と斎藤君の芝居です。


「フミ君もう食べるでしょ?」


「あぁ、腹減ったよ。」


「じゃあ温め直してそっちに運ぶね。」

やはり優子も斎藤君もいつもと変わりません。

2人の様子を見て私は〝何もなかったんだな〟と安心していました。

しかし私は食事をしている最中にある事に気付きました。

優子がキッチンから全く出ずに、私と斎藤君がいるリビングに来ようとしないのです。


「優子どうした?こっち来ないのか?」


「え、あ、うん。今行くね。」

リビングに来ても、優子は口数が少ないです。

どことなく少し元気がないような。

いつもなら私達の話に笑ったりしているのに。

どう考えても優子の様子がおかしいと、私は思い始めていました。

そしてさらに私は優子を見ていてある事に気付きました。

優子が全く斎藤君の方を見ようとしないのです。

明らかに意識的に目線を斎藤君の方へ向けないようにしています。

ホッとしたのも束の間、そんな優子を見た私の心は嫌な予感だけで埋め尽くされていきました。

そして食事も終わって片付けも終えた後、優子がお風呂に入っている間に私は斎藤君に思い切って聞きました。


「斎藤君、ちょっといいかい。」


「なんですか?」


「あの……どうだった?」

すると斎藤君はニヤっと笑みを浮かべてこう言いました。


「優子さんの事ですか?」


「あぁ。」


「かなりいい感じでしたよ。あ、でもビデオを見るまでお楽しみにしておいた方がいいんじゃないですか?ちゃんと撮れてると思うし、俺上手い具合に編集しますから。」


「いや、ごめん。正直気になって仕方ないんだよ、大まかでいいからどんな感じだったか今教えてくれないか?」


「そうですか……でも今井さん聞いても怒らないでくださいね。」


「何を聞いても怒らないよ。これは元々私が頼んだ事なんだから。」


「本当に怒らないでくださいよ?」


「あ、あぁ……大丈夫だよ。で、どうだったんだい?」

斎藤君は明らかに焦っている私に念を押した上でこう話し始めました。


「先週と同じようにいい感じで2人で楽しく話していたんですよ、飯を一緒に作ったりして。」


「……それで?」


「まぁそれで飯食べた後2人で酒飲んでたんですけど、その時にかなり良い雰囲気だったんで、すみません、ちょっと強引にキスしちゃいました。」


「き、キス!?」

私は頭をガツンと殴られたような気分になりました。

まさか今日そんな事まで優子が許してしまうなんて思ってもみなかった。

だから優子は斎藤君の方を見ようとしなかったのか。

しかし少し冷静になってみると、斎藤君の言葉が気になりました。


「斎藤君、その、強引ってどういう事?」


「あ~いや、強引と言っても力尽くでやった訳じゃないですよ、不意を突く感じでしたんです。でも優子さんも嫌がってはいませんでしたよ、かなり驚いてはいましたけどね。」

優子はキスを嫌がっていなかった……私は愕然としてソファに腰を落としました。


「まぁとにかくビデオを見たら分かりますよ、どんな感じだったか。」

斎藤君は軽い言い方をしていましたが、私は優子の前でどんな顔をすればいいのか分からなくなりました。

しかしまさか優子に
「斎藤君にキスをされたのか?」

なんて聞けませんから、私は優子の前ではなるべく普段通りにする事にしました。

ここで私が不自然な態度を見せたら、優子に不審に思われてしまいます。

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