家庭教師 小森千佳(20)

千佳の誕生日だったのその日、康介からの思いがけないサプライズがあったものの、普段通りの勉強はしっかりとやった2人。

康介は誕生日くらい勉強は止めようよと言っていただが、千佳は涙を拭いた後気持ちを切り替えたのか、ダーメッ勉強は勉強だよっ!と康介を勉強机に座らせた。

そして勉強が終わった後は、家政婦が用意しておいてくれたというケーキを食べながら2人でしばらく談笑していた。

千佳 
「康介君今日はありがとう、プレゼント嬉しかった、それに美味しいケーキまで。」

康介 
「どういたしまして。まぁ誕生日に俺の家庭教師をしないとけいないなんてちょっと千佳先生に悪いなって思ってたしね。あ、そうだ、実はもう1つプレゼントがあるんだよ。これ……」

千佳 
「え?まだあるの?そんなに悪いよ……」

康介 
「いいからいいから、受け取ってよ。」

そう言って康介が袋を千佳に渡す。

どこのブランドかは分からないが、これも何だか高級そうな物のような感じがする。

康介 
「それは家に帰ってから開けてみてよ、きっと千佳先生に気に入ってもらえると思って俺が選んだんだ。」

千佳 
「あ、ありがとう……でもなんか誕生日とはいえこんなに貰っちゃっていいのかな……」

康介 
「いいのいいの。」

康介はそう言うけれど、やはりこれだけ多くのプレゼントを年下の高校生に貰うというのは千佳としては少しばかり気が引ける。

しかし、その一方で自分のために康介がこんなにも色々な物を用意していてくれたという事は、素直に嬉しかった。

康介 
「へへ……たぶん千佳先生、それすげぇ似合うと思うよ。」

千佳 
「へぇ、じゃあ洋服かな?どんなのだろう、楽しみだなぁ。」

2人きりの部屋の中で、和やかな時間が進む。

もう窓の外は暗いし、いつもならとっくに帰る時間だ。

でももう少し、こうしていたい。

千佳 
「康介君の誕生日っていつなの?お返ししないとね。」

康介 
「俺の?あ~、そういえば俺も来週誕生日だったな。」

千佳 
「そうだったんだぁ、近いんだね、じゃあ……どうしようかな、誕生日プレゼント何がいいかな?」

笑顔で康介にそう聞く千佳。

誕生日が近いという、ただそれだけの事なのに何だか嬉しくなってしまう。

康介 
「え、別にいいよ俺のは。そんな事よりさ、さっき言ってた良い感じの男とは、もうすぐ付き合えそうなの?」

千佳 
「え?えーっとね……分かんない……まだ知り合ったばっかりだし……」

康介 
「なんだよそれ、じゃあまだいい感じとかじゃないじゃん。」

2人の会話がそんな内容に流れた時、千佳は今までずっと聞きたいと思っていた事を、さりげなく康介に聞いてみる事にした。

千佳 
「ねぇ康介君、私の事なんかより康介君はどうなの?彼女とかいるの?」

さりげなくだけど、千佳にとっては少し勇気のいる質問だった。

自分から聞いてみたものの、康介の答えを聞くのがなんだか少し怖い。

康介 
「彼女?彼女ねぇ……気になる?」

千佳 
「べ、別に……だっていつも私が答えてばっかりだから。偶には康介君の事も教えてよ。」

康介 
「……いないよ。」

千佳 
「そ、そうなんだ……。」

康介のその答えを聞いて少し、いや、凄くホっとしている自分がいた。

……じゃあ駅前で康介君といっしょに歩いてた女の子はやっぱり彼女じゃなかったんだ……

締め付けられていた心がスーッと楽になる。

よかった。

もし彼女がいるなんて言われてたら、どう反応したらいいのか分からなかったから。

しかし、次に康介が発した一言で、千佳は再び複雑な気持ちになる。

康介 
「まぁでも、彼女はいなくてもセフレは沢山いるけどね。」

千佳 
「……え?せふ……?」

一瞬、康介の言っている事の意味が理解できなかった千佳。

康介 
「セフレだよセフレ、セックスフレンド。」

千佳 
「……せ、セックスフレンドって……」

〝セックスフレンド〟

その卑猥な響きがする言葉の意味は、千佳も知識としては知っている。

康介 
「千佳先生はいないの?セフレ。まぁいる訳無いか、千佳先生みたいな真面目な人に。」

千佳 
「な、何言ってるの康介君、高校生がそんな事してちゃ……」

康介 
「いやさ、女の子から評判良いんだよね、俺のセックス。」

千佳 
「そ、そういう事じゃなくて……」

顔を真っ赤にしている千佳の頭の中は混乱していた。

康介の言っている話の内容があまりに千佳の常識からはかけ離れ過ぎていて、頭の中で処理ができないのだ。

康介 
「千佳先生も俺と試しにやってみる?」

千佳 
「……やって…みるって……?」

康介 
「セックスだよ。そういえばこの前胸揉んだ時さ、千佳先生結構敏感だったよね。もし俺とやったら感じまくっちゃうんじゃないの?」

千佳 
「ぇ……ばっ…バカッ!!!」



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