【寝取られ】喰われる彼女 亜紀(8)


「直樹どうしたの?大丈夫?」


「だ、大丈夫、少しフラついただけだし。」


「でもなんだか顔も赤いし……。」

亜紀が席から立って俺の額に手を当てる。


「わっ!凄い熱!」


「そ、そう?でもまぁ少し熱いかもね。大丈夫、ここに座っていればすぐに治ると思うから……あっ」

カチャンッ!

そう言ってるそばからテーブルに置いてあったスプーンを手の甲で落としてしまう俺。

頭がフラフラして、手先の感覚が鈍っているんだ。


「もう……大丈夫じゃないじゃない、こんなに熱があるんだから。」

結局俺達はデザートを食べる事なくディナーを中断。

足元もフラついていた俺は、亜紀の手を借りながらコテージへ戻った。

コテージのベッドに辿り着いた頃には俺の体調はさらに悪化し、体温も急上昇。

顔は真っ赤で頭痛もかなり酷くなっていた。

ベッドでフーフー言いながら呼吸している俺の頭に、レストランで貰ってきた袋に氷を入れた物を当てる亜紀。


「とにかく、病院行かないとね。」


「……病院?」


「だって薬もないし、原因も分からないんだからちゃんとお医者さんに診察してもらわないと。」

俺はこれ以上亜紀に迷惑をかけるの嫌で病院なんていいよと言いたいところだったが、正直そんな余裕も無くなる程俺の体調は悪くなっていた。


「ちょっとホテルの人に聞いてくるから。」


「……うん。」

忙しそうに俺のために動き回ってくれる亜紀。

コテージに1人になった俺は天井を見上げながら身体のだるさや悪化していく強烈な頭痛と闘っていた。

やばい……頭が割れそうなくらい痛い……死にそうだ……

人間、病気になると精神的な弱さが出てしまうものなんだな。

さっきまでは旅行を台無しにしまいと亜紀に気を使っていた俺だが、もうそんなのは一切消えて、自分の事しか考えられなくなっていた。

とにかく早くこの苦痛から逃れたい、早く病院に行って治してもらいたい、ただそんな思いだけが強くなっていく。

ハァ……ホントに辛くなってきた……亜紀……早く帰って来てくれないかな……

俺は亜紀が早くホテルの従業員を連れて戻ってくるのだけを期待して待っていた。

しかしそんな俺の希望とは違い、亜紀が連れて来たのはホテルの従業員などではなかった。


「おーい直樹!大丈夫かぁ?」

聞き覚えのある男の声。


「ちょっと待ってろよ、すぐ病院に連れて行ってやるからさ。」

亜紀の後ろに付いてコテージに入ってくる男3人。

ど、どうして牧原達が……。


「直樹、立てる?病院行くよ。」

亜紀……どうして牧原なんて連れて来たんだ……?

亜紀が言うには、ホテルの従業員に聞いたら病院は紹介できるけど、車を持ってる従業員が全員帰宅してしまっているために病院まで連れて行く手段がないと言われたのだと。

なんと不親切なんだと思ったが、ここはコテージにしては格安のホテルだったからサービスはその程度なのかもしれない。

それでどうしようと考えた亜紀は、レンタカーを持っていると言っていた牧原を思い出し連絡したと、そういう訳らしい。

タクシーを呼ぶ手もあったが、牧原は現地に詳しいと言っていたし、この地では知り合いの方が信頼できると思ったからとの事。

俺は情けない事にこの時には1人で立っている事もキツい状態になっていて、結局牧原の連れの体格のゴツイ男におんぶしてもらって車まで運んでもらった。

ちなみにこの体格のゴツイ男は篠田と名乗った。

そしてもう1人の高身長で細身の男は坂本と言うらしい。

俺を含めて亜紀、牧原、篠田、坂本の5人で車に乗り、俺達は病院へ向かった。


「ごめんなさい、牧原さん達も旅行を楽しんでる途中だったのに呼び出しちゃって……。」

亜紀は車が出発してすぐ、牧原達に申し訳なさそうに謝った。


「ハハッ、そんなの気にする事ないよ。俺達暇してたし、な?」


「そうそう!暇で暇でしょうがないと思ってた頃に亜紀ちゃんから電話掛かってきて3人で喜んでたくらいだからさ。」


「そうだったんですか。」

牧原と篠田の冗談っぽい口調に亜紀はクスっと笑った。


「それより亜紀ちゃん、直樹は何か変なものでも食べたのか?」


「うーん……私も同じ物食べてるけど何ともないから、食べ物ではないと思うんですけど、なんでこうなっちゃったのかな……変な細菌に感染してないといいけど……。」

再び心配そうな顔で俺を見つめる亜紀。


「まぁこの島にはちゃんとした大きな病院があるからさ、そこで診てもらえば大丈夫、心配ないよ。」


「ありがとうございます、本当に助かります。」

俺は牧原達と亜紀の会話を聞きながら情けない気持ちになっていた。

肝心な時に頼りになる牧原達と比べて、せっかくの旅行で病気になってしまう俺はあまりに情けない。

きっと亜紀も心の中でそう思っているに違いない。

俺は身体が弱っていく中で、思考もどんどんネガティブなものになっていった。

コメント

  1. サトシ より:

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    情けなさすぎ…

    亜紀も空気読めねえな、ってか見知らぬ土地で誰も頼る人居ないならまぁ仕方ないのか…

    何にせよ、助けてもらった事実…

    牧原共の悪運が羨ましいわ~

  2. ここも♪ より:

    SECRET: 0
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    三人相手かぁ~♪

    …あきちゃんと彼はヤっちゃってますよね?
    お付き合いしていて、まだって事は無いですよね?

    処女だったら目もあてられない(笑)

  3. メンメン より:

    SECRET: 0
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    コメントありがとうございます。

    寝取られるには寝取られるだけの理由が必要ですからね笑

    じっくりいきますよ☆

  4. メンメン より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます。

    付き合ってもう一年経っている設定なのでさすがに処女ではないですね。

    ただし、亜紀にとって直樹は初めての彼氏なので、まだ男の身体は直樹のしか知りません(笑)

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