すごいの見ちゃった……
母屋に戻って来た真弓は、そのまま2階まで上がって寝室に入った。
「……どうしよう……」
胸のドキドキが止まらない。
拓実がオナニーをしていた姿が、何度も何度も頭の中で再生される。
ハァ……真弓さん……
あまりに衝撃的な出来事に動揺し過ぎて、上手く思考ができない。
拓実は真弓の名前を口にし、しかも盗んだ真弓の下着の匂いを嗅ぎながらオナニーをしていた。
だけど、不思議とそんな拓実に対して不快感が生まれない。
今はただ、真弓は拓実に性の対象にされた事が恥ずかしくて仕方なかった。
ハァ……真弓さん……ああ……出そう……
そしてあの拓実の射精シーンが、頭に浮かぶ。
真弓の身体がカァっと熱くなる。
「あーんもぉ!」
真弓は思わずそう声を出して、ベッドに倒れ込んだ。
顔が真っ赤になっているのが自分でもわかる。
熱くて、火照ってる。
「もぉ……拓実君ったら……」
胸はまだドキドキしていて、身体が冷めていく気配が全くない。
「……私……」
もう真弓は自分でも気付いていた。
自分が今、性的に興奮してしまっている事に。
既にアソコが濡れてしまっている事は触らなくたって分かる。
ここ数日、ずっと抑え込んできた欲求不満が、身体の奥から一気に吹き上がってくるような感覚。
尋常じゃないほど身体が疼いてる。
「はァ……もうダメ……」
そう声を漏らした後、真弓は自然と衣服を脱ぎ始めていた。
スカートを脱いで、さらにパンツも。
拓実と同じように下半身だけ裸になった真弓は、すぐに濡れたアソコを自分の指で慰め始めた。
クチュクチュ……
やだ、私……すごい濡れてる……
しても余計に欲求不満が増すだけだと思い、ずっと我慢していたオナニー。
自分1人で慰めても、スッキリできない事は分かっていたけれど、それでも今はこの行為を我慢する事ができなかった。
「ん……ぁ……クチュ……ぁ……ン……」
…はぁ……真弓さん……真弓さん……
拓実の声、切なそうに感じてる表情、興奮して大きくなったペニス。
さっき見た光景があまりに衝撃的だったからなのか、拓実の事ばかり想像してしまって、今日だけは夫である正人の事は考えられなかった。
夫がいるのに。拓実君の事は弟のように想っていたのに。
罪悪感を感じながらも、禁断の妄想が頭の中でどんどん暴走してしまう。
「ンァ……ぁ……」
しかし、堪え切れずに始まった真弓のオナニーは1時間以上も続いたが、結局は絶頂に達する事なく、スッキリしないまま終わってしまった。
陰部から手を離して
「はぁ……」
と溜め息をつく真弓。
――もぉ……拓実君の前でどんな顔すればいいのか分からないよぉ…――
「美味しいですね、このスパゲティ。真弓さんのオリジナルですか?」
「うん、そだよ。和風スパゲティだから油っこくないでしょ?」
食事時、何事もなかったように話しかけてくる拓実を見て、真弓もなるべく普段通りにしようと決めた。
パンツ事件とオナニー目撃は確かにショッキングな出来事だったけれど、覗いてしまった自分も悪いと思ったから。
――男の子がああいう事をするのは普通の事だものね。それに私も……しちゃったし……――
男性には溜まるものがあって、生理的にそれを放出しないといけない事は真弓も理解している。
それに溜まったものを発散したくなる気持ちが、今の真弓にはとてもよく分かってしまうから、拓実が下着を盗んだ事も責められなかった。
拓実君が下着を盗っちゃったのと、私が覗いちゃったの、これでイーブンって事にしておこう。うん。
しかし真弓は今、その下着以上に気になっている事があった。
「……。」
……拓実君って、私の事どう思ってるのかしら……あんな事してたって事はやっぱり……
そんな事を考えながら、じーっと拓実の顔を見つめる真弓。
するとその視線に気づいた拓実が、いつものようにオドオドした感じで恥ずかしそうに顔を赤くした。
「ど、どうしました?俺の顔に何か付いてます?」
動揺する拓実の反応を見てニッコリと笑う真弓。
「うふふ。ううん、何でもないよー。拓実君、まだおかわりあるけどどうする?」
「あ、はい、じゃあ頂きます!」
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