居候と人妻 真弓(13)

パンツ事件とオナニー覗き見事件は、真弓と拓実にとって互いにとても恥ずかしい体験ではあったものの、それで仲の良かった2人の関係が壊れる事はなかった。

いや、寧ろ2人の仲はこの事件を切っ掛けにさらに深まったと言ってもよかった。


「拓実くーん、お風呂空いたから入っていいよぉ。」


「あ、はい。」


「あ、でも拓実君、今日はパンツ持って行かないでよね。」


「も、持って行きませんよっ。」


「あはは、冗談だって。」

からかわれて顔を赤くする拓実と、その反応を見て笑う真弓。


「あ~やっぱり拓実君をからかうのは楽しいなぁ。」


「酷いですよ真弓さん。」


「うふふ、まぁちゃんと明日返してくれるなら持って行ってもいいけどね。」


「えっ!?本当ですか!?」


「うそ、ダメに決まってるでしょ。言っておくけど私だって、す~ごく恥ずかしかったんだからね。」


「……すみません。」


「いいよぉ、もう拓実君がエッチなのは分かったから。早くお風呂入ってきちゃいなよ、もうすぐあのドラマ始まっちゃうし、一緒に見ようよ。」


「はい、じゃあ入ってきます。」

こうしてパンツ事件はすっかり真弓が拓実を弄るネタとなっていたのだが、こういう事を言い合いながら笑えるというのは、2人の仲が深まったという証拠。

よく男同士が下ネタトークをしたり、アダルトビデオの貸し借りし始めたら心打ち解けた友人として認めた事になるのと同じような感覚なのかもしれない。

とにかく、拓実の最もプライベートな部分を真弓が許したことによって、2人の距離がさらに縮まったのは確かだった。

しかし、2人の共同生活にとっての問題は、ここからだった。

これがもし本当の姉弟なら問題はなかったのかもしれないが、真弓と拓実は人妻と居候であり、それ以前に男と女なのである。

2人の関係が近くなり過ぎるのも、また危険。

だが、この生活は普通じゃない。

何せ、女盛りの人妻と多情多感な若い男がずーーーーっと一緒に生活しているのだから、もはやその危険を避けるのは不可能な事だったのかもしれない。

互いの距離が近くなればなる程、相手の事を知りたいという好奇心が生まれる。

そしてその好奇心が、2人を禁断の関係へと押し進める事になる。

その前兆は、その日の夜から始まっていた。

2人でドラマを見終わって、拓実は離れの家へ、真弓は2階の寝室へと別れた後、真弓がベッドに入った頃に突然携帯の呼び出し音が鳴った。

真弓が
「こんな時間に誰からだろう?」

と確かめると、拓実からのメールだった。

内容は〖今日は本当にすみませんでした。〗というものだった。

なんだかんだ言って、拓実は今日の事を相当に反省しているようだった。

真弓はそんな拓実のメールを見てクスっと笑うと、拓実に電話を掛けた。

『……もしもし?』

『もしもし拓実君?メール見たよぉ、もぉ気にしなくていいって言ったのに。』

『いや、もう一度ちゃんと謝っておいた方が良いかなと思ったので……』

『拓実君は本当に真面目なんだね。でもさ、うふふ、真面目なのにあんなエッチな事してたんだよねぇ?』

『ぅ……は、はい、すみません。』

『拓実君、変態さんだね?』

『へ、変態じゃ……まぁそうなのかもしれないですけど。』

意地悪っぽく言っても、素直に認めてしまう拓実に真弓はまた笑う。

『拓実君って面白いね。』

そしてその後は、なぜか色々と話が盛り上がり、長電話に。

『近くにいるのに電話で話すのって何か変な感じだよね。』

『ですね。』

『でも学生の頃に友達と電話で恋愛話してた時みたいで楽しいかも。明日の夜も電話していい?』

『俺は全然いいですよ。』

『拓実君の秘密とか色々教えてよ。』

『え、秘密ですか?秘密なんて別にないですけど。』

『それじゃ面白くないじゃん。何かあるでしょ?……あ、ねぇねぇ拓実君に1つ聞きたい事があるんだけど。』

『なんですか?』

『なんでそんなにパンツが好きなの?』

電話をする前は別にこんな事は聞くつもりはなかったのに、深夜のテンションというやつなのか、気になっていたので勢いで聞いてしまった真弓。

これが始まりだった。

『な、なんでって聞かれても……』

『……興奮…とか、するって事?』

『……そ、そうですね。』

『どういう所に?』

『それは……匂いとか。』

『やだ変態!』

『真弓さんが聞いてきたんじゃないですかっ。』

真弓は携帯を耳に当てながら顔が真っ赤に。でも恥ずかしそうにしながらも楽しいのか表情はニコニコしている。

『あ~もぉ恥ずかしい。なにそれ、男の人は皆パンツの匂いとか嗅ぎたがるものなの?』

『それは分からないですけど……でも大丈夫ですよ、真弓さんのは良い匂いでしたから。』

『わ、わ!な、なに言い出すのよ拓実君ったら、調子に乗らないでよっ。』

『あの匂い、今でも鮮明に思い出せますよ。』

『やだーーー変態変態変態!ホントに拓実君?頭おかしくなってるの?』

『いやだって、真弓さんが嬉しそうだからつい。』

『嬉しくないよぉ、恥ずかしいだけ。なんか今、拓実君の本性を見た気がする。』

『いつも俺がからかわれてるから、ちょっと反撃してみました。』

『わぁ、拓実君のくせに私に刃向うなんて。よ~し、じゃあ明日は負けないからね。』

『どんな勝負ですかそれ。』

妙な盛り上がり方をする下ネタトーク。

しかし、真弓は拓実とそんな電話をしながら、微妙に自分の身体が熱くなっているのを感じていた。

夫の正人も含めて、今まで男性とこういう内容の会話をした事がなかったからなのか

〝いい匂いでしたよ〟〝今でも思い出せます〟

という拓実の言葉に、なんだか興奮してしまっている自分がいた。

そして真弓と拓実の深夜のエロトークは、次の日からさらにエスカレートしていく事になる。

仲良くなり過ぎた2人が、危険な領域に足を踏み入れようとしていた。

コメント

  1. 匿名 より:

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    プレイペード(笑)
    誤字ありますよ(笑)

  2. メンメン より:

    SECRET: 0
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    お~、ご指摘ありがとうございます!

    凄い誤字ですね。笑 お恥ずかしぃ……(^^;)

    修正しました。

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